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LIQUID -Star Chronicle- 最終決戦
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【サイドクエスト『サイディア王室プレゼンツ・ハウジング王決定戦』(3)】
「ただいまより、サイディア王室プレゼンツ! 『ハウジング王決定戦』を開催いたします!」
大きな拍手と少々の怒号めいた歓声に包まれたのは、サイディア王都シードルの一角だ。特設会場となった噴水広場近くの空間には扉の形をしたポータル装置がいくつも並んでいる。それぞれ参加者が丹精込めて築き上げたハウジングエリアへとつながっており、来場者は自由に入退室が可能だ。その中から特に魅力的かつ優れたエリアを選び出し、すばらしい技術やセンスと『LIQUID』への貢献を称えようというのがイベントの趣旨である。
ハウジングエリアの展示を許されているのは事前の抽選と選考をとおり抜けた選りすぐりがほとんどで、一部はサイディア王室……という名の開発スタッフが選んだ招待枠もあり、エリアとしてのクォリティの高さ、ディテールの細やかさ、機能性、美的センスなどなど、いずれものエリアも最高峰と断じてよいだろう。
件の招待枠のひとり、タビガラスもこの場を訪れていた。
「さて、どこから拝見するとしようか」
「ご参加いただき光栄です。タビガラスさま」
「おや」
会場で出迎えたのは、ペッパーと名乗りタビガラスへ招待状を届けたあの男だった。聞けば彼は、受賞発表セレモニーでは司会もつとめるのだという。
両者はひとつ握手を交わし、
「どのエリアも粒ぞろい。きっとあなたの目にもかなうことでしょう」
「それは楽しみだ。それにこういうコンテストは、インスピレーションの源泉ともなる。私自身の創作にもよい影響をいただけることだろう」
セレモニーの準備へ向かうというペッパーとわかれ、タビガラスは適当に選んだポータルのひとつへ足を踏み入れる。恐竜系モンスターをペットにむかえ、ジャングル風に仕立てたその名も『ジュラシック・ランド』だった。
「ほう、これは面白い。一貫したテーマ、大事よなー」
咆哮する恐竜たちの大迫力、まさしく古代の森といった雰囲気づくりに感心する。
次に訪れたのは、カテドラルのような荘厳な聖堂あるいは神殿めいた、パイプオルガンの鳴りひびく空間だった。一角には巨大なオルガンが据えられ、天井や壁を長大なパイプが這うさまは実に壮観だが、オルガンには誰も座っておらず、主の話を聞いてみるとなんと自動演奏なのだという。
「ハウジングの機能やアイテムクラフトを駆使すると、そんなこともできるのか。すばらしい」
創意工夫を凝らしたエリアの数々は芸術の匠たるタビガラスの目をも楽しませ、ほうとうならせた。
ユズハとウォルターのエリアにも多くの観覧者がおとずれた。ふたりも多数の参加応募のなかから選出され、ポータルをつなげられているのだ。
「いや~、満員御礼だねぇ。いつも鍵付きだったから、こんなふうに誰かに見られるのは新鮮だなぁ」
「ちょ、ちょっと恥ずかしいかも……」
ユズハはいささか頬を赤くしていた。エリアのテーマは新婚夫婦の甘くてピンクでスウィートホーム的な場であり、彼と快適にイチャイチャするための空間をこれでもかと演出した。応募時は実にノリノリで受賞も間違いなし! といった気分だったのだが、いざこうして不特定多数のプレイヤーたちにふたりの愛の巣をじっくりと見られていると、思いのほか気恥ずかしくて、背中がなんだかぞわぞわとしてむずがゆかった。
ウォルターは笑って、
「なんだい、いつもは人目はばからずって感じでぐいぐいくるのに」
「そ、それはそれ! これはこれなの!」
ゲームに興じているときの彼はどうにも、鈍くていけない。スリルばかり追っていないで繊細な心の機微にも気づいてほしいものだ、とVRゴーグルごしにユズハはぷりぷり憤慨した。
「おおっ、すげーかわいいじゃん!」
「うわあ、恋人たちの空間って感じ……!」
ふとそんな声を上げたのは、こちらもカップルらしき男女だ。アバターこそふつうの少年少女といった趣きだが、携えている装備や立ち居振る舞いなど見るに、なかなかのベテラン冒険者と見える。はてどこかで会ったこともあったろうか、ユズハはなんだか見覚えがあるような気もした。
