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青の歌姫
――声が出ない。
ねこぴょんの日から六年、
朝鳥 さゆる
は大学生とキャバクラ・プロムナードでのキャバ嬢を両立し、二十四歳になっていた。過酷な少女期を経て爛れた生活を送っていた高校生のころは、実年齢より十は上に見られることがしばしばあったが、年齢のほうが彼女の精神に追いついてきて、今は年相応に見えるようだ。実年齢より十は若く見える恋人の影響もあったかもしれない。今になってみると、高校の一、二年生のころは死を目前にして体の自由もきかなくなった老人のようであったと思う。
硬質な美女と形容されがちなさゆるは、愛想をあまり持ち合わせていなかったので、キャバ嬢としてははじめは少々苦労をした。年嵩のいった客などからはもっと笑えといわれたこともあった。
そんな彼女がプロムナードで一旗揚げるきっかけとなったのが、歌であった。
声がいいとか歌が上手いとか、そういった表面的な理由ではなかったのだろうと思う。
さゆるの歌は人の心を打った。
さゆるはなにかを語ったりはしない。しかしその歌声には彼女の人生が滲み出た。
ああこの人は苦難を知る人だと聞いた人は感じることができた。自分が感じている苦しみを、悲しみを、辛さを、この世を生きる虚しさを、この歌声の人は汲み取って歌にしてくれる。夜の街へ、闇の中で光るネオンサインの店へ、ひとときの安らぎを求めて蛾のように集まってくる人々は、さゆるの歌声に自らの魂を揺蕩わせ、淀んだ浮世で生きるおのれを納得させてゆく。
さゆるが青のドレスを好んで纏ったことから、いまでは本名より源氏名より『青の歌姫』という呼び方のほうが通りがよくなっていた。
さゆるの歌は評判になり、ときに表舞台に呼ばれることもあった。
今宵のステージは、横浜市内の数百人は入るホールである。
店に来ていた客の一人にピアニストがいて、彼のコンサートでゲストとして歌ってほしいといわれたのだ。
そういってもらえるのは光栄だった。
よいパフォーマンスをしたいとも思っていた。
それなのにさゆるは喉の違和感に苦しんでいた。
まったく声がでないわけではない。
風邪などをひいているわけでもない。
なのにどうしてか引っかかりを感じるのだ。
――緊張している?
冗談でしょう、とさゆるは自嘲する。いままで何度も歌ってきたが、緊張などしたことはなかった。
だって――ああそうだ……。
(あたしには観客が人間に見えていなかったから)
プロムナードで歌うとき、客たちはただの影であった。
欲にまみれ卑猥なことを口にするか弱い男女の影。
だが今日の客は違う。
――人間に見える。
(こわい)
さゆるにとってはありえない感情だった。しかしあるいはそれこそがまっとうな感覚なのかもしれない。
「さゆるさん」
さゆるの指先の震えに気づいて、自分をステージに誘ってくれたピアニストの彼がそっと声を掛けてくれた。髭の素敵な、六十になろうかという紳士であった。プロムナードに来たのも酒を飲んで浮世を忘れるためでなく、『青の歌姫』と呼ばれるさゆるの歌に興味があって聞きに来たのだと笑っていた。
「目を瞑って。深呼吸を。愛する人のことだけを思い浮かべてください。いるでしょう、そういう人が」
いわれるがまま、さゆるは目を瞑った。
深呼吸をする。
思い浮かべる――彼女のことを。
(彼女はあたしを照らし続けてくれた月だった)
光は自分とは相容れぬと思っていた。闇と泥濘の中にすら居場所はないと思っていた。そんなモンスターはまだここに、さゆるの中に気だるく横たわっている。けれど、それは過去。いまではない。もう大丈夫。『人間』の仲間入りをしても。
(彼女があたしを人間にしてくれた。彼女のおかげであたしは……いま生きている)
さゆるの震えが落ち着いて来たのをみたピアニストは微笑んで頷き、鍵盤に指をおく。
ジャズ調にアレンジされたイントロは、『愛している』と伝える名曲。
『――Fly me to the moon』
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年10月10日
参加申し込みの期限
2024年10月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年10月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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