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寝子島高校
もうひとつの卒業、桜色のにゃあ
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桜色の思い出たち・2
もとはひとりな夏朝と夏夜は以心伝心。
ふたりの声が合わさったのち、訪れたのは星幽塔だ。
「高校を卒業しても、僕ら、もれいびでいられると思う?」
「ううん。きっと……普通に戻る気がする。だって」
夏朝の問いに、夏夜は最後まで言葉を紡がなかった。
寝子島の伝承では、願いが叶ったらっかみは、天へと帰ることになっている。
ののこが入学式で口にした願いは、ふつうの高校生活を送りたい、というもの。
卒業式を終えたらきっと天へと帰ってしまうに違いない。
ののこが大学に受からなかった
のは、学力の問題だけではなく、ののこがこの世界にいられなくなる兆候なのではないか、と夏夜は疑っている。
夏朝も、また。
(ののこちゃんのこと絶対忘れない……って思ってるけど、
そういえば寝子歴零年にののこちゃんが落ちて来て帰った
あと、落神伝説は残ったけど、そこにののこちゃんの名前や姿などの情報はほとんどなかった気がする)
伝承とはそういうものなのか。
あるいは。
(ののこちゃんが天に帰れば、僕らも、忘れちゃうのかな……ののこちゃんのこと、この三年間で出会った不思議なことや人たちのこと)
もしも未来が予感のとおりになるのなら、自分たちももれいびではなくなるのではないか。記憶も薄れて、経験してきた数多の不思議も、ののこのことも、なかったことになってしまうのではないか。
口にするのが憚られるそんな予測を、夏朝も夏夜もいつからか抱き続けてきた。
(もしもののこちゃんと一緒に、寝子島のフシギの一切が消えちゃうなら、星幽塔や霊界とかに足を運ぶことも難しくなるのかもしれない。もしかしたら、夏夜ちゃんだって……)
夏夜だけではない。
夏朝と夏夜のまわりには、本来なら存在することは出来なかったはずの人々がいる。
フシギの消滅は、そんな彼らの存在の消滅を意味するものかもしれないという恐怖がある。
だからこそ、口にすることはできない。
どんな犠牲を払っても、彼らの存在だけは守りたいとすら思う。
ののことの別れは不思議なものすべてとの別れを意味するのではないか……その認識は正確ではないのだけれど、そう考え心配するのも至極当然なことだろう。
(……今のうちに思い出の場所を訪れておかなくちゃ)
彼女たちがやってきたのは、第一階層の城下街。
父が最初に第一階層を訪れた際に購入した、二階建ての家だ。
「……ここ来るの、久しぶり」
「いつぶりだろう」
星幽塔になじむ、盗賊と魔法少女のような格好となった夏朝と夏夜は、異世界にある別宅のドアを開けて目を細める。記憶の中と何一つ変わりない室内。すこしばかり埃っぽさを感じて窓を開け放つと、城下町の賑わいが風に乗って吹き込んでくる。
「夏夜ちゃん覚えてる?
お父さんとお母さんが、ここで誕生日を祝ってくれた日のこと
」
そのころ、夏朝と夏夜はまだ体を共有している状態だった。
――5人一緒に座って祝える日を、いつの日にか叶えたい。
5人とは、父と母、夏朝、夏夜に、生まれることが叶わなかった弟も交えてのことだ。
「覚えてるよ」
体を共有していたころ、夏朝は夏夜の記憶を持ちえなかったけれど、夏夜は夏朝のときも記憶があった。
「夏朝が『僕等の誕生日』って言ってくれてすごく嬉しかった……お母さんのお料理も美味しかったね。『二人一緒に祝える日が来るって信じてる』って言ってくれたことも、忘れられない」
「叶ったね」
「嘘みたいだけど、僕らはふたり、ここにいる」
「誕生日でもないし、お父さんもお母さんもいないけど……お祝い、しない?」
夏朝は、Barアストラルで特別に拵えてもらった『朝と夜のスペシャルケーキ』を、テーブルの上に置く。
生地のベースは第六階層の雲海に自生する足軽小麦の小麦粉。第三階層で採れる灼熱小麦よりモチモチとした触感が人気で、そこに焼くと良い香りを放つホットカカオを混ぜ込むと、『夜』をイメージしたチョコレート風味の土台となる。その上に、様々な果物の触感や味や特徴を合わせ持つ、色鮮やかな奇跡の果実・レインボーベリーの実をお日様や星を散らすようにふんだんにあしらえば、星幽塔でしか味わえない贅沢なケーキの完成というわけだ。
色とりどりな蝋燭の数は18×2で36本。
火を灯すと一気に部屋は明るくなり、室温すら2、3度上がった気がする。
「いくらなんでも蝋燭多すぎ。ケーキまで燃えちゃいそう……!」
「夏夜ちゃん。心の中でお願い事して。一気に吹き消すよ、せーの!」
夏朝の音頭で、同じ顔をしたふたりは目いっぱい吸い込んだ空気を一気に吐き出す。
天狗の団扇ででも煽られたみたいに炎が傾いて、見事、36本の火は一度に消えた。
「やった……!」
「いっぺんで消えた……!」
ふたりは顔を見合わせて拍手をし合う。蝋燭を一気に吹き消すと願いが叶う、なんて言ったのは誰なんだろう。そんなジンクスを作ってくれてありがとう!
