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\ オーバータイム!/
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天の星のごとく数多で素晴らしき
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星遊びの夜
きらきらと星々が流れゆく天の川のほとりで、
お三夜さま
と狛猫の
一之助
、
二右衛門
が川遊びをしている。
「ふふふっ、なんて綺麗なのかにゃー」
「お三夜さま、おたわむれもほどほどに」
「そんなに深みに進まれては危のうございます」
シオ・レイゼルオーク
はお三夜さまたちの星遊びを、にこにこと眺めていた。
「眼福です……!」
シオは大好きなお三夜さまと狛猫さんたちが楽しそうにしている姿を見ているだけでも心満たされる想いなのだが、お三夜さまはそれではつまらない。
「シオ殿も。ほれっ!」
お三夜さまは両手で掬った星々を、シオの方へ飛ばした。
水飛沫ならぬ星飛沫が、キラキラキラ、とシオにかかる。
「きゃっ。冷た……くはないんですね。むしろ、砂粒のような?」
衣服にひっかかった細かな輝きを払い落すと、足元に落ちた星々はふたたび流れの一部となって、遠く遠く、宇宙の遙か彼方へと、ゆるりゆるりと流されてゆくのであった。
「星たちは、いったいどこまで行くのでしょうか」
ふと零れた問いに、お三夜さまはのんびりした口調で答える。
「さあてのう……終わりなんてないのかもしれないにゃあ」
終わりなんてない。
星は巡る、という言葉が頭に浮かぶ。
恒星を回る惑星のように円環しているのだろうか。それとも宇宙のはじまりとおわりについて、21世紀の学者たちが考えているように、膨張と収縮を鼓動のようにくり返しているのか。終わりなく、生と死を幾度も体験して……?
「ふうむ、私にはきっとお付き合いできないし、知ることもできないことですねー」
それでまったくかまわない。世界のすべてを知りたいなんて思いもしないから。いまこうしてお三夜さまや狛猫さんたちと過ごせている時間があれば、そんなものを知らなくたって人生は充分だ。
と、遠くから汽笛の音がして。
宇宙を駆ける銀河鉄道の汽車が、空飛ぶ龍みたいにやってきた。
「おーい、おーい、こっちだにゃー!」
お三夜さまや狛猫たちが手を振ると、列車は滑るように天の川ぞいを走ってきて、シオの目の前で静かに停車した。
――天の川ステーション、天の川ステーション。お降りの方はおられませんか。停車時間は僅かです――
車掌の声だろうか、子どもとも老人ともつかぬ不思議な声が響き渡る。
「これ、乗るんですか?」
シオがきょとんとしていると、列車の中ほどの窓が開いて一人の男性が顔を出した。
「シオさん?」
柔らかな茶色の髪をした彼は
ハルキ・イエハナ
、シオの伴侶である。
「ハル? どうして?」
驚いているシオの手をお三夜さまがぐいぐいひっぱる。
「質問は乗ってからにするにゃ」
「さあさ、お早く」という一之助は、タラップに足をかけている。
「出発するようですぞ」二右衛門に背を押され、シオはお三夜さまといっしょに汽車に乗り込んだ。
ガタンゴトン、ガタンゴトン……。
揺れる車内には、昔懐かしい向かい合わせのボックス席が並んでいた。背もたれは青くふかふかしたクッションで、客たちはいかにも遠くへ旅をするのか、のんびりとくつろいでいる様子である。こちらには、窓に頬を押し当てるようにして外を眺める二人の少年がいる。あちらには、毛皮の外套を何枚も着込んだ紳士が陣取っている。
「シオさんこっち」
奥の席で、腰を浮かしたハルキが手を振っていた。シオたちは彼のボックスへと向かい腰を掛ける。四人席だったので、お三夜さまはシオの膝の上だ。
「ハル」
シオは相方を愛称で呼んだ。あれこれ質問をしそうになるシオを押しとどめ、ハルキは困ったように笑う。
「おそらく俺は君の質問にほとんど答えられないと思う。どうしてかこの列車に乗っていて、この汽車がなんなのかも、どこに行くかもわからないんだ。ひとりでは不安だったから、シオさんたちに会えてよかったと心から思っているところなんだよ」
「私もあなたに会えてよかったです。でも本当に……」
どこに行くんだろう。
お三夜さまは楽しげに窓の外を見ている。
天の川の中州が見えた。遠く対岸では、青とオレンジの灯りが点滅している。
お三夜さまはいつの間にか手にしていた地図を開いて、
「アルビレオ観測所にゃ!」
とはしゃいでいた。
汽車は観測所を横目に銀河の奥へと進んでゆく。
車掌がやってきた。切符を拝見、という。
「切符、ですか? そんなもの……」
