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LIQUID -Star Chronicle- 暗夜の英雄譚
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【サイドクエスト『吹雪の夜に……』(2)】
「んっ?」
「あれ?」
体力を奪う猛吹雪の中で唐突に出くわしたものだから、アオイたち四人も、ユズハとワットも思わず身構えた。武器を構えるものの、すぐに相手が人間、同じ冒険者であろうと悟り、うなずきあって切っ先を下ろす。
アオイたちは酒場で踊り子を物色する怪しい男を。ユズハらはデバガメの赤い瞳を追って雪の中を駆けてきた。吹雪は寒々しいもののプレイヤーを凍えさせるほどではないから、ここまで猛然と追走してきたが、
「っと、いけない! 低体温のデバフが……とりあえず、どこか入らない? ホットポーションを分けるから」
ユズハが提案すると、アオイは指差し言った。
「じゃ、あの館に入ろう。私たち、あそこに用があるんだ」
「館? あ、本当だ」
白く染まる視界にぼんやりと浮かび上がる、いかめしく大きな洋館が目の前にそびえていた。
元は主もなく抜けがらのような家だったが、近頃はここに新しい住人がやってきたという。アオイの受けたクエストの依頼人、ジュネヴィーが語るにはどうにもその男が怪しい。踊り子失踪事件になんらかの関わりがあるのではないか、との話だった。
ひとまず吹雪から逃れ、アオイはノックもせず館の扉を押して開く。
「……誰もいないみたい?」
「静かね。人の気配は感じられないけど」
マーナががらんとした館のエントランスを無遠慮にぐるりと眺め、それでも声をひそめてつぶやいた。
確かに館には人気がない。物音もせず、しんと冷えた空気が満ちている。どこか奇妙なのは、それにも関わらず調度品や家具類にはホコリも蜘蛛の巣もかからず、実に丁寧に手入れされている痕跡が見えることだ。
「おや? そのクエストっていうのは、『吹雪の夜に……』これかい?」
ワットがユズハの配ったホットポーションをあおりつつ、受諾クエスト一覧を眺めてたずねた。
「そう、それそれ」
「ふむ。ユズハ、僕たち、いつの間にかそのクエストに巻き込まれてるみたいだよお」
「ええ、そうなの? あ、あの赤い目を追いかけてきたから?」
いつの間にか彼女らは、ともにクエストへ挑むこととなっていたらしい。
館は静まり返り、エントランスの奥にわだかまる闇は侵入者を飲み込むかのように渦巻いている。
「……!? アオイ、誰かいますわ!」
そこへ足音もなく、予兆もなく、人影が出現していた。赤くぎらつく瞳で来訪者を睥睨していた。アオイは無論、その顔を覚えていた。
「酒場の男……!」
「ずいぶんと騒がしいことだ。おかしいな、魅了の魔法が効いているからここへ来たのではないのか……?」
男は身構える面々をいぶかしげに見据え、眉をひそめる。そうして一転、慌てたように後退った。
「魔法への抵抗力……もしやお前たち、冒険者か!? た、たばかったな!」
「たばかったもなにも、僕とワットは赤い目を追いかけてきただけなんだけど」
風呂場の窓越しに見た赤い瞳と、男のそれは同一だったようだ。アオイらに魅了を試み、館への帰路にあった宿で目についたユズハへついでのように魔法をかけた……それは上手くいかなかったようだが。
「へえ。じゃあ、君がのぞき犯ってわけかあ」
ワットが愛用の双銃を抜き放ち銃口を突きつけたのを皮切りに、ユズハが大斧を、アオイはナックルを掲げ、マーナがバフ魔法をパーティへと広げる。
「ま、待てお前たち! なにかかん違いをしていないか!?」
男はどうやら人間ではないようだが、魔物か異形の存在には似つかわしくないほどに狼狽し、冒険者らを押しとどめるように両手を突き出した。
「私がこの館の主だと思うのか? この私ごときが!? 私などただの小間使いに過ぎん! ああ……ちょうどよい。そろそろ夜半だ。彼女が目覚める頃だ。飢えたあの方が、新鮮な血のにおいを嗅ぎつけて……!」
直後、冷気が彼女らの足元を駆け抜けた。きし、とエントランスに飾られたシャンデリアが揺れる。
そこに足をかけ、背に翼持ちはためかせ、青白い肌をして舌なめずりした女。その口元には、ぎらつく二本の牙が覗いていた。
オートマタUPW2、ウーピーは流体のごとき瞳を揺らめかせ、その存在をこう表した。
「人間ではありません。解析、識別の結果によれば、あの女は92%の確率で……<ヴァンパイア>と思われます」
ウーピーの右腕が変形し形を成した狙撃銃が、一筋の光条を放つ。光が男をつらぬくと、灰となり霧散した。
ヴァンパイアは獲物と定めた者を館に招き、吸血する。その過程にて眷属を増やしていくが、男はそのひとりだったようだ。
「あれは……失踪した踊り子たちですの? 彼女たちはすでに血を吸われ、眷属となっていたのですね!」
シャローテの投げ放つ無数のナイフが飛翔する先には、煽情的な踊り子の装いのままに自由意志を失い、翼を得て吸血鬼の眷属となった女たちの姿があった。ナイフは彼女らの胸に頭にと突き刺さる。血は吹きだしたが、あまり効果があるようには見えない。
