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【まいごのまいごのさくらちゃん】
すっかりまいってしまいました。
水上 桜
が眉を寄せて小首をかしげると、目の前の女の子もおんなじ顔をして首をこてん。
「えーっと。じゃあ、お名前は?」
「さくら! さくらはねー、ねこここーにさいててね、ねこまたかわのちかくにもさいてる。まあよいかわにもさいててすごくきれい」
「そっか、さくらちゃんね。お姉ちゃんとおんなじ名前だね。……まあ良い川?」
「おねーちゃんもさくらちゃん? さくらちゃん、さくらとおんなし!」
「うんうん。同じだね。あ、天宵川か」
迷子の迷子のさくらちゃん。こまったことに、このにっこりピカピカ笑顔のお子さまは、ご両親とはぐれてしまったようなのです。いやはや、こまった。
「さくらちゃん、お父さんとお母さんはどこにいるのかな。分かる?」
「おとーさんとおかーさん、いないよ」
「えっ。それって……」
「おかいものしてたら、いなくなった。おとーさんとおかーさんがまいごになっちゃった、こまったもんだねー」
「あ、そういうことね」
一瞬きゅうと胸をしめつけられましたけれど、どうやらご両親は健在のよう。良かったよかった。
いやそれはいいけどどうしましょう。桜がぐるりとあたりを見回してみても、ご両親らしき人はどうにも見当たりません。
「うーん、困ったな。友だちとプール行くとこだったんだけど」
「ぷーる! さくら、およぐのはやいよ! すっごくはやい、サメくらいはやい」
「それはすっごく速いねえ。うーん、ちょっと電話しとこう」
迷子のさくらちゃんをほうってお友だちと合流するのは、ちょっぴり気が引けました。なんたってさくらちゃんですし、他人のような気がしないものでして。
「あ、もしもし? うん私。今ちょっと、迷子の子を保護しちゃってさ。ご両親を見つけるか、警察に連れてくか……うん、そう。うん。だからちょっと」
「うみ!」
「遅れるかも……えっ?」
「おとーさん、うみにつれてってくれるって! だからおかーさんがおかいものするって。れじゃーしと? とかー、おべんとうとか。あとジュースとかおやつとかー、おやつとかーぼうしとか、おやつとかー」
「おやつばっかりだね。どれかひとつにしなさい! って怒られるやつだ」
「あーそれねー。おかーさん、よくゆってる。こまったもんだー」
海。寝子ヶ浜海岸でしょうか? 春真っ盛りで泳ぐにはチトきびしいでしょうけれど、ビーチで親子のんびりとすごすのは、きっと風情があって素敵なことでしょう。桜にもそんな思い出がありました。
しかしなんとも、ここは桜台。桜の暮らす桜花寮にほど近いところで、海岸まではちょっと距離があります。小さなちいさな……まだ5~6才くらいでしょうか? さくらちゃんをおいて、ご両親は一足先に海へ、とは考えにくいでしょう。どこではぐれてしまったのか分かりませんけれどおそらく、きっとこの周辺でお子さんを探しているはずで、
「うみ~!」
「って、ちょっ!? まってさくらちゃん!」
ばっひゅーん、てなイキオイで猛然とかけだすさくらちゃん。とっさにつかまえようとした桜の手をするりすり抜け、寝子ヶ浜海岸へ続く道を駆けていきます。
「あははははー!」
「まっ待ちなさい、待てええええええ!!」
すてててててて。どどどどど!
駆け足で坂を下りつつ、けれどときどき寄り道も。お総菜屋さんのポテトコロッケを買って半分こしたり、自販機でお水を買って飲ませたり……子どものパワーには押されっぱなしなまま、ずだだだだーっと南のほうへやってきてしまいました。
「うーん、まずいよねこれ。私、誘拐犯? いやいやいちおうご両親を探してるわけだし、きちんと事情を説明すれば……」
「さくらちゃん、だいじょうぶ? つかれた? さくらはげんきいっぱいです」
「そうだね、いっぱいいっぱいだね。むう、どうしたものかな」
小さな手をつないで、調子っぱずれのへたくそな鼻歌をうたう子どもといっしょにてくてく、海へ。
お子さんがいなくなったとなればご両親はそのあたりを探すでしょう。もし見つからなければ、ひとりで目的地へ向かったのだと判断して海を見に来るかもしれません。
「ああ、そういえば。私のときはそうだったなー」
「わたしのとき? どのとき?」
「桜お姉ちゃんがさくらちゃんくらいのとき、迷子になったことがあってね」
「そっかー、さくらちゃん、どじっこね?」
「いや、うん。まあね。それでその時も、海に行ったなあって。年上のお姉ちゃんに手を引かれて、こうやって坂を下って……」
「イカ!」
「そうイカをね、うん?」
とちいさなさくらちゃんを見下ろすと、今日のお天気にぷかぷかぷかりと浮かぶ雲を指さして言いました。
「あれはちょここるね! あれはゾウでー、あれはクレヨン。あれはえっと、なんだっけ。あれ、あのあれ。もー、さくらちゃんわかるでしょ!」
「ええー? なに? あの細長い雲よね、わかるでしょって言われても……あ」
ふと。桜の胸にじんわり、染み出るような思いがありました。
デジャヴというやつでしょうか。同じ道をいつかたどったことがあったような。右手のあたたかい感触にほっこりとしながら、ぽいんと跳ねながら海を目指して……。
「……エレクトクレステドペンギン」
「! それ! それー! さくらちゃん、すごいねー! じゃあ、じゃあ、あれは? あのくも!」
「あれは、フィヨルドランドペンギン。あっちのはね、ホワイトフリッパードペンギンの赤ちゃん」
「あはははは! ペンギン! ペンギンそらをおよいでる!」
小さい頃、買ってもらった図鑑にならぶ、もふもふな毛並み。白黒で可愛らしくて、けれど成鳥のドアップはちょっぴりいかつい顔をしてたりして、そのギャップがおもしろくて。何度も読み返すうち、すっかり名前を覚えてしまって。
迷子になったとき、手を引く年上のお姉さんと、ペンギンの話をしながら海へ歩いた……今まですっぽりと記憶から抜け落ちていた、春の小さな思い出。
「あっ、おとーさん! おかーさんだ!」
「桜! ああよかった、こんなところにいたのね」
「ひとりで海に行こうとしてたのか。子どもの足で、無茶するなあ」
「あなたに似たのよ。はあ、焦ったわ。もう、お母さん心臓が止まりそうだったんだからね……」
親子がむぎゅっとして再会をかみしめるシーンににっこり微笑んで、桜はその場を去りました。
ようやく合流し、プールへ。水面を迸るような桜の活き活きとした泳ぎを目にして、お友だちは弾むように言いましたとさ。
「桜、すごい。ペンギンみたい!」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年09月18日
参加申し込みの期限
2024年09月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年09月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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