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【THE TRUTH IS OUT THERE】
「すべての事象には、起因する別の事象が存在する」
七夜 あおい
がノックをしようとしたところで扉が開き、
八神 修
はそんな言葉とともに部屋へ迎え入れた。
「火のないところに煙は立たないが、煙は火が起こしたものではないかもしれない。煙は火が立てるもの、その先入観をまずは捨てることだ。七夜捜査官」
「……えっと、あの。よろしくお願いします……?」
「敬語はいらない。貸しも借りも作る気はないからね」
寝子島捜査局超常現象課、通称『Nファイル』課にひとり所属する八神の噂も七夜も耳にしていた。捜査局きっての天才、それがゆえに変人。人当たりは決して悪くないが、彼の言動を理解できる者は少なく、しかしときに難解事件をぴたりと正解へみちびく観察眼や分析能力を買われて、局内に特異な地位を与えられている。
そんな彼のもとへ、凶悪犯罪課から転属し送り込まれた初めての助手が、七夜というわけだ。
八神は彼のためだけに用意された狭いオフィスのチェアに深々と腰かけ、デスクに広げられた一連の資料を指で突いた。
「赤い蝶事件の件だろう。君が任されたのは」
「あ……はい! えっと、そうなの。八神さん、あなたの協力が必要だからって」
「修でかまわない。俺も君をあおいと呼ぶから」
そう言って彼は微笑む。偏屈なたちではあろうが、超常現象課などという閑職に引きこもっているからといって、人嫌いというわけでもないらしい。初対面で名を呼び捨てにする気安さに戸惑いつつ、嫌な気はしなかった。
(……ヘンなひと)
第三の事件現場はすでに封鎖も解かれていたが、生々しい痕跡は残されていた。繁華街の往来に面する壁はまだ赤黒く、行き交う人々は気味悪そうにそれを眺め、あるいは七夜と八神へ怪訝な目を向ける者もいた。
「通称・赤い蝶事件か。被害者たちにはいずれも赤い蝶のタトゥーが首のうしろに彫られていた。図柄はいずれも共通しているが、利用したタトゥーショップは異なる」
「調査によればどの被害者も、同じデザイン画をショップに持ち込んで、これを首に彫ってほしいと頼んだそうよ」
「デザインの出どころは」
「それが……対応したショップの店員によれば、被害者のいずれも、これは自分が描いたものだと話してたらしいの。頭にふっと浮かんできたんだ、って」
異様なのはその殺され方だ。どの被害者も腹部を切り開かれすべての臓器を摘出された上、ふたたび縫い合わされていた。見た目には傷ひとつなく、よくよく調べたところ生体に極めて近い物質構成を持つ繊維によって紡がれた糸で縫合されていたことが判明した。
犯行時刻も奇妙だ。
「推定死亡時刻は午後7時34分。通報があったのは36分。人どおりもたくさんあったはずなのに、第一発見者が気づいたときにはすべてが終わっていた……誰にも気づかれないで、一瞬で殺して、内臓まで取り出すなんてできるわけが」
「供物だな」
壁にへばりついた血痕の名残りを指でなぞりつつ、八神が不意に言った。
「くもつ……?」
「記録と合致する。今から66年前、類似するケースが五件あった。被害者はいずれも臓器を除かれ、内ももには黄色い薔薇のタトゥーが彫られていた。33年前には三件、タトゥーは右手の甲に緑の獅子。そのうちのひとりが事件の直前、自らを撮影したビデオを残している。いわく、『私は選ばれた』」
「え、選ばれた? 誰に?」
「さあな。人混みの誰にも見られず、一瞬にして腹を裂き臓腑を抜き取り、縫合して去ることができるなにかに、だろう」
七夜は立ち尽くした。捜査官としてひと通りの訓練は積んだし成績も優秀だったが、こんなケースの捜査を想定したものではなかった。人知を超えたなにかを、あるいは誰かを追えというのか。
「……66年前? 33年前?」
「ああ。一定の周期で事が起きていると考えれば、まさに今がそのときだな」
混乱があおいの思考を押し流すべく押し寄せ、冷静を保つのにはいくらかの苦労を伴ったが、
「今回の事件がこれで幕引きとは限らない。第四、第五の被害者が出る可能性も否定できない、ならばどうする? あおい」
