「え、つまり、深海に渦巻くこの木天蓼海流を制することが、え、われらが海上学園都市ネコトピアの誕生と発展につニャがったと、え、いうわけですニャ」
ねこの先生たちの授業はどれも興味深くて、
綾辻 綾花は熱心にカリカリカリ、ノートへペンを走らせておりました。
ここは『
海上学園都市ネコトピア』! ねことおさかながともに支え合って成り立つ、素敵な学び舎です。
教室の窓の向こうは海。クジラやイルカ、色とりどりのおさかなたちがひらひらと踊り、ういういしい学生ねこたちが勉学にいそしむのをあたたかく見守っています。
寝子島からの留学生である綾花にとって、まさにここは楽園。なんたってクラスメートたちも教員たちも、みーんなねこ! 二本の足で立って歩いておしゃべりもする、愛らしいねこたちなのですから。もーたまりません!
それはそれとしてマジメな綾花ですから、お勉強だっておろそかにはしません。せっかくの留学です、海上都市という特別な環境で育まれた知識をばっちり吸収しようとそれはもー真剣に、
「綾花さん。綾花さん」
「うん? どうかしたの、ミラちゃん?」
ルームメイトの
ミラは、学園きっての秀才。とっくに予習済みの授業にちょっぴり退屈してしまったのか、綾花の腕を肉球でぷにぷにしました。
「知ってますか? うみねこ大図書館の秘密。さっき誰かが噂してたんです」
「大図書館の、秘密?」
「はい。綾花さんは興味があると思いまして」
にこりと微笑んだ彼女が言下に示したのはつまり、そこにいる司書さん……綾花の想い人のことでしょう。
綾花はほんのりと頬を赤くして、
「と、図書館にどんな秘密が? どんな噂なんですか」
「それがですね。うみねこ大図書館の奥には秘密の扉があって、その奥では謎の……」
「ペプロメーノくん、あやつじくん。ぼくの授業はつまらないかニャア?」
「あっ……す、すみません!」
先生におしゃべりをたしなめられてしまいました。まあ先生ものんびり屋なねこですから、ふにゃふにゃんってな感じでちっともこわくないし、むしろカワイイくらいでしたけれど。
サメトラムに乗って海の中、ゴンドラに揺られてたどりついたのは、放課後のうみねこ大図書館。
「秘密の扉? ああ、そんな噂を聞いたことはあるよ」
「本当ですか!?」
司書をつとめる
早川 珪先生の言葉に、綾花とミラは顔を見合わせましたけれど。
「でもごめん、そんなに詳しくは知らないんだ。ただ、学園長が時おり大図書館の奥へ行くのを見かけることがあってね。しばらく戻ってこないこともあるから、不思議に思ってはいたんだよ」
「レオ学園長が?」
学園都市ネコトピアを創立したねこ、レオ・オブリーオ学園長とは綾花も顔なじみ、仲よしです。
けれどなにやら、彼には秘密があるようでして。
「うみねこ大図書館の、秘密の扉! これは気になりますね。ねっ、綾花さん!」
「ふふ。そうだね、ミラちゃん」
わくわくする白猫の笑顔にふにゃんと和みつつ、珪を振り返ります。
彼もどうやら、この図書館を預かる身として、ウワサは気になるところであるようです。
それに、
「綾辻さんも、気になるかい」
「はい、少し」
「それじゃ、探検してみようか。僕もまだまだ、知らないことがたくさんあるからね」
「はい! 珪先生といっしょなら、ぜひ」
綾花にだって、理由がありました。
そう、彼といっしょなら、どこだって。
「いきましょう、綾花さん! 珪先生!」
うにゃあと鳴いて、ミラはぷにっとつかんだふたりの手を引きました。
墨谷幽です。よろしくお願いいたします~。
綾辻 綾花さん、プライベートシナリオの申請、まことにありがとうございます!
アクションはガイドのイメージによらず、どうぞご自由にお書きださいませ~。
このシナリオの概要
こちらのシナリオで描かせていただいた、『海上学園都市ネコトピア』。
今回はその続きとなります。
海に浮かぶ学園都市ネコトピア。
ねことおさかなが協力し合うことで成り立つこの都市で、綾花さんは留学生として暮らしています。
ある時、綾花さんが耳にした、とあるウワサ。
「うみねこ大図書館には、秘密の扉があるらしい?」
「学園長のレオは図書館の奥へ行って、しばらく姿を見せないことがあるらしい?」
ひそかに想いを寄せる早川 珪先生(この世界ではまだ、恋人ではありません)と、
ルームメイトのねこ、ミラといっしょに、綾花さんはこのウワサの真相を探ることになりました。
はたして、大図書館に隠された秘密とは?
……というのがことの成り行きですけれど、
もしほかにやりたいことなどありましたら、自由に行動していただいても構いません。
不思議な海上都市で過ごすひと時を、存分に満喫していただけましたら幸いです。
なお、うみねこ大図書館は非常に広大で、並ぶ書架はまるで迷宮のよう。
うっかりすると迷子になってしまいそうです。お気をつけて。
図書館内や学園都市内では、たとえばクールなテオ、ミステリアスなアルク、ひとなつっこいクロワなど、
ほかのねこと出会うこともあるかも。
ウワサについて尋ねてみるのも良いかもしれませんね。
NPCについて
NPCは、登録済みのキャラクターでしたら誰でも登場可能です。
また、墨谷のシナリオに登場したNPCでしたら、登録・未登録問わず登場OKです。
ただし、不自然でないシチュエーションに限ります。登場が難しい場合もありますので、ご了承ください。
こんなNPCと絡んでみたい、なんてリクエストがありましたら、お気軽にご指定ください。
細かく指定もOKですし、マスターにおまかせもOK。
Xキャラクターも登場可能です。
口調などのキャラクター設定は、アクションに記載してください。
Xキャラ図鑑に書き込まれている内容は、そのURLだけ書いていただければ大丈夫です。
以上になります。
それでは、ご参加をお待ちしております~!