this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
風邪、引いちゃった
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
7
つぎへ >>
駆け出しである。知名度高くテレビにも誌面にも出ずっぱり、仕事を選り好みできるような大物モデルとはわけが違う。いただいた仕事をありがたく享受し、いかなる現場であろうとも笑顔と愛想を振りまき前向きに、感謝の気持ちを胸に臨むのみである。
初瀬川 理緒
と
佐和崎 紗月
もいくらか名は売れてきたところだが、まだまだ駆け出しなのである。
故に、時に過酷な現場へ駆り出されることもある。ひと昔前のバラエティ番組のような、真冬に水鉄砲で撃ち合う寒中ウォーターシューティング大会とか。なんじゃそりゃと思うだろうが、未だにそんな無茶苦茶を考える企画者がいるものだ。
とはいえひと月も前のことだから、恐らくそれが原因ということもなく、考えられるのは先日の撮影だろうか。水着ブランドのモデル撮影ということで当然水着姿を披露したわけだが、場所は室内だったし空調も適切に保たれていた。心当たりはひどく咳き込むスタッフが一人いたことだ。マスクは着けていたがそれで飛沫感染の全てが防げるわけではないし、何度か接触もあった。その時にこの、たちの悪いやつをもらってしまったのだろう。
「理緒ちゃん……理緒ちゃん」
「大丈夫……紗月。ここにいるよ」
紗月と理緒、ルームメイトの二人が同時にというのもなかなかしんどいものがある。熱、吐き気、倦怠感、全身の悪寒。それらに苛まれながらに互いを看病せねばならない。紗月の症状はことに重く、ベッドから起き上がれないくらいだ。それに比べれば理緒はいくらかマシであり、薬をやったりタオルを変えてやったりと紗月を看病しているが、先ほど熱を測ってみたところ38度4分だった。
「ごめんね……理緒ちゃん。理緒ちゃんだって、辛いのに……」
「なーに謝ってんの。紗月のお世話くらいできるって」
「でも、理緒ちゃん……ふらふらしてる」
確かに理緒の足元は揺らぎ、今にも倒れ込んでしまいそうだ。しかし何も手を打たないまま二人寝入ってしまったら、二度と目が覚めないような予感に襲われて恐ろしい。どうにか自分も薬を含み、ミネラルウォーターで流し込んだ。
「無理しないで……」
冷たい水に浸したタオルを絞ったところで、消え入りそうにか細い声に誘われ理緒もまた紗月の隣へ倒れ込む。
「お願い。理緒ちゃんも休んで」
「うん。そうしよっかな」
「一緒に寝て。心細いから……ね。手を繋いでいて……」
「うん。そうしよ……」
気丈な理緒もそうとは口にしないまま、相応に弱っていたらしい。手を繋ぎ、紗月を抱きすくめたまま眠りへと落ちていった。
紗月は素足で砂の上を歩いていた。小さな島だ。周囲を浜辺に囲まれていて、中心に立ってくるりと回れば周囲一帯が見渡せてしまうくらいの広さしかない。しかし植生は豊かで温帯のジャングルに繁っていそうな樹々が生え、青や赤に黄色に緑、原色をした実がいくつも成っていた。気温は程よいあたたかさで空気はカラッとしており、風は穏やか。波のさんざめきと海鳥の鳴き声が耳触り良く、気分もすこぶる爽快だ。
そういえば先ほどまで、重い風邪の症状にうなされていたのではなかったか。あの苦悶はどこへいったのだろう。なぜ自分はこんなところにいるのだろう。
「さーつきっ」
「あ。理緒ちゃん」
「何してんの? ほら、泳ごうよ! せっかく来たんだからさ!」
理緒はぐいと紗月の手を引き、力強く引っ張った。いささか強引だが悪い気はしない。理緒のそんな押しの強さもどちらかといえば引っ込み思案な紗月の性格と合わさって、ぴたりと凹凸がはまるような気がするので。
「この島には……二人だけ?」
「そだよ、二人きり」
「そっか」
どうやってここへ来たのか、とかどうやって帰るのかとか、細かいところは気にならなかった。ああこれは夢かなと頭の片隅に思ったくらいで、今は素直にこの一時を楽しむことに決めた。
浜辺へ降りると、モップみたいな長毛種の猫が何匹も砂の上に寝転んでいる。いい塩梅の日差しを浴びて昼寝タイムを満喫中らしい。時々聞こえるふにゃふにゃという声の中、二人は手を繋いだまま海水へ入る。すんなりと浮かんだ。海水温はぬるま湯程度であたたかく、浮力が高いのか沈んでしまう様子はない。