「え、あ、えーと。タトゥーショップをしらみつぶしに回って、赤い蝶を彫った客を探す……とか?」
「よし。それでいこう」
迷いのない彼の行動力は頼もしく思え、道なき道をも歩んでいけるような気がした。
「走って走って! 遅いよ、修くん!」
「さ……先に行け。俺は後から、行くから……」
捜査を進めるうち、次の被害者となり得る者を特定したのはいいが、事がいつ起こるのかは分からない。明日かもしれないし明後日かも、一週間後かもしれない。あるいは今この瞬間にももう起きているかもしれない。七夜は駆けた。
八神がいささか体力に欠けるのは意外だったが、どこか超然としてなんら弱点もないと思えた理知的な彼が荒い息をつき肩を上下させているところなど見ると、なんだか可愛らしく思えてくる。
「保護対象は、この先にいる。一足先に……」
「うんっ、分かった!」
人混みを駆け抜ける。
生真面目な男はなんの変哲もない建設作業員だったが、ひと月ほど前から様子が変わり、急にタトゥーを首のうしろへ入れたという。このところは奇怪な言動が増え、今から自分はあの方へ身を捧げるのだと嬉々として同僚へ語った……それがつい今しがた、20分ほど前のことだ。同僚に別れを告げて立ち去ったという男の向かった先を、あおいは追っている。
「はあ、はあ。はあ」
犯人は、獲物と定めた人間の精神を操るのだろうか。妄想を刷り込み、己の都合のよいように動かし、稲穂を刈り取るように収穫するのだろうか。誰が、なんのために? いやそもそも、どうやって?
「はあ、はあ、はあ……あっ!?」
遅きに失したことを悟ったのは、件の男がひざまづき、両腕を掲げる眼前へ立つそれを見たからだ。
獣だろうか。人ではないだろう。歪なシルエットは七夜にそれを既知のなにかと当てはめるのをためらわせた。しいて言うなら、頭部らしき部位には蛾のような造形が見られるだろうか。腕も足も細く、ねじくれ、関節はひとつでもふたつでもなく、全身は奇妙な燐光を放っていた。
往来の人々は時が止まったようにぴたりと歩くのをやめ、ただただそこへ佇んでいる。彼らは表情もなく感情もちりほどに見いだせず、七夜もまたただ立ち尽くしそれを見つめた。
「……あぶない! あおい!」
それがなにか、鋭利な刃のようなものを閃かせたように見えた直後に、七夜の身体は地へ引き倒されていた。組み敷くように覆いかぶさった八神は拳銃を構え狙い定めたが、しばし色のない複眼めいた目をこちらへ向けた後、やがてそれは霧のようにかき消えた。
あとにはおびただしい血だまりに伏す事切れた男と、動き始めた時が騒ぐ喧噪だけが残された。
『Nファイル』にはそうして新しいページが収められたが、七夜は憮然として頬をふくらませる。
「だってこれじゃ、なにも解決してないよ。また33年後、同じことが起こるかもしれないじゃない?」
「そういうものさ。俺たちの仕事はね。ファイルのほとんどは未解決事件なんだ。もちろん解決へ至るにこしたことはないが、いつかまた起こるならばそれに備え、情報を記録することも重要な役割だよ」
膨大なファイルには、彼がこれまでに記録してきた情報が蓄積されているのだろう。いつか役立つ瞬間を待ちながら。
これからは七夜もまた、そこへ積み重ねてゆく。
「あらためて、Nファイル課へようこそ。最初の事件で、君が怯えていなければいいんだがね」
「むっ。私をなめないでよね、修くん! これからの事件は、ぜーんぶ私が解決してやるんだから!」
「それは頼もしいな。なにはともあれ……よろしく頼むよ、あおい」
この先彼とともに、どんな光景を見るだろう。どんな事象へ立ち向かうことだろう。ふわりと浮かべた彼の微笑みに、七夜はどこか胸の高鳴りを覚え、つられるように笑みをこぼした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年09月18日
参加申し込みの期限
2024年09月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年09月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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