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風邪、引いちゃった
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時として物事は重なるものである。先入観から風邪だ風邪だと思い込んでいたら、その陰に重篤な病が隠れていたなんてこともあり得る話だ。努々油断せぬことだ。
「うーん。風邪かなぁ……」
稲積 柚春
もその日、不調に頭を悩ませていた。
柚春が高校を卒業してから一年以上の時が経ち、現在は教師と生徒ではなく恋人となった
ウォルター・B
と気兼ねなく甘い日々を過ごしている。そのさなかに訪れた苦悶に、何だか幸福へ水を差されたように感じてしまう。
『病院は?』
「行ってない……ちょっと、外に出る元気も無くって」
『食欲は? 薬は飲んだ?』
「それもあんまり……薬も飲めそうになくて」
『ふむ。心配だねぇ……』
彼の仕事終わりにちょっとした外食を楽しもうという予定であったが、今日のところは中止にせざるを得ないだろう。連絡を入れたのもそのためだったが、もちろん彼はそれに憤慨することもなく柚春を案じてくれた。
『それは気にしないで。帰りに君の家に寄るよ』
「ええ? 風邪くらいで大げさだよ」
『でもこの頃、ずっと体調が良くないって言ってたじゃない。気になるよ』
今や恋人の彼はこうしてたびたび、素直な感情を言葉で表してくれる。何かとのらりくらりかわされていた学生時代を思うに、彼も変わったものだ。
そんな彼に甘えていいものか。心の中にもたげた迷いが、柚春を躊躇わせた。
「それは……もしかしたら、風邪じゃないかもしれなくて」
『うん? 風邪じゃない? ならなおのこと心配に……』
「と、とにかく! 大丈夫だから、心配しないで」
少し大きな声を出したらくらりとして、起こしていた身体をベッドへ横たえ通話を切った。
「ふぅ……」
少しばかりの罪悪感が柚春の胸を刺す。どうにも冴えない気分のまま、眠りに誘われしばし意識を手放した。
「ふーむ……」
柚春の額に手を当て、ウォルターは難しい顔を浮かべた。
「確かに熱がある、かなぁ。体温計は?」
「そこの戸棚の中……」
彼がやってくる頃、症状はやや重くなり柚春はベッドから起き上がれないでいる。全身が気だるく、腕一つ上げる動作さえ億劫だ。
体温計で検温する間、柚春の力ない手は自然と彼へ伸びた。
「手を握っててくれる? 寂しくて……風邪が移っちゃったらいけないとは思うけど……」
「なーに遠慮してるんだい。昔はあんなにぐいぐい来てたのにさぁ」
なんて笑いながら、ウォルターは柚春の手を取る。ひんやりとして冷たく思うのは自分の熱が高いからか。
「ワット。僕……」
物言わぬまま、彼は熱く火照った柚春の頬へ手を添える。細められた瞳には、教師と学生の間柄であった頃には彼がひた隠しにしていたあたたかな感情がじんわりとにじみ出ている。
見つめられた瞬間、決壊した。
「う……」
「柚春? どうしたんだい、どこか痛い?」
「違うの……違うの、ワット」
怪訝そうに首を傾げたウォルターに、柚春は力なく半ばつぶやくように言った。
「僕……赤ちゃんができたのかも……?」
彼は表情を引き締め、隣に腰かけると柚春の肩を抱く。
「どうしてそう思うんだい」
「少し前から、体調が悪くて……確信は無いけど、でも風邪引いちゃって、風邪の症状なのか、もしかしたら妊娠したからなのか、分からなくなって。怖くなっちゃったの……」
はらはらとこぼれた涙を止める術をもはや、柚春は持たなかった。
「ワットが困るかもって、思ったら……怖くて。お薬も赤ちゃんに良くないって聞いたから、心配で飲みたくなくて……僕、どうしよう? どうしたらいいかな? ワット、僕、どうしたら……何も分からなくて、怖くて、誰に相談したらいいかも分からなくて。怒られたり、嫌われたりしたらって思ったら、言えなくて。ごめんね。ごめんなさい……」
「……馬鹿だなぁ」
ふと全身をあたたかな感触に包まれ、涙に滲む瞳を拭えば、抱きすくめた彼の腕の中に柚春は収まっていた。
「僕が怒ったり、君を嫌ったりすると思ったの? 心外だなぁ。心外だよぉ、柚春」
「え、あの。ワット……?」
「きっと体調のせいだよ、不安になるのは。なぁに、大丈夫」
こぼれる涙は止まらなかったが、不思議なことにその一言で全ての憂鬱や不調が吹き飛び、何もかもが上手くいくような気がした。
「僕もよく分からないからさぁ、まずは医者に診てもらったり、あれこれ調べたりしてから考えよう。どうすればいいのかをね。ヘンに遠慮する必要なんてないんだよぉ、僕に頼ればいいんだから」
「ワ……ワット!」
思わず抱きしめた。後から思えば風邪を移してしまうかもしれずあまり良い行動では無かったかもしれないが、少なくともその時の柚春には幸福のみがあり、居ても立っても居られない程に満たされていたので。
本当に妊娠なのか、あるいは風邪の症状であるのか。まだ分からないが、いずれにしても二人ならどんな困難も乗り越えていけるだろう。ウォルターのくれるぬくもりがそのまま、柚春の勇気となった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年10月18日
参加申し込みの期限
2024年10月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年10月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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