「気持ちいいね、理緒ちゃん」
「うん!」
思いきり泳ぎ、競い合い、疲れたら穏やかな波に揺られる葉のように浮かぶ。心も体も洗われるかのように、日々蓄積した疲労が少しずつ溶け出していくのを感じる。
ひとしきり泳いだら浜へ上がり、相変わらず寝ころんでいる猫たちの間に腰を下ろした。ふさふさの毛に触れてその感触に癒され、いつの間にかどこからか転がってきたらしい拳大の真っ赤な木の実にかじりつく。甘い果汁はリンゴと桃の中間のような味で、食感はブドウに近い。得も言われぬ美味に二人、顔をほころばせた。
「ああ。ずっとこうしてたいな……」
ぽつりと紗月の口から漏れた言葉へ、理緒はうなずく。
「そうだね。でも」
「でも?」
「もう少し楽しんだら、戻らなくっちゃねぇ」
ファンが待ってるからね、と理緒は笑い、紗月はそんな恋人を呆けたように見つめ続けた。
「どんな夢見てるのかなー」
腕の中、紗月は静かな寝息を立てている。顔色は昨日よりもずいぶんと良くなったし、呼吸も荒くはない。額に手の平を添えてみると、感じるぬくもりは平熱のそれだ。
理緒も完調とはいかないながら、寝入る前よりいくぶん気分がいいし、熱も下がってきたようだ。と思ったら一つ二つせきが出た。完全復帰にはもう少し時間がかかりそうだ。
「ん……」
「ああ、起こしちゃった? おはよ、紗月」
「おはよう、理緒ちゃん……気分はどう?」
「随分良くなったよ。まだ少し気だるいし、喉が痛いけど。紗月は?」
「私は、元気になったかも。身体が軽いわ」
と言って微笑む紗月も、すっきり治ったわけでは無さそうだ。症状の名残りが後を引いているが、今の理緒よりはいくらかマシだろう。
「理緒ちゃん、ごはん食べられる?」
「うん、少しは……って、紗月?」
紗月はするりと理緒の腕から抜け出すと、パジャマの上からエプロンを身につけキッチンに向かう。
「ちょっと、無理しないでよ、紗月……」
「大丈夫、随分良くなったから。今日は私が理緒ちゃんを看病するからね」
ショウガとネギ、ふわふわな卵の雑炊二人前をあっという間にこしらえて、ベッドでいただく。少々行儀が悪いが、風邪引きの日くらいはいいだろう。すっかり平らげてしまうと食後に風邪薬を飲み、汗濡れたパジャマを着替えてから再びベッドへ戻った。
「さっき、理緒ちゃんの夢を見たわ」
「ほんと? あたし、何か言ってた?」
「ファンが待ってるから、ずっとのんびりはしてられないって。お仕事が恋しいって顔をしてた」
「あー。あたし、言いそう?」
「うん、言いそう」
メリハリのはっきりとしたところは、理緒の美点だろう。遊ぶ時は遊ぶし、仕事には全力投球。終わらない夢の世界は、活動的な理緒には返って居心地が良くなかったのかもしれない。
「今日は一日のんびりして、療養して、明日からまたいつものあたしたちに戻ろうよ。ね、紗月」
「うん。そうね、理緒ちゃん……ファンが待ってくれてるものね」
「お、紗月も言うようになったねぇ」
くすくすと笑い合う。
芸能界は戦場だなどと言う者もあるが、決して過言ではない。ハードワークだし、多くの人々との出会いもあるから不確定な未来、未知の可能性の数々が二人の前には広がっている。風邪を引いて二人揃ってダウン、何ていうのもささやかながらその一つだろうか。これからも予想のつかない困難が、あるいはそれ以上の喜びが待っていることだろう。
ともあれ今日は、わずかばかりの休養日。二人は抱き合ったまま再び、夢の中へと帰っていった。
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
7
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
風邪、引いちゃった
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年10月18日
参加申し込みの期限
2024年10月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年10月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!