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スノーモンスターに囲まれて
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しばしの間、沈黙が訪れた。が、それも高層階行きのエレベーターに乗るまでのこと。
高層階用のエレベーターの内装は、他の物よりもよりラグジュアリーな空間になっている上、外の景色が楽しめるようになっていた。
高度を上げるエレベーターが、目的地に行くまでに煌びやかな星空を撒き散らしたかのような夜景を見せてくれる。
「……すごい」
「見事な物だな……」
思わず漏れた感嘆の吐息を切っ掛けに、2人は再び語らいだした。
ナイトスキーは今日しかできなかったのに良かったのかとか、今ゴンドラに乗って山頂に行けば、もっと凄い景色が見られるかなとか。
話を弾ませるには乗車時間は短く、すぐにカフェへ着いた。ロビーよりもふかふかな絨毯に、あおいは思わずドレスコードはないだろうかと心配の声を上げたが、そろりと見回した店内には似たような普段着の客でいっぱいで。やはり考えることは皆同じなのか、窓際の席には空きが見当たらない。
「お客様。もしよろしければ――」
店員の提案もあり、2人はテイクアウトで飲み物を購入すると、ワンフロア降りて温泉街が一望できるというテラスへと向かった。
とは言っても、雪の降り積もる中では屋外テラスは閉じられており、夜空の下でブランケットを被り、悠々と星空鑑賞は叶わない。ただ代わりに、そのテラスが見渡せる廊下に椅子が並べられており、景色が十分楽しめるのだ。
今の時期だと室内でも少しばかり寒いので、せっかくならとラグジュアリーな喫茶店に客が集中しがちだが、ここが意外と穴場であるらしく、その椅子は空いていた。
「良かったね」
「ああ、いい場所を教えてもらえたな」
長椅子に隣り合って座り、無駄に緊張しちゃったと笑い飛ばすあおいを見て、修はそわそわとした心を悟られないように、必死に相づちを打った。
「……それでね、大事な話のことなんだけど」
異性として意識している彼に、伝える言葉。
特別な親友。だけど……それだけの枠に収まらない、信頼できる大切な人。
言葉が詰まって、あおいは目を伏せて深呼吸をひとつ。ゆっくり目を開くと、カップを外側に置いて丁寧に修へと向き直った。
それに釣られるように、修もカップを外側に置き姿勢を正す。これから、あおいから紡がれる言葉を聞き逃してはいけない。
「もうすぐ、卒業でしょ?」
「……ああ」
「修君と約束した、大事な返事……しようと思うの」
暫し沈黙に包まれ、あおいはもう1度深く息を吐く。
「でも、私……考えてないの」
「…………え?」
何を言われたのか、修には理解ができなかった。
彼女はなんと言った? 聞き間違いでなければ、『考えてない』と、そう言っただろうか。
(どういう意味だ? あおいは考えてくれるって言ったよな。それとも、俺との仲を……考えられない?)
鼓動が忙しなくて、彼女の言葉を聞き漏らしそうだ。驚きに見開かれた修を前に、あおいもポツポツと答え始める。
「修君は、ずっと私のことを好きでいてくれた。だから前向きに検討しなくちゃって……でも」
言葉を区切り、あおいは手を握りしめる。その手が震えている理由は、決して良くない理由だろう。
「どうしても、ダメなの。誠実でいなきゃ、真面目に考えなきゃって思うたびに、うじうじしちゃって……そんなの、全然私らしくないなって思っちゃって」
――ごめんなさい。
漠然と修の中で、そんな言葉が浮かんでいた。
あおいの言葉を最後まで聞いたわけでもないのに、彼女を悩ませ苦しませているという結果が答えだと。
フラれるなら、謝るのは自分だと口火を切った。
「ごめん……」
「……なんで? どうして修君が謝るの?」
「だって俺が、あおいを苦しませてしまったから」
申し訳なかったと頭を垂れる修の両頬を、あおいはしっかりと掴む。
「聞いて、最後まで」
これ以上、何を聞けと言うのか。
恐怖と絶望が襲いかかってくるような気持ちでいっぱいになりながら、修は眉を下げてあおいを見つめ返す。
「決めきれずにいて、ごめんなさい。でも、卒業式までには……ちゃんと、この気持ちがなんなのか、修君とどういう関係でいたいのか……ちゃんと前向きに考えて、言葉に出来るようにするから」
鼻をすするあおいは、自分の不甲斐なさに顔を歪めていた。
「だから今は、答えを考えてないこと……考えすぎないようにしていること、本当に……ごめんなさい」
悲しみに振り切りかけていた修の思考が、徐々に戻ってくる。あおいは、『今は』決めてないと言ったのだ。
自分らしくあるために、『考えすぎないようにしている』だけで、修との関係は前向きに考えてくれている。
全身から力が抜けて、修はあおいに寄りかかるようにして倒れ込んだ。
「ありがとう」
期待した答えではなかったけれど、そう悪いものでも無かった。
「なんで修君は、そんなに私を甘やかすのよぉ……」
堪えきれず泣き出したあおいを、宥めるように背を叩く。
本当は涙を拭ってあげたいけれど、それはまだ……違う気がしたからだ。
「君が、あおいが好きだからだよ」
何度だって伝える。いつまでだって待っている。
恋心がわからないなら、わかるまで……どういう気持ちで接しているか教えてあげる。
そんな気持ちを込めて、修はあおいが落ち着くまで、ずっと背を優しく叩いてあげた。
そうして迎えた2日目は、ちょっぴり気恥ずかしい朝に――ならなかった。
思いの丈を吐き出してスッキリしたのか、あおいはすこぶる元気だ。
「今日はクロークに荷物を預けて、お昼過ぎまでは滑れるんだよね。やっぱり、昨日出来なかったスキー?」
「あ、ああ……混んでない上級者コースがあれば、迷惑にならないように挑戦できるかなって」
バイキング形式のモーニングを頬張りながら、「いいね!」とにこやかに返事をするあおいが現実なら、昨夜のあおいは夢だったのだろうか?
(それにしては、抱きしめた感触は……)
悶々としながらパンをちぎり、咀嚼する。その様子に、あおいはコソコソと「内緒ね」と小さく呟いた。
「え?」
「だから、昨日の…………泣いちゃったこと!」
言わせないでよと脛をつま先で小突かれ、思わず修は笑みを零す。
大方、弟とも付き合いがあるので、それを心配してのことだとは思うが、今の修には逆効果で。
「夢だったかもと思っていたところなんだ。現実だって再確認できて良かったよ」
「ふぇ!? ゆ、夢です、ゆーめー!」
大事なことを聞いたんだ、絶対に忘れない。
君が君らしくあれるように、君の答えを出せるように、今は、まだ。
声を出して笑う時間が、あとどれくらい続くだろう。
少しでも長く続くように、出来ることは――。
(俺が俺らしく、あおいを愛することかな)
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あとがき
担当マスター:
浅野 悠希
ファンレターはマスターページから!
この度はリクエスト頂きありがとうございました、浅野です。
お届けが大変遅くなってしまい、申し訳ありません。
旅行を楽しみつつ、大事な言葉が貰えるかドキドキする。
もうすぐ終わってしまう、今の関係だから紡げる、甘酸っぱい物語になったでしょうか。
どうかお二人の雪解けが、幸せなものでありますように。
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担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年04月17日
参加申し込みの期限
2024年04月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年04月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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