彼らはエリアをぐるりと見回し、こじんまりとして愛らしいユズハたちのホームをにこにことして眺め、腕を絡ませ合ってキッチンやらリビングやらを見学し、そのたびに恋人同士らしいコメントを交わしている。
「ねえアルター、見てよこれ、かわいい~! いかにも新婚さんって感じの、ラブラブ感あふれるお家!」
「そうだなあ。おっ、露天風呂がある! すげ、これネクタール実験場の報酬にあったやつだ。ほらエリン、お前が欲しがってた」
「うそ、すごい! ドロップ率低くてなかなか出ないっていうし、周回したのかしら。ああ、やっぱりいいな~。恋人といっしょに、月夜をながめて湯船につかって、ゆ~ったり。ま~ったり……」
「俺たちもチャレンジしてみるか? 俺たちのマイホームのために」
「きゃ~、素敵っダーリン♪」
などというコテコテのやりとりもまあ仲むつまじく、イチャイチャを見せつけてくれるもので、思わずユズハは赤面してしまった。
広めのバスタブは、先のレイドダンジョン挑戦でゲットした品物だ。これのために高難度クエストを何度も繰り返すことになったが、その価値はあった。ふたりの完璧なスウィートホームを演出する、決め手のラストピースだ。
「でもあのふたり、なんだかいいな。ああいうの。僕もワットともっとイチャイチャ……」
と想い人を探してみると、彼は訪れた観覧者の持つレアな銃に目をつけ、トレード交渉に忙しかったりした。そんな彼の持つ少年の部分もまた、可愛らしいところではあるのだが。ユズハは苦笑いした。
来訪者がひととおりのエリアを見学した頃合いを見はからって、会場では受賞セレモニーが始まった。壇上へ現れたペッパー氏を万雷の拍手が出迎える。紳士然と鷹揚に手を振ってそれに応えた彼は、拍手が鳴りやむのを待ち、ゆっくりと口をひらいた。
「……『LIQUID』には、多くの『好き』を詰め込んできました。開発スタッフそれぞれの『好き』を。プレイヤーの皆さま、それぞれの『好き』を……ま、少々詰め込み過ぎたかもしれませんがね」
ひとつ起こった笑いを手のひらで制し、ペッパー氏は続ける。
「ハウジング機能もそのひとつです。作中でも随一の拡張性、自由度と奥深さを誇るコンテンツの開発には多くの時を費やしました。多くの苦労がありました。皆さまからの貴重なご意見もフィードバックさせていただきながら、ようやくここまでくることができました。我々の用意したものをフルに活用し、それ以上のアイディアと創意工夫が皆さまの手によって生まれ、形づくられてきたのです。今日ご紹介するのはまさしくその結晶、珠玉のハウジングエリアの数々……前置きが長くなりました。そろそろ参りましょう、皆さんが私のトークに飽きて、冒険へ出かけてしまわないうちにね」
またひとつ笑いをさらいながら、ペッパー氏によって受賞エリアの発表が始まった。表彰はいくつかの個別賞と、優秀賞・最優秀賞が選出されるという。
「まずは、『すばらしきオートマチック演奏賞』から発表しましょう。ロジック装置を駆使してパイプオルガンの自動演奏を実現した、デュアルガーディアンのジョーイさん!」
個性的なエリアがドラマチックな演出を添えた動画とともに紹介されてゆく。そのたび会場は湧き、名前を呼ばれた受賞者がおたけびを上げガッツポーズしたり、涙ぐむシーンもあった。
いくつも紹介を経てセレモニーも終盤かと思われた頃に、
「『あま~い! ラブラブスウィートホーム賞』、ユズハさん&ウォルターさん!」
ぱちくりと目をしばたかせたユズハは、思わず声を上げた。
「……えっ!?」
「おや、僕らかい?」
「まさに恋人たちの愛の園。あふれんばかりの想いを具現化する、その一点において突き抜けたこだわりを表現したユズハさんたちのハウジングエリアを選出させていただきました。これからも末永くお幸せに。おめでとうございます!」
「やったあ、ワット!!」
「おっとっと」
思わず飛びつきむぎゅっ、倒れ込んだところに彼の頬へキスをひとつ。微笑ましいワンシーンは数多のスクリーンショットとなって切り抜かれ、界隈のニュースサイトなどに広く掲載されたという。
「さていよいよ、最優秀賞の発表とまいりましょう。皆さん、準備はよろしいですね?」
