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霧の想い出・3
七瀬が立ち止まったその写真には、芝生に寝転ぶ二人の少年が映っていた。
揃いの黒いベストとジャケットは制服だろうか。面白い冗談で笑いが止まらないかのように顔を寄せ合っている少年たちの片方は、やわらかな蒲公英色の髪をしている。
「これ、ウォルターさん」
七瀬は指差したが、驚いたのはいっしょにいる黒髪の少年のほうである。
「アツシ……」
霧の中でおしゃべりをした少年が、写真の中でいきいきと、ウォルター少年と戯れている。
その何気ない光景を見た瞬間、七瀬の瞳から、一筋の涙がこぼれた。
「……七瀬」
いつの間にかウォルターが背後に立っていた。
ウォルターは何も言わなかった。
泣きじゃくってしまったのは七瀬のほうだった。
ウォルターは写真を見つめたまま、なぐさめるみたいに七瀬の肩にそっと触れる。
「す、すみませ……」
こんなのはおかしい。泣きたいのはウォルターさんのはずなのに、自分が先に泣いてしまうなんて。
そう思うのに涙が止まらず、七瀬は肩を震わせる。
「……アツシのことを、知ってるんだねぇ……」
こく、と頷く。
どうして、なんて聞かれても答えられないし、ウォルターも聞かなかった。
アツシ、という名のこの人は、もうこの世にはいない。
思い出の中にしかいない。
ウォルターと一緒に年を取って、笑いあうことは決してないのだ……。
「その思い出を買うかね?」
見守っていた老店主がゆったりと尋ねてくる。
七瀬は涙を拭いてウォルターを見た。
この思い出を買うか決めるのは自分ではなくウォルターだと思ったからだ。
しかしウォルターはゆるゆると首を振った。
「いいや……過去は自分のなかにある分で充分だからねぇ」
「そうかい。なら……」
老店主は店の奥の方へ歩いてゆき、重たい天鵞絨のカーテンに手をかける。
「未来はどうかね? 時とは揺蕩うもの。この店では、過去も現在も未来も光となって、写真のなかに映し出される……この先には未来の時と写真もあるが、見たいかね?」
――未来。
なんて恐ろしくて蠱惑的な響き。
人は常に未来を恐れ、未来に期待する。
自分はこの先どうなるのだろう。誰と知り合うのだろう。彼と……ともに生きる未来を願わないなんて嘘だ。
でも……。
「いいえ」
七瀬は毅然と首を横に振った。
「思い出よりも明日よりも、うちは――」
今の方が大切です。
言い終わらないうち、七瀬とウォルターは元の旧市街に戻っていた。
「あれ……夢みてたのかなぁ?」
ウォルターは納得いかない顔であたりを見回している。
本当に変だ。桜色の煉瓦壁だと思った店は、とっくに閉店した写真館だった。窓には霧の街なんか映っていないし、桜色の猫くんの姿もない。
それでもきっと、さっきまでの記憶は夢じゃあない……。
「ウォルターさん、聞いてもいいです?」
「ん?」
「アツシとは仲直りしたんですか?」
七瀬の唐突な質問に幾度か瞬きして、ウォルターは時光館で見た少年時代と同じ顔で笑った。
「ないしょ」
人差し指を唇にあて、ウィンクするウォルター。
その愉快気な表情から察するに、仲直りはできたのだろう。
アツシがここにいたらどんな顔をしただろう、と、七瀬は空想する。
けらけらと楽しそうに笑っただろうか。
写真の中のアツシみたいに笑ってみようとして……あの笑い方は自分にはできない、と思った。
あまり表情を作るのがうまくないから、下手に笑おうとすると表情筋がぎこちないことになってしまう。
「なにやってんの七瀬。急に百面相?」
「ほら、ね」
「なにがほら?」
「笑顔って難しいなと思っとったとこです」
へんな七瀬、と、ウォルターは笑いながら首を傾げた。
そんな彼に自然と口元をほころばせることは……できる。
(うちはうちですし……アツシにはなれんですけど……)
七瀬は空を見上げた。
(ウォルターさんの隣にいたいんです、今)
気持ちのいい青空。春の陽光が、きらきらと降り注いでくる。
七瀬は思った。
まるで空からアツシが見守ってくれているみたいだ、と。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
桂木京介
阿瀬春
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
50人
参加キャラクター数
26人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年11月04日
参加申し込みの期限
2024年11月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年11月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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