持っていないはず、とシオが首をかしげていると、お三夜さまがさも当然そうに袂から切符を出した。
「シオ殿のぶんも、あるにゃ」
一之助と二右衛門も切符を出している。
「これかな。いつの間にか持っていたんだ」とハルキも切符を出す。
車掌はそれらを確認し、鋏を入れて返してくれた。
「乙女座スピカまでですな、うしかい座アルクトゥルスの次です。お降り忘れのないように」
カチカチと切符鋏を鳴らしながら車掌は去ってゆく。
「スピカ、アルクトゥルス……しし座のデネボラも加えると『春の大三角』だね」
とハルキがいった。
「ハル、意外に星に詳しいんですね」
「そんなことはないよ、『春の大三角』は有名だし、それにスピカはギリシャ語で『穂先』という意味があって植物に関係する星だから」
ハルキの仕事は植物生産系で、繊維や染料、医療系の薬草などをあれこれ試しているのだという。植物にまつわる星座は少ないから、ハルキの記憶に残っていたのだろう。
「そういえば乙女座は、麦の穂を手に持った女神の姿をしていますね」
「スピカの麦、手に入るなら調べてみたいな」
切符がスピカ行きだと知って、ハルキはワクワクしてきたようだ。
「そういえばアルクトゥルスも『麦星』って呼ばれているんだよ。6月の麦刈りの時期に頭上に輝くから」
アルクトゥルスはすこしずつスピカに近づいて行っているのだとか。そんな話をしていると、外が金色に変わってきた。
「麦畑ですな!」
「なんとも広大な」
一之助と二右衛門のいうように、一面、麦の穂が金色の波となって揺れている。
アルクトゥルスステーションとアナウンスがかかり、汽車が停車した。
お三夜さまはシオのお膝で気持ちがよくなったのか、うつらうつらと頭を揺らしている。
何人かの乗り降りがあり、汽車はアルクトゥルスステーションを発車した。
麦畑はどこまでもどこまでも続いており、途中で牛を連れた若い男性が働いているのが見えた。
「うしかい座の牛飼いさんでしょうかー」
なんとものんびりだ。こういう時間を、現実では失いつつあるように感じてしまう。
カートを押した車内販売がやってきた。
「冷凍ミカンはいかがですか、お茶や珈琲もご用意してございます」
「わあ、なつかしい! くださいな」
冷凍ミカンを五つとお茶を購入する。お茶は蓋の部分がコップになる汽車土瓶だ。
「銀河の麦畑を眺めながら、こんなふうにまったりするのもいいですねー。はい、ハルにもおひとつ」
「ありがとう」
「一之助さん二右衛門さんもどうぞ」
「丸ごと凍らせたミカンでござるか」
「はじめてでござる」
「おいしいですよ。召し上がれ。お三夜さまは……」
こっくりこっくり船を漕ぐ幼子を見遣り、シオはくすっと笑みをこぼす。
「……寝かせておきましょうか」
まだもうすこし旅は続く。
次はスピカステーションだ。
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あとがき
担当マスター:
笈地 行
ファンレターはマスターページから!
ご参加ありがとうございます。笈地です。
オーバータイム1発目のシナリオということで……わたしもドキドキ。
みなさまも、どうなるんだろう~? と思いながらのご参加だったとは思いますが
卒業式直後の三月~十五年後までさまざまな時期の未来から、
完全におまかせ、という方までいらして、
いろいろと想像を膨らませながら楽しく描かせていただきました。
現実の寝子島とは違うIFっぽい設定のシーンもありますが、それもどこか遠くの世界線のひとつ、ということで……
このシナリオで描かれた時を起点にお話を進めて行っていただいてもいいですし
これはこれとして、時間を行ったり来たりして、違う物語を紡いでいただいてもいいですし
シナリオによってご自由にお楽しみください。
オーバータイムについては
マスター様によってご対応が違う場合もありますので
それぞれマスターページやガイドの注意書きをお読みになって
ご参加いただければと思います~。
わたしもゆるゆる、みなさまの物語を紡がせていただければと思っています。
今後ともよろしくお願いいたします。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年10月10日
参加申し込みの期限
2024年10月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年10月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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