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風邪、引いちゃった
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医者の不養生と言われれば、それはそうだ。確かにそう、しかしながら医者というのは得てしてそういうものとも言える。つまり
深倉 理紗子
などは不養生にならざるを得ない程に多忙なわけで、どちらかと言えば責められるべきは職場環境のほうではなかろうか。
「うう。38度6分……」
とはいえまぁ、それを嘆いてみても仕方がない。絶え間なく訪れる多くの患者の波を、勤務する寝子島総合病院はどうにかこうにかさばいているとも言える。理紗子とて流されるままそのサイクルに組み込まれているわけではなく、何だかんだと人の命を救う医の道に誇りを抱かぬでもないのだ。言ってみれば名誉の負傷、いや名誉の疾病などと表してもいいかもしれない。
それはそれとして、38度の熱は辛い。腹具合も良くなく食欲がないし、悪寒もするし倦怠感もひどい。理紗子は内科医であり風邪の患者など何人も診たから、どこかから移されてしまったのだろう。無論感染対策には万全を期しているが、時にこうしたことは避けられぬものだ。
理紗子はしばし呻いた後、何とかスマホへ手を伸ばして職場で利用しているNYAINのグループへ連絡を入れた。タップする指先がいささか震えたが、どうにか一文を入力することができた。返事を待たずにスマホを手放し、枕に突っ伏す。
「油断……しちゃったなぁ」
風邪の多い時期柄、理紗子もこのところは実に働き詰めであった。多忙に自己管理が疎かになり、疲れで体力や免疫力も落ちてきたところで流行り風邪が牙を剥いたというわけだ。
ただ理紗子自身が医者であるから、自己分析も容易い。対処法や適切な薬についても熟知している。這いずるように起き出し、いくつか買い置いてあった風邪薬から症状に合ったものを選んで飲み、ふらつきながらにベッドへ戻る。結局のところ、こんな時は薬を飲んで寝るのが一番だ。日々の疲労も手伝って、理紗子は程なくして眠りへ落ちていった。
それからどのくらい眠ったか。
「…………?」
ベッドを揺らす震動が着信を知らせる通知であることに気づくまで、少々の時を要した。
『あ……まーちゃん……?』
「わ、どうしたのりさちん!? ひどい声!」
『うん、ちょっと風邪引いちゃって……』
たっぷり時間を置いてから届いた理紗子の声に、
深林 真瞭
は目を剥いた。かすれてガラガラ、いつもの穏やかで控えめながらに通りは良く綺麗な彼女の声とは思えないほどだ。
とはいえそう驚きはない。彼女の仕事が激務であることは知っているし、長い付き合いを経て真瞭も熟知している。春先は冬場に次いで風邪の多い季節であるそうだし、目の前の患者へ集中するあまり、真面目な彼女はちょいとばかり頑張りすぎてしまったのだろう。こういったことは時おりあった。
「それで、大丈夫なの? ってお医者さんだものね、釈迦に説法ってやつか」
『あはは。うん、大丈夫……ちゃんとお薬も飲んだし。ちょっと食欲がなくて辛いけど、寝てれば治るから……それで、まーちゃん、何か用事だった?』
理紗子は辛そうだが、先ほどよりいくらか抑揚に弾みがついただろうか。真瞭と話すことで気が晴れる面もあるのだろう。
「えっと、実は今寝子島に来ててね」
『え、そうなの?』
「シーサイドアウトレットでミニコンサートをやるの。だから、りさちんにも来てもらいたかったんだけど……」
そのついでに食事でもといった誘いだったのだが、風邪引きでは仕方あるまい。
『ごめんね。久しぶりにりさちんの演奏、聞きたかったな……』
「まぁ別にこれっきりじゃないしね。また別の機会に聞きに来て。待ってるから」
『うん……』
気落ちした様子に少しばかり胸が痛んだが、その後はちょっとした近況報告や他愛のない雑談を交わし、理紗子の負担も考え早めに通話を切った。
「ふむ」
少し引っかかりを覚えるも仕事へ向かう時間となり、真瞭は早足に寝子島シーサイドアウトレットへ向かった。
ミニコンサートは大盛況で、どの客も真瞭の繊細でありながら情熱的なヴァイオリンの音色に酔いしれ、大いに楽しんだようだ。
スマホが鳴り、再び寝入っていた理紗子は夢の中から這い上がる。はて何の夢を見ていたのだったろうか。ゆっくりと身を起こすと、今朝のずんと重い気分が少しばかり晴れていくらか身体も軽い。薬が効いたのだろう。このまま快方へ向かえばいいなと思いつつスマホの画面を覗くと、再び真瞭からの電話だった。
「まーちゃん、どうしたの? コンサートは終ったの……えっ、ドアの前に?」
聞けば真瞭は理紗子の住むワンルームマンションにやってきていると言う。コツコツとノックの音がした。まだ夢の中の話だろうかと首を傾げつつ扉の鍵を開けるとそこには確かに、真瞭の朗らかで軽やかな笑顔があった。
「ハーイ、りさちん。来ちゃった♪」
「………………」
あんぐりと口を開けた理紗子はしばしの沈黙の後、ふらりとよろめいた。
「おっととと! 大丈夫?」
「どうして……? まーちゃん」
呆けた理紗子は理由を尋ねたが、言わずもがなではあろう。真瞭は親友の苦痛をいくばくかでも和らげるため、コンサート終わりの挨拶もそこそこに駆け付けたのだった。
「食欲はある? 何か食べないと身が持たないわよ。消化のいいものでも作ってあげるわ」
「えっ。まーちゃん、お料理できたっけ」
「あのね。それ、ケンカ売ってる? 家庭科の授業、覚えてない? 一緒に料理したじゃない」
「ああ、そうだっけ……風邪のせいかな。何だかぼんやりとして、夢の中みたいで……」
顔を火照らせた理紗子をベッドに寝かしつけ、真瞭はキッチンへ。てきぱきと見事な手さばきで一品こしらえると、理紗子の元へ運んだ。
「わ、美味しそう」
「牛肉とトマトのにゅう麺、レタスと大根おろし添え。これなら食べられるでしょ?」
「ありがとう……いただきます」
あたたかいつゆに浸ったそうめんを弱々しくもすすると、理紗子の頬はほころんだ。冷蔵庫のあり合わせで作ったものだったが好評だ。胃の調子も悪いというがするする食は進み、あっという間に平らげてしまった。
「ごちそうさま。美味しかったわ」
「お粗末様。後は薬を飲んで、ぐっすり寝ることね」
「うん……まーちゃん?」
「何? りさちん」
「来てくれてありがと……」
言うなりまぶたを閉じて、親友は眠りの中へ。顔には赤みが差して、柔らかく穏やかだ。心なしか笑んでいる気もする。
「ふふっ」
しばし親友の顔を眺めて楽しむうち、真瞭にも何だか眠気が襲ってきた。一仕事終え明日は休みだが、このまま寝入ってしまうのはよろしくない。親友に風邪を移したと知ったら理紗子は落ち込むだろう。
さらりとしたためた書置きを残し、鍵を拝借して部屋を出ると扉を閉める。鍵は郵便受けに入れておくことにした。
「おやすみ。りさちん」
真瞭はいい気分で星ヶ丘の自宅への帰路についた。今夜眠ったらきっと、彼女の夢を見るだろう。
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担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
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NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年10月18日
参加申し込みの期限
2024年10月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年10月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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