「夏夜ちゃんは、消えない……!」
「ののこちゃんだって、きっと」
あのとき17本の蝋燭を吹き消した夏朝の願いは叶った。だから今度だって叶うに違いない。
第一階層でしばしのんびり過ごした後、ふたりは第二階層へと向かった。
第二階層は、遺跡と水の世界。古代ローマの水道橋のような巨大な石造りの構造物が白い影となって満天の星空の中に浮かび上がっている。遺物は半ば崩れてはいるものの、その崩れたところから轟轟と流れ落ちる滝のような流れも相まって、何度来てもため息が漏れるような幻想的な光景だ。
「
はじめてここに来た時のこと
、思い出すよ」
廃墟と化しているこの地に残る水道橋は古代のアーティファクトで、絶叫系ウォータースライダー張りの仕掛けが今でも動く。ここで水棲モンスターと戦ったりしたことが懐かしく思い出される。そのときもまだ、夏朝と夏夜は分かれていなかった。
「一緒に来れて、嬉しい」
今日はアクテビティさながらな滝下りやバトルをするつもりはない。
温泉、である。
第二階層には温泉も湧いているのだ。
『洞窟温泉』という古びた看板を指差し、夏朝は夏夜を案内してゆく。
ここにはかつて『はいびと』という魔物が蔓延っていたが、依頼を受けて夏朝たちがそれらを退治した経緯がある。安全になった今ではすっかり星幽塔の知る人ぞ知る秘湯となっているようだ。内部は迷路のように入り組んでいる。天井はかなり高いが、洞窟の幅は人間が二人並んで通れる程度。道に当たる部分もひざ下まで温泉で満たされている。
「奥まで行くといろんな温泉があるんだよ」
混浴なので水着着用。ということで、ふたりは胸元がフリルになっている揃いの水着に着替えている。
「びりびりの湯は電流でびりびり痺れるけど、血行を促進して、身体のコリをほぐしてくれるんだ」
洞窟温泉の中は迷路のように入り組んでいる。夏朝が先に立って頼りに進んでゆくと、いつの間にか観光地ばりの案内板も出ている。夏夜は立ち止まって看板を眺める。
「あつあつの湯、どろどろの湯なんてのもあるんだ?」
あつあつの湯は水面に炎が燃え盛っていて危険そうだが、入ると交感神経が刺激されて心と身体が活性化するのだという。どろどろの湯は強力な美肌効果のあるにごり湯だ。毒素や不浄なものを浄化してくれるが底なし沼なので注意が必要である。
「夏夜ちゃんは入りたいところある?」
「どろどろの湯、かな」
そんなわけで夏朝と夏夜はどろどろの湯へとぷん。
「はあ……熱すぎず、ぬるすぎず、いい湯加減」
「浮力、けっこうあるから、浮いていられるね」
ぷかぷかと泥に身体を横たえると、立ち上る蒸気も相まって汗ばんでくる。
デトックス効果ばっちりなのは間違いないだろう。
「美肌効果もあるってね」
「夏朝は美肌だよ」
「夏夜ちゃんだって。でも、せっかくだから」
なんて、お互いに泥をパックみたいにほっぺたにも塗り付ける。どろどろになったお互いの顔を見合って、夏朝と夏夜は思わず笑いあった。
と、ふと、夏夜は夏朝の左手に視線を向ける。泥まみれの手にはもちろん、橙色のパペットはいない。
「そういえば、ハルくんは?」
夏朝は、いつもならパペットを嵌めている左手をじっと見た。
「ハルくんはね……」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
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阿瀬春
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
50人
参加キャラクター数
26人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年11月04日
参加申し込みの期限
2024年11月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年11月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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