ウィンクひとつ、ドラムロールの重低音が会場をひとつの劇的な結末へと向かって導いていく。といって観覧者の中には確信ある者も多かったらしい。どのエリアも見どころあり大いに楽しみながらも、自然と長くとどまりその快適を享受せずにいられない、写真を撮りその光景や体験を記録にも記憶にも残しておきたいと思う、そんな場所を彼らは見い出していたのだ。
ドラムロールが鳴りを潜めた瞬間に、ペッパー氏は高らかに告げた。
「最優秀賞は……タビガラスさん!」
プレイ時間のほとんどをエリアの整備に費やし、常に新しいアイディアを模索し、実行に移し、多くの常連客を抱え、彼らとともに成長してきた。そんなタビガラスの信念と努力が結ばれた結果だった。
「美しく造営された圧巻の花壇モニュメント。奥の祭壇ではペット同士の交配を結婚式と見立て、みんなで祝うことができるサービスも行っているそうです。ペットランにはじゅうぶんに駆け回ることができるスペースにアスレチックも併設、バトル用のフィールドもあります。水棲ペット用の池やプールもあり、なんと釣り掘りとしても機能するとか。ペット設備の充実は他に類をみません。さらに奥はキャンプサイトとなっており、炊事場では多彩な料理アイテムのクラフトも可能。あちらのステージでは何度も野外フェスが開催され、大盛況とのこと。クラフトエリアはまるで工場のようですね。錬金、ホムンクルス育成、ロボットの構築など、クラフトマイスターの全てをまかなう充実のスペースとなっております。向こうに見えるコテージは実際に宿泊も可能だそうです。扉はロック可能なので、ゲームからログアウトする時に使用されるのもよいでしょう。次にログインするときには、新鮮な気分で冒険が始められますね」
エリアに盛り込んだコンテンツのひとつひとつが紹介されるたび、感嘆と歓声が広がる。
「機能美にあふれ、無駄なスペースはひとつとてなく、それでいて来訪者を飽きさせず楽しませる工夫と努力がすみずみにまで行き届いた、まさに完璧なハウジングエリアでした。訪れた皆さんが一心にスクリーンショットを撮影し、一種の映えスポットともなっていたのも印象的でしたね。みなの憩いの場所として作り上げたいという、タビガラスさんの信条がありありと伝わってきて、選考スタッフも満場一致の最優秀賞となりました……おめでとうございます!!」
ひとことどうぞと招かれ壇上へ向かう間、タビガラスは目を伏せ神妙な面持ちを浮かべていた。飄々とした魔女のような彼女もどこか、感じ入るところがあったのだろう。
ペッパー氏の手招きに応じステージへ登ったタビガラスは、やがて顔を上げ、口をひらいた。
「ありがとう、とても光栄だ。ありがとう、ありがとう。もひとつありがとう。わが家は誰でも自由に出入りできるオープンなスペースとして運営中だ。みなの交流の場として、ペットとの絆や経験を深める場として、イベント会場として、ぜひ有効に活用してほしい。諸君の来訪を心より、お待ちしているよ。どすこい」
ふいに放たれたどすこいの直後、壇上へおどり出たヒヨコロボビルダーにセキトリヒヨコ、ヒヨコトレーナーらがムキムキのおマッシヴボディを見せつけながらに桜の花吹雪などまき始めたもので、ステージは一気に筋肉質となりペッパー氏も、見守っていたユズハもウォルターも、常連客アルターにエリンも、感動の涙を流して拍手を贈っていたシロヘビ嬢もまとめてズッこけ、周辺一帯には地鳴りが響き渡った。
ともあれ、受賞セレモニーは無事終了。第一回ハウジング王決定戦は、受賞者たちと開発スタッフらのアバターとともに撮影された記念スクリーンショットをもって、盛大な賑わいのなか締めくくられたのだった。
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シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
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15人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年05月06日
参加申し込みの期限
2024年05月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年05月13日 11時00分
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