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光風霽月
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開園を告げる軽快なケルト音楽が流れると、4人は期待を膨らませて入園した。
チケット売り場で貰ったマップによれば、入ってすぐのエリアはデンマークの農村をイメージして作られているらしい。森に住む主人公や、田舎暮らしの娘がお城の舞踏会に行くまでの生活が垣間見えるという、まさに童話の世界へ徐々に浸っていくための仕掛けを感じ取り、ラッセルは感嘆の息を吐く。
「だからチケット売り場が田舎にあるような古びた葦ぶき屋根だったり、入園ゲートが関所みたいなんだな」
村の見張り台のような物に、木に見えるよう塗装された柵。近くの水路には水車もあり、きちんと手入れされた畑も広がっていた。どれもが本のページを捲るときのようなわくわく感があって、目に映る全てをスケッチしてみたい衝動に駆られてしまう。
何かを見つける度に感動で足を止め、ラッセルは心に描き留めるよう目に焼き付けた。さすがに端からスケッチしていては、1日あっても足りやしない。
「ん? あれって……」
砂利道の所々に、いくつかの小さな銅像があることに気付くと、ラッセルは何だろうかと考えた。普通、銅像ならもっと目立つように建てるだろうし、数も1つや2つではない。
最初は仲の良いあひるの群れが、その次には仲間はずれにされている1匹がいる。
「ってことは、『みにくいあひるの子』だ!」
その叫びに3人が振り返り、ラッセルは得意げに話し出す。つい風景に目が行っていた3人は、足下の銅像にまで気付いていなかったようだ。
「物語が始まりそうだと思ってたけど、もう始まってたんですね」
他にも見落としている物はないかと探し出す柚春に協力するようウォルターも付き添って。微笑ましい光景ににんまりしながら、ラッセルも晴月が懸命に探すならと手を繋ごうとした。
「そのお話って確か、白鳥になって飛んでっちゃうんだよね?」
「ああ。灰色で色が醜いって虐められたけど、本当は綺麗な白鳥で……同じ白鳥の仲間を見つけて帰るんだ」
「同じ仲間……」
ぽつりと呟いた言葉は、どこか寂しげだった。
もう虐められなくて済むし、本当の仲間の元に戻れたんだからハッピーエンドじゃないかと――口に出す前にラッセルは気付いて言葉を止める。
(じゃあ、晴月にとっての幸せは? 本当に俺と居て幸せになれるのか?)
桜花寮を出て、寝子島のアパートに引っ越すことが決まっているラッセルは、晴月を
同居に誘った
。最初からそう思って2部屋もある物件を選んだわけではなく、きっと油絵などをするスペースとして考えていたか、価格に釣られてという面が大きかったと思う。
でも、引っ越しの準備を進めながら改めて考えたとき……あの広い部屋に1人帰るより、晴月と暮らしたいと思ったから。彼女の帰ってくる場所になって、「おかえり」と言ってあげられる存在になりたいと覚悟を決めたのだ。
人と精霊は同じではない。時を歩む速度も、常識や感覚も、きっと全て違う。
(だけど俺は、もう後悔なんてしたくないんだ)
晴月が「仲間の元へ帰りたい」と言うのなら、甘んじて受け入れてしまうかもしれない。けれど、そうならないように繋ぎ止める努力は、彼女を愛する気持ちは止めなくたって良いのではないだろうか。
「ラッセル」
不意に両頬を晴月の両手で包まれて、心音が跳ねる。情けない顔をしていただろうに、彼女は呆れもせず笑っていた。
「言ったでしょ、今日の私は欲張りになるの」
いつもは幼い言動をするのに、その微笑みは自分より大人びて見える。弱音なんて吐こうとしたから彼女が力強く見えたのかもしれないし、本当に――色々吸収した晴月は大人になっているのかもしれない。
「そーだよな。欲張ったって……いいよな」
一悶着が収まったのを見計らってか、少し遠くから柚春が2人を呼んでいる。物語の続きは、まだまだあったよと知らせる声は弾んでいた。
「えー! どこにあったの!?」
駆け出す晴月を捕まえ損ね、ラッセルは行き場の無い手を握りしめた。砂利道が終わった先には石畳の広場が続いていて、そこに大きな鳥の像が飾られた噴水も見える。恐らく、その上で羽ばたく鳥は白鳥なのだろう。
(……行かせない)
例え自分が空を飛べぬアヒルで、彼女が空を飛べる白鳥であったとしても。2人に通じ合う想いがあれば、共に歩めると信じている。
「ラッセルー! 見てみて!」
同棲への返事はまだだけれど、感触としては良かった。もちろん晴月からの気持ちだって疑っていない。足りない物があるとすれば、この覚悟が重いからって晴月に全力で伝えられていないことだろう。
「おう! どこにあったって?」
気持ちを形にしてみよう。飛べぬようにする足枷ではなく、自分に縛り付ける鎖でもなくて、傍に居てくれてありがとうと伝えられるような物を。
緊張はする。だけど――ラッセルは迷い無く、その足を進めた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
2人
参加キャラクター数
2人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年10月16日
参加申し込みの期限
2024年10月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年10月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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