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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
海上学園都市ネコトピア うみねこ大図書館の秘密の扉
【二匹のレオ】
ふたたび、ぽかん。綾花もミラも、珪先生までもが思わず口を開けて、その奇妙な光景に見入っておりました。
クロワはきょろきょろ。
「あれー、おかしいニャー。レオがくえんちょーが、二匹に見えるニャー？」
「にゃはは、君の目は正しいニャ」
「オレたちも、はじめはビックリしたしニャー」
「そうだニャー」
学園長レオが綾花たちへ引き合わせたのは……なんと、もう一匹のレオ！ 学園長そっくりの明るい笑いを振りまいて、言いました。
「ねことおさかなの海上リゾート施設、ネコトピアへようこそ。ニャ！」
サメトラムに乗ってこぽこぽこぽ。海上から少し下ったところに、お茶会会場はありました。美しい緑の庭園を円筒形のガラスの壁が覆い、外は海。深いブルーに差し込む陽の光がゆらゆら揺れて、風にたなびく白いカーテンのよう。虹色にうろこをきらめかせる小魚たちが踊るように泳ぎ、その向こうにはイルカたちが楽しそうに遊んでいるのが見えました。
甘い紅茶を口に含んで、少しばかり落ち着いたところで。綾花はあらためて、二匹のレオたちを見つめます。
「支配人……でしたよね」
「うニャ。株式会社ネコトピア代表、レオ・オブリーオだニャ！」
まさしく、もう一匹のレオ。こうして学園長と並んでいると、どちらがどちらだか分からなくなるくらいです。
先ほどちらと聞いた彼らの説明を、珪やミラとひとつ吟味してはみたものの、やっぱりまだすんなり受け入れることはできていません。あんまりにも、ぶっとんだお話でしたもので。
「まさか、本当に別世界だなんて……」
「にゃっはっは」
と笑ったのは我らが学園長のほうのレオ。教壇で教鞭を振るかのように前足をひらひらしながら、ゆっくりと説明してくれました。
「木天蓼海流のエネルギーを上手く操ることができれば、海中に都市を作ることもできる。最初はそう思ったんニャ」
「海中に？ 海の中にネコトピアを……？」
「そーニャ。そのための研究を続けていくうちに……ある時、海流の真ん中にミョーな光があることにきづいたんニャ。まるで、どこかにつながる扉みたいな」
「それが、うみねこ大図書館の秘密の扉……？」
どうやらはじめ、学園都市ネコトピアは海中に作られるはずだったそうなのです。お日さまいっぱいの白亜の都市、現在の美しい海上都市の姿を知っている綾花にはなんだか、意外に思えました。
だって、海中の都市だなんて……暗くてじめじめして、住みにくそうですもの。
「ンニャ、そのとおり。それを教えてくれたのが、こっちのネコトピアのオレだったんニャ」
「いやー驚いたニャ！ 別の世界にもオレがいて、ネコトピアをつくろうとしてたニャんてニャー」
二匹が出会ったのは、学園都市計画が始まってまだ間もない頃だったといいます。深海に渦巻くおそるべき木天蓼海流がたたえる、時空を越えるほどの超エネルギーが偶然作り出した、ぽっかり開いた扉の向こう。異世界の光景を、学園長レオは目にしたのだそうです。
「オレの考えた海底学園都市には、重大で致命的な欠陥があったんニャ。オレは忘れてたんニャ、ねこたちがどれだけ、お日さまが大好きかってことを」
「お日さま。太陽が？」
「そうニャ」
と、海上リゾート支配人のほうのレオが言葉を引き継ぎます。
「オレもそれで、失敗しちまったんニャア。それはそれは、大失敗だったニャ……」
遠い目をして、昔を思い出しているのでしょうか。
「ねこには、お日さまが必要ニャ。海底都市ネコトピアはそのために一度、滅んでしまったニャ」
「滅んで……？ でもいまは、こんなに賑やかで素敵なところなのに」
ミラの疑問に、支配人レオは、にかっ。
「相変わらず、ミラちゃんは綺麗だニャア。どこにいても、ミラちゃんは可愛いニャア」
「ええっ？ そ、そんな……」
「恩人のみんなのおかげで、ネコトピアは海の上へ浮上し、新しく生まれ変わったんニャ。お日さまあふれる、ぽかぽかで居心地がいい、ねことおさかなのための楽園にニャ！」
そうして完成したのがこの、海上リゾート・ネコトピア。学園長レオが築き上げた海上学園都市ネコトピアとは似て非なる、別の世界のネコトピアだったのです。
みっつの海流が流れ込むことで生まれる木天蓼海流がもたらした、時空をこえる奇跡の出会いでした。
「こっちのレオと出会って話を聞けたことで、オレの学園都市計画も完成させることができたんニャ」
「そうだったんですか。不思議なことがあるものだ」
ようやく腑に落ちたらしい珪先生。お隣にちょこんと腰かけた綾花と彼を、支配人レオはなにやら見くらべて、にこりと笑います。
「ま、そんなわけで、今でもこうしてたびたびお茶会をして、おたがい情報交換をしてるんニャ」
「君たちもせっかくこっちに来たんニャ。お茶して、プールで遊んで、めいっぱい楽しんでいくといいニャ！」
「やったニャ～～～」
無邪気なクロワのにっこり顔に、ちょっぴり張りつめていたみんなの顔がほぐれて、くすりと笑顔がこぼれました。
ふたたび、ぽかん。綾花もミラも、珪先生までもが思わず口を開けて、その奇妙な光景に見入っておりました。
