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かぞく・5
くすりとレオナは微苦笑している。
レオン、四苦八苦してるわね。
ましろとねねに振り回されるレオンの姿は、気の毒ではあるが面白かった。
でも、見てるばっかりもレオンに悪いかな。
レオナは助け船を出すことにする。まだレオンと何か話しているねねに声をかけた。
「お姉ちゃん? こっちにかわいい服あるから一緒に見よ? ね?」
レオナはねねを軽く腕で引き寄せ、そのまま下着コーナーを離れるように誘導した。
「ほら? これなんてどうかな春っぽいよ」
「いいね。でも、むしろレオナのほうが似合いそう」
「え? ホント? 試してみようかな。でも好み色がふたつあるんだけど迷うなあ。どうしよう」
「しょうがないなぁ、なら、おねーちゃんがえらんであげる!」
――と盛り上がる姉ふたりの声を背に、カノンは沈鬱につぶやいていた。
カノンは鏡に映る自分を見ているのだった。
「なんだよ、この微妙な敗北感……」
百八十センチ近い高身長、同年齢からすれば飛び抜けて大人びた体格だが、それゆえにカノンにとって、少年服はどれもこれもサイズアウトだ。カプギアのロゴ入りパーカーなど「いいな」と思うものに手を伸ばしても、ため息とともに棚に返さざるをえない。無理して着用したところできっと、洗濯に失敗したと思われるだけだろう。
もういいや、おれの服なんてテキトーで。
紳士服コーナーで、可もなく不可もなく個性もないトレーナーに手を伸ばしたところで、「カノン」と声をかけられた。
「ねーちゃん?」
振り返ると、そこには笑顔のレオナが立っていた。手に何やら持っている。
「これ、どう?」
レオナが差し出したのは、シンプルなグレーのフード付きブルゾンだった。袖口と裾にブラックのリブが入っていて、スポーティーな雰囲気を持ちながら、どこか洗練された印象もある。
「え……それ、俺が着るの?」
思わず聞き返すカノンに、レオナは「もちろん」と返事した。
「春っぽいし、動きやすいよ。インナーには、こういうカジュアルなシャツを合わせるのがよさそうね」
さっと棚からシャツをとってひろげる。
「カジュアルなシャツって……その、チェックのやつ?」
シャツは細かなチェック柄だった。大きすぎない格子模様は、上品さとカジュアルさをほどよく両立している。
「うん。チェックでも落ち着いた色合いなら小学生っぽくならないよ。このブルゾンに合わせるなら、こんな風なネイビーがいいかな。ボルドーのラインが入ったやつも華やかかも」
カノンはレオナの話に興味がわいてきた。
「なんでそんなに詳しいの?」
これを聞くとレオナは胸を張り、得意げに答えたのである。
「ふふ、伊達に雑誌とか見てないもんね。それに、おしゃれって楽しいし!」
あと、とレオナは胸を張って言い切った。
「私は未来のトップスタイリストだから!」
カノンは吹き出してしまった。レオナにこんなジョークのセンスがあるとは思ってもみなかった。
「未来って、現在はちがうのかよ」
「細かいことは気にしないの! ファッションセンスってのはね、雑誌とショッピングの現場で磨かれるんだよ。カノンも鍛えてあげるから」
「お、おてやわらかに」
「じゃあ今日のレッスン。おしゃれで大事なのはね、全体のバランスなの。ブルゾンみたいなカジュアルアイテムには、ちょっとだけ『きちんと感』を足してあげるのがコツよ。で、パンツはこれ。細身のチノパンにしてみたの。どう?」
レオナが差し出したのはやわらかそうなベージュのチノパン、どんなトップスにも馴染みそうな万能アイテムだ。
「なるほど……なんか、わかる気がする」
カノンは言われるがまブルゾンとパンツを手に取った。思ったより軽い。そして、たしかに格好いい。
「試着してみて。似合うと思う」
「ほんとに似合う?」
「大丈夫だって。あ、足元はスニーカーね。白がベースで、ちょっとアクセントカラーが入ってるスニーカーなら最高!」
そこまで言うなら試してみてもいいかもしれない。……いやむしろ、試したい!
カノンは、レオナが選んだ一式を手に取った。
「じゃ、じゃあ、ちょっと着てみよっかなー」
言葉のはしに照れ隠しの色を乗せながらもそわそわしている。
レオナは満足げにうなずいた。
「大丈夫! カノンのスタイルなら絶対映えるから」
その言葉に背中を押されるように、カノンはブルゾンとパンツを抱えて試着室へむかった。
「うん、試着してくる!」
意外と軽やかな声が出た自分に驚きつつも、カノンの表情ははずんでいる。
「行ってらっしゃい!」
レオナは弟の背に軽く手を振った。
眺めていたショーウィンドウが、ふっと現在の時間に回帰した。
我に返って足元を見ても、桜色した猫の姿はすでになかった。
奇妙な体験ではあるが、レオンはいちいち驚いたりしない。この程度のことは――。
ぬいぐるみが人間に転生して、自分のことをパパと呼んでくる。
享年六歳だった姉が、当時の姿で家族に加わる。
自分から分離した双子の妹が誕生し、さらには以前からいたことになっている。
――そんな信じられないような体験に比べれば、平凡すぎるくらいだ。
あの日、バタバタしたけど楽しかったな。
いや、いまも、あの日の楽しさが続いている気がする。
本当なら、俺とカノンとばあちゃんの三人ぐらしだったのに、気がつけばずいぶん大家族だ。
「……にぎやかになったよな、うちも」しみじみとレオンは言った。
「ほんとね、にぎやかすぎるくらい」レオナが応じた。するとすかさず、
「おれ、いまの家族が最強だって思ってるよ!」元気にカノンが告げるのである。
「最強、ねえ?」ねねは言った。「もちろん賛成だけど」との追伸つきで。
「ぼくら最強! 最強のー、メンバーっ!」ましろはバンザイして締めくくった。
レオンは笑ってしまう。笑わずにいるなんて無理だ。涙が出るくらい充実した気分だった。
神魂がなければ、レオナもましろも生まれていなかったし、姉ちゃんにも会えなかった。
神魂のせいで面倒ごとに巻き込まれたことも何度もあったけど。でも、それ以上に、いまが愛おしい。
ずっとこうならいいのにな――なんてな、
レオンはそう願ったわけだが、
この日々がずっと続けばいいのになぁ、
とレオナは考えており、
ずっとこうならいいのにな、なんて、
偶然ながらカノンの希望もぴたりと一致していてさらに、
ずっとこのままでいたいなー、
ましろも、
いつまでもこうしていられますように、ずっとね、
ねねも、
まったく同じことを思っていたのである。
しばらく五人は並んだままショーウィンドウを見つめていたが、やがて、
「……ところで店、入らないの?」
レオナがふと、我に返ったように言った。
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担当ゲームマスター
笈地 行
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墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
50人
参加キャラクター数
26人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年11月04日
参加申し込みの期限
2024年11月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年11月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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