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風邪、引いちゃった
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好きな人を看病する。彼が辛い時、己に役立てることがある。何と幸せだろうと
愛猫 萌々子
は思う。もちろん心配だし可哀想だ、苦痛を取り除いてあげたい、代わってあげたいくらいだ……とも思うが、幸い重篤な病気などではなくただの風邪であるようだし、恋人との絆深まる日々のプチイベント的側面を享受したとしても、ことさら罰当たりではあるまい。
「これは、そう……おうちデート! というやつですね」
風邪引いたみたい、とのNYAINメッセージを目にするなり萌々子は立ち上がり、家を飛び出した。準備をせねば。いくつかは買い揃える必要もあるだろう。近所のスーパーマーケットへ駆け込むとパックご飯を数食分、併設されている薬局で風邪薬と額に張る冷却シートを買い込む。
「あ、これを忘れちゃいけませんよね」
彼の飼い猫の食事も。恋人の大切な家族のことだから、好きな銘柄や栄養バランスなどリサーチは完璧だ。
普段は慎重に事を運ぶ萌々子が、自分でも驚くほどてきぱきと準備をこなし、彼の元へと駆け出した。息が切れる程に、しかし感じるのは疲労よりも昂揚や湧きだす愛情ばかりだった。
少し時間を遡ると、
万条 幸次
はめくるめくもふもふに包まれていた。念のため言及しておくと幻覚にうなされていたわけではなく、夢の中の話である。
「大丈夫だよ、ブロケイド。すぐに良くなるから……だから噛まないで。花見、元気そうだね。友だちはできた? 仲良くしてる? 梅、もっと甘えてくれてもいいんだよ……こらっ、花遊はお兄ちゃんでしょ! 少しは遠慮しなさい!」
などと猫まみれを堪能していたが、遠くからしきりににゃあにゃあと猫の鳴く声が聞こえてくる。目の前で鼻先をぺろぺろと舐める花遊の声が多重に反響し頭が揺れた。
「ブロケイド、あっ、ちょっと甘噛みが強すぎるよ、痛い……けど幸せ……はっ」
よだれまみれも猫好きにとってはご褒美だが、ともかくはっとして目が覚めると花遊が鼻先をぺろぺろと舐めつつ鳴いていた。
「ああ……そうか。花遊のご飯の時間かー……」
時計を見やるもぼうっとして焦点が定まらない。しばらく寝ていたようだが、まだまだ風邪菌は幸次の体内で絶賛活動中であるらしい。全身の気怠さがどうにも尋常でなく起き上がれず、キャットフードを収めた棚へたどり着ける気がしなかった。
「ごめん、花遊。今は無理……いて、いて。猫パンチはやめて……」
肉球のぷにぷに感にこれはこれでとほっこりしていたら、今度はチャイムが鳴った。何だろう、荷物か何か届く予定だっけ。頭が巡らない。ああさっきNYAINで母さんに風邪の対処法聞いたけど、返事を見てなかったな、直接来てくれたのかな。
がちゃりと扉が開いた。
「あ、鍵閉め忘れてた……? 母さん、悪いけど花遊に朝飯を……」
「先輩! 大丈夫ですか、幸次君!?」
「あれ? 萌々子……? 何で……」
メッセージの送り先を違えていたことに思い至るのはもう少し後だが、体調不良にこうして恋人が心配顔をしてくれるのも何だか悪くない。訳も分からず、紅潮した幸次の顔はほころんだ。
風邪に伴うぼんやり具合が悪戯してのことだったが、幸次にとって萌々子の来訪は天の助けとなった。
「まずは部屋を換気しましょう。少し寒いかもしれないですし、布団に入っててください」
「いや、大丈夫……」
「ほらほら、無理は禁物ですよ!」
嬉しそうな顔を浮かべつつも血色はよろしくない幸次を、萌々子は布団の中へと追いやる。窓を開けて外気を取り込んだら、方々へ脱ぎ捨ててある彼の衣類をかき集めておく。部屋に洗濯機もあるがガンガンに動かすとやかましく眠れないだろうから、後でコインランドリーへ持っていくつもりだ。
幸次はそんな恋人が甲斐甲斐しく世話をやいてくれる様を熱に浮かされながら見つめ、得がたい幸福を噛み締める。
「って、痛い! 花遊、今萌々子がご飯くれるから……」
「花遊さん、こっちですよ! 美味しいご飯がありますよ~」