クロワはきょろきょろ。
「あれー、おかしいニャー。レオがくえんちょーが、二匹に見えるニャー？」
「にゃはは、君の目は正しいニャ」
「オレたちも、はじめはビックリしたしニャー」
「そうだニャー」
学園長レオが綾花たちへ引き合わせたのは……なんと、もう一匹のレオ！ 学園長そっくりの明るい笑いを振りまいて、言いました。
「ねことおさかなの海上リゾート施設、ネコトピアへようこそ。ニャ！」
サメトラムに乗ってこぽこぽこぽ。海上から少し下ったところに、お茶会会場はありました。美しい緑の庭園を円筒形のガラスの壁が覆い、外は海。深いブルーに差し込む陽の光がゆらゆら揺れて、風にたなびく白いカーテンのよう。虹色にうろこをきらめかせる小魚たちが踊るように泳ぎ、その向こうにはイルカたちが楽しそうに遊んでいるのが見えました。
甘い紅茶を口に含んで、少しばかり落ち着いたところで。綾花はあらためて、二匹のレオたちを見つめます。
「支配人……でしたよね」
「うニャ。株式会社ネコトピア代表、レオ・オブリーオだニャ！」
まさしく、もう一匹のレオ。こうして学園長と並んでいると、どちらがどちらだか分からなくなるくらいです。
先ほどちらと聞いた彼らの説明を、珪やミラとひとつ吟味してはみたものの、やっぱりまだすんなり受け入れることはできていません。あんまりにも、ぶっとんだお話でしたもので。
「まさか、本当に別世界だなんて……」
「にゃっはっは」
と笑ったのは我らが学園長のほうのレオ。教壇で教鞭を振るかのように前足をひらひらしながら、ゆっくりと説明してくれました。
「木天蓼海流のエネルギーを上手く操ることができれば、海中に都市を作ることもできる。最初はそう思ったんニャ」
「海中に？ 海の中にネコトピアを……？」
「そーニャ。そのための研究を続けていくうちに……ある時、海流の真ん中にミョーな光があることにきづいたんニャ。まるで、どこかにつながる扉みたいな」
「それが、うみねこ大図書館の秘密の扉……？」
どうやらはじめ、学園都市ネコトピアは海中に作られるはずだったそうなのです。お日さまいっぱいの白亜の都市、現在の美しい海上都市の姿を知っている綾花にはなんだか、意外に思えました。
だって、海中の都市だなんて……暗くてじめじめして、住みにくそうですもの。
「ンニャ、そのとおり。それを教えてくれたのが、こっちのネコトピアのオレだったんニャ」
「いやー驚いたニャ！ 別の世界にもオレがいて、ネコトピアをつくろうとしてたニャんてニャー」
二匹が出会ったのは、学園都市計画が始まってまだ間もない頃だったといいます。深海に渦巻くおそるべき木天蓼海流がたたえる、時空を越えるほどの超エネルギーが偶然作り出した、ぽっかり開いた扉の向こう。異世界の光景を、学園長レオは目にしたのだそうです。
「オレの考えた海底学園都市には、重大で致命的な欠陥があったんニャ。オレは忘れてたんニャ、ねこたちがどれだけ、お日さまが大好きかってことを」
「お日さま。太陽が？」
「そうニャ」
と、海上リゾート支配人のほうのレオが言葉を引き継ぎます。
「オレもそれで、失敗しちまったんニャア。それはそれは、大失敗だったニャ……」
遠い目をして、昔を思い出しているのでしょうか。
「ねこには、お日さまが必要ニャ。海底都市ネコトピアはそのために一度、滅んでしまったニャ」
「滅んで……？ でもいまは、こんなに賑やかで素敵なところなのに」
ミラの疑問に、支配人レオは、にかっ。
「相変わらず、ミラちゃんは綺麗だニャア。どこにいても、ミラちゃんは可愛いニャア」
「ええっ？ そ、そんな……」
「恩人のみんなのおかげで、ネコトピアは海の上へ浮上し、新しく生まれ変わったんニャ。お日さまあふれる、ぽかぽかで居心地がいい、ねことおさかなのための楽園にニャ！」
そうして完成したのがこの、海上リゾート・ネコトピア。学園長レオが築き上げた海上学園都市ネコトピアとは似て非なる、別の世界のネコトピアだったのです。
みっつの海流が流れ込むことで生まれる木天蓼海流がもたらした、時空をこえる奇跡の出会いでした。
「こっちのレオと出会って話を聞けたことで、オレの学園都市計画も完成させることができたんニャ」
「そうだったんですか。不思議なことがあるものだ」
ようやく腑に落ちたらしい珪先生。お隣にちょこんと腰かけた綾花と彼を、支配人レオはなにやら見くらべて、にこりと笑います。
「ま、そんなわけで、今でもこうしてたびたびお茶会をして、おたがい情報交換をしてるんニャ」
「君たちもせっかくこっちに来たんニャ。お茶して、プールで遊んで、めいっぱい楽しんでいくといいニャ！」
「やったニャ～～～」
無邪気なクロワのにっこり顔に、ちょっぴり張りつめていたみんなの顔がほぐれて、くすりと笑顔がこぼれました。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2024年11月21日
- 参加申し込みの期限
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- 2024年11月28日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2024年11月28日 11時00分