「ちょ、シャローテ!? そんなぐっさりいっちゃっていいの?」
マーナの問いはアオイも同じ思いだったが、シャローテは悲しい顔で首を振った。
「一度眷属と化した者が、再び人に戻ることはありません。わたくしたちの手で始末をつけて差し上げるのが、せめてもの情けというものですわ」
「そういうことなら、やるしかないね!」
ユズハは味方に<エンチャントポーション>を投げ、それぞれの武器に炎の属性を付与すると、自らも飛びかかってくる眷属めがけ大斧を振るって迎撃する。
<フリップコイン>で己にバフをかけながら、ワットの二丁拳銃が放たれると、銃弾もまた炎を帯びて眷属、元踊り子の女の恐ろしい顔をつらぬいて霧消させた。
館に眷属たちが舞う。敵は無数だが、仕留めるべきは館の主であるという吸血鬼の女だ。
「マーナ、シャローテ、ウーピー! ユズハさんたちと連携して攻めるよ!」
「おっけー、アオイ!」
「おまかせですわ!」
「了解しました。司令官」
回復をマーナのグレーターオートヒールにまかせ、アオイは跳躍する。
「<鋭光乱舞>! 炎バージョンっ!!」
輝く光と炎が入り乱れ、拳の高速乱打が吸血鬼を打ち据える。吸血鬼はひるみ、人ならぬ奇怪な声を上げて宙へ逃れるもそこへシャローテのナイフ、ウーピーの光条がかすめてダメージを蓄積してゆく。
「よーし、僕も<ポーション乱舞>で攻撃……」
「あぶない!!」
インベントリを開いた隙を疲れ、強襲する吸血鬼の爪。ユズハを引き裂くはずのそれが狙いを外したのは、飛びついたワットが彼女をかかえて地に転げ、かわりに背中へ一撃を受けたからだ。
「ワット!! だ、大丈夫!?」
「おっとと、ちょっとダメージ大きかったかな。君は無事かい? 良かった、なんとも無さそうだねえ」
すぐさまポーションで回復を図るも、吸血鬼の爪はもう少しで致命傷となるところだった。
眷属たちをシャローテとウーピーが次々に失墜させてゆく中で、飛翔する吸血鬼をにらみ、ユズハはむ、と唇を引き結ぶ。
「よくもワットを……!」
ポーション乱舞。爆発・粘性を持つ液体が満たされたフラスコが乱れ飛び、眷属たちを巻き込み炸裂し、爆風が吸血鬼を巻き上げる。衝撃に天井の明かり取りの窓が砕け、雪とガラスの欠片がきらめきながら降りそそぐ中、アオイはふたたび床を蹴り跳躍した。
肉薄に気づいた吸血鬼が空中で体勢を立て直し、爪の一撃を振るう。しかしそれも、アオイには織り込み済みのことだった。
「攻撃をあえて受けて……反撃する! 墜ちろっ、<逆響波>っ!!」
闇色のオーラを帯びた衝撃が逆流し、吸血鬼へと収束して叩き込まれた。
耳をつんざく断末魔が響く。気づかぬうち戦いは長引き、いつのまにか朝日が昇りつつあったらしい。砕けた窓から差し込む陽光にさらされ、吸血鬼は薄れゆく夜闇とともに浄化されていった。
「けっこーやるじゃない、ウーピー」
マーナが言うと、アオイとシャローテはそろってうなずいた。
「頼もしい仲間が増えたねー」
「恐縮です。司令官」
今回は褐色銀髪幼女の実力の一端を見ることができた。いずれはその使命や秘密へ迫るクエストへと触れることもあるだろうか。
「ともかく、ジュネヴィーに報告してクエスト完了だね」
そういえばあの吸血鬼の眷属たちの中には、失踪した依頼人のルームメイトも紛れていたのだろう。悲しい報告をせねばならないが、これも冒険者たる者の責務のひとつだ。
四人は連れ立って、酒場への道を急ぎたどった。
ユズハはほくほく顔で、育成中のホムンクルスを抱き上げた。まだまだ小さく幼いが、いずれは頼もしく育ってくれるだろうと信じている。
「館で手に入った戦利品、美味しかったよね。これでもっと育成が進みそう」
「ペットのブリーディングのほうも、そろそろ始めるべきかねえ」
ふたりの拠点であるハウジングエリアにて、ワットは庭を駆けまわるペットのマジックパンサーを微笑ましく見つめている。
衣擦れの音にふと彼が振り返ると、
「……なんで水着になってるんだい?」
ユズハはアバターを水着の装いに変更していた。そうして指差したのは、
いつぞや
に挑戦したレイドダンジョンでゲットした、広くて美しい装飾の施されたバスタブだった。
ユズハ自身も意図せぬままに、彼女は上気した頬に瞳をうるませて言った。
「そろそろ、赤ちゃん……つくっちゃう?」
「ペットのだよねえ????」
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SF・ファンタジー
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10人
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10人
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シナリオガイド公開日
2024年10月27日
参加申し込みの期限
2024年11月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年11月03日 11時00分
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