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華
ねこぴょんの日から十五年もの月日が過ぎたある日。
三十四歳。華道家となった
京極 花音
は、渋い藍鼠の着物の裾を行儀悪く乱して胡坐をかき、静謐な和室から秋の庭を眺めていた。とある料亭から『秋』をテーマにした作品を頼まれているのだが、まだしっくりくるイメージを掴めず、すこしばかり頭を悩ませていたのだ。
「秋といえば萩か桔梗か、あるいは女郎花も悪かねえが……」
侘び寂びの趣あるこの庵は、華の師匠にあたる人から格安で譲り受けた花音の持ち家だ。師匠の別宅であり作品を創るアトリエと生徒さんを招いての華道教室を兼ねていた場所だったが、年齢のこともあり死ぬ前に人に譲ることにしたのだそうだ。古い家の維持や手入れは楽ではないが、ほどよい広さの庭があって閑静である。ふたりで住むにはこれ以上ない環境であろう。
「あなた」
庭から小柄な女性がひょっこりと顔を出す。
「静さん」
花音は妻の名を呼ぶ。
「また眉間にしわがよっています」
静――かつて
暁月 静
という名だった二つ年上の可愛いらしい女性は、花音の妻となっていた。
「お散歩しませんか?」
魅力的な申し出だったが、花音は躊躇った。
「行きたいのはやまやまだけど……これ、夕方までに料亭に届けなきゃいけないんだ」
まだ剣山が置かれただけの花器を見遣ると、静はふふりと微笑んだ。
「そんなむつかしい顔をしていたら、思いつくものも思いつきませんよ。ね?」
妻は夫のことをよくわかっている。こんなときは気晴らしが必要だと、彼女は誘ってくれているのだ。
こんなときは妻の言う通りにしたほうがうまく行く、ということを花音は長い付き合いの中で学んでいた。
「少し待っていてくれ。着替えてくるから」
和装を解いた花音はラフなジーンズとフード付きのコートを羽織り、家をでた。
「こういう格好だとまだまだ学生さんみたいに見えますね」
「このコート昔から着てるやつだから」
「物持ちがいいんですね」
「いやまあ……それなりに金には苦労したっつーか」
花音は学生時代、旧市街のオンボロ安アパートに暮らす苦学生であった。学費を稼ぐために花屋でバイトをはじめ、
そこで静に出会ったのだ
。気の立った狼のような風貌で、ちらと見ただけで子どもが泣き出したり、頬にキズあるスジ者の方から因縁をつけられたりということも、あったりなかったりするような花音であったが、実は可愛いものが大好きであった。十五年以上前のあの日、客として花屋にやってきた静は可愛すぎた。
(一目惚れ、ってやつだよな、あれは……)
いまでも思い出すと頬が火照って恥ずかしい。
思えばあの日も秋だった。
「花音さん? どうしました?」
「いや……」
いろいろ思い出して照れていましたとはまさか言えない。
口ごもったまましばらく歩いていると、静が「あ」と駆けだした。
「静さん?」
「見てください。すすき。これも秋の花ですね」
静は野に咲くすすきを手折ろうとして、
「痛っ」
と指を押さえる。
「切ったのか? すすきの葉は切れやすいから」
花音は咄嗟に静の手を取り、一筋血のにじむ指を、キスするみたいに口に含んだ。
口の中に甘い血の味が広がる。
「あの……花音さん……?」
静の戸惑うような声にはっとして、花音は顔を上げた。静の頬は秋桜みたいなピンクに染まっていた。自分がしたことに気づいて、ぱあっと頬が上気する。と同時に、脳内で火花が散り、イメージが浮かんだ。静の指の白と一筋の血の赤の組み合わせがあまりにも美しくて。
「すすきと赤……吾亦紅かダリアか」
「なにか思いつきました?」
「ああ。……悪い、帰ってもいいか?」
もちろんです、と静は笑う。
「知ってました? 私、花音さんが活けるお華、ほんとうに好きなんですよ」
「俺が好きなのは……」
華よりもあなたの笑顔です、と。
相変わらず口には出来ず、花音はただただ熱くなった頬を隠すように口元を手で押さえるのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年10月10日
参加申し込みの期限
2024年10月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年10月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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