買ってきたフードを盛ってやるとよほどに空腹であったか、花遊は半ば突撃するように飛んできて猛然と食べ始めた。萌々子は微笑みそっと頭を撫で、今度は飼い主への給餌にかかる。
「幸次君、食欲はありますか?」
「うん……何とか食べられそう」
「それじゃ、台所お借りしますね」
パックご飯を鍋にかけてじっくりことこと、塩を一振り。おかゆとした。ねぎを散らし溶き卵を回しかけ、梅干しも添える。あたたかく湯気の立つ碗を見ると、幸次の瞳も花遊に負けじと輝いた。
「ありがとう。いただきます……熱っ」
「気をつけて、冷ましながらゆっくり食べてくださいね。ふーふーしましょうか?」
「い、いいよ。大丈夫……」
と言ってから、彼女にふーふーしながら食べさせてもらうのも良いかも……なんて考えが幸次の頭をよぎったが、何となく気恥ずかしく口には出さずにおいた。
「病院は、その調子だと行けそうにないですね」
「うん、ちょっと厳しいかな……」
「風邪薬も買ってきたので、食後に飲んでください。ゆっくり寝て、それでも治らなかったら一緒に病院に行きましょう」
「ありがとう……助かるよ」
萌々子は何でもないというように首を振った。
「気にしないで。風邪を引いて一人の時、不安になったり心細くなったりするのはよく分かりますから」
「君も?」
温厚で穏やかな萌々子だが、裏には芯の強さも持ち合わせることを幸次は知っている。どちらかといえばおっとりとしたたちの幸次を時にぐいぐいと力強く引っ張ってくれることもあるから、少し意外に思えた。
幸次の怪訝そうな表情に苦笑いし、萌々子は語った。
「私も昔、風邪を引いて学校を早退したことがありました。お母様は入院してしまって、お父様も仕事で家には帰ってこなくて……実質、お兄様と二人暮らしみたいなものでしたから。お兄様が学校から帰ってくるまですごく寂しかったのを覚えてます」
「お兄さんが看病してくれた?」
「はい! 一人じゃない、誰かが側にいてくれるっていうだけで、こんなにも心強いんだって。その時に思ったんです。だから」
萌々子は幸次の手を取り、帯びる熱を吸い取り冷ますかのようにしっかと握りしめ、彼の瞳を真っすぐに覗き込んだ。
「幸次君に、寂しい思いはさせません! って、寮の門限があるからずっとはいられませんけど……」
「はは、そうだね。でも大丈夫……君のおかげで、全然寂しく無くなったよ。それに」
と言いかけたところで、花遊が不機嫌そうな声を上げて幸次と萌々子の間へ身体をねじ込んできた。嫉妬したのだろうか。
少しばかり血の巡りも良くなったらしく、幸次は安らかな笑みを浮かべて言った。
「花遊もいるからね」
「そうですね。なら安心です。でも」
「でも……?」
「もう少しだけ。一緒にいさせてくださいね」
眠りに落ちた幸次をしばし見つめてから、萌々子は彼の部屋を後にする。
「花遊さん。幸次君をお願いしますね」
当たり前だろ、とでも言うかのように高く鳴き声に萌々子は、くすりと微笑んだ。
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あとがき
担当マスター:
網 透介
ファンレターはマスターページから!
網です。
風邪のお話でした。
作中の春も、リアルタイムの冬も風邪の多い時期。季節の変わり目は私もいつも辛いです。寒暖差でよく体調を崩します。
皆さんもお気をつけて。あったかくしてお過ごしください。
それでは、また次回に。
網でした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
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NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年10月18日
参加申し込みの期限
2024年10月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年10月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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