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\ オーバータイム!/
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寝子島高校
海の青さに思うこと
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「どうしよっか?」
と
佐和崎 紗月
は問い、
「こりゃもー遊ぶしかないでしょ!」
初瀬川 理緒
は答えた。そう驚くようなことでもない、時折島に訪れる奇妙奇天烈な現象、不可思議な一日。今日のこれもまたその類であるのだろうと二人はすぐにも得心へ至った。
寝子島は水没していた。という表現が正しいのかどうか分からないが、ともかく二人の住むマンションの一室までも海水に満たされていた。理緒も紗月もぷかりと浮かび上がり水中に揺らぐ。二人の髪は海水をはらんで舞い上がり、口から泡が生まれて上ると部屋の天井にわだかまり、やがてぱちんと弾けた。
呼吸に支障はなく、泳ぐのにも不自由はない。水の抵抗やら水圧やらと難しいことを考える必要もなさそうだし、つまりどうやら、今日はそういう日であるらしかった。
理緒は目を輝かせて早くもこれを満喫するつもりらしいが、紗月はいささか複雑そうに眉根を寄せている。
「日課のランニングもできないし、春からの講義の予習もできないね。これじゃペンが持てないもの」
「真面目だなぁ紗月は、そんなの今日は無しナシ! 今を楽しまなくっちゃ。ほら、いこ!」
幸い今日は仕事もオフだ。少しばかり羽目を外すのもいいだろう。グラドルデビューを果たしたとはいえ二人の本質は学生なのだ。青春を楽しむのもまた学生の本分と言えるだろう。
少し相談して、水着に着替えて出かけることにした。
「大丈夫かな、水着で外出なんて……」
「島全部が水に沈んでるんだから、普通に服着てるほうがおかしいでしょ」
「そうかなぁ。そういうものかなぁ」
カメラの前で素肌をさらすのもいまだ慣れない紗月は自らの肩を抱き、理緒はそんな恋人の手をぐいと引っ張り部屋の外へと飛び出した。
眼前の光景に思わず揃って、ほうと吐息をもらす。いや吐息はもれず代わりにこぽりとあぶくが口からこぼれ、頭上へと昇っていった。
「……すご」
「綺麗だね……」
寝子島は水の半球にすっぽりと覆われているらしい。青空や浮かぶ雲の代わりに、巨大な鯨の群れが天を回遊する様が見えた。かと思えば目の前を色鮮やかな小魚の群れが横切っていく。マンションの軒先はサンゴ礁となっていた。半球の下部にあたるこの周辺はやや薄暗く、そうした植物や生き物たちの生体発光によってぼんやりと明かりが灯っている。水球に差しこむ陽光はあたたかく、水温も冷たくない。ぬくぬくとして心地よかった。
周囲には同じく泳ぐ人々の姿もあったが、考えることはみな同じらしく、案外と水着姿の人も多い。おかげで紗月の羞恥もいくらかやわらいだ。
「ほら、いこ? 紗月!」
「ま、待って理緒ちゃん!」
水球の天へ向かって泳ぐ。何という光景だろう。極彩色の海は絵画のように鮮やかで美しく、その中を自分がまさしく泳ぎまわる感覚はどこか現実感に乏しくて、だからなのか、お互い隣の恋人の存在がやけに際立って感じられた。
海水の半球の頂点へ到達し、直下を見下ろす。ミニチュアのような街並みに豆粒にしか見えない人の群れ。九夜山はどこから見ても雄大で、猫のように見える島の全景を眺めるのも楽しい。
「すごいね」
「うん」
「寝子島って、本当に綺麗」
「うん。本当だね」
取り止めない一言二言をかわし、その後は握り合った手を離さぬままにしばし、住み慣れた島の新たな一面に見とれて時を過ごした。
「おおー、速い速い♪」
昂揚のあまり後先考えず泳いでいたら、いつのまにやら半球の外周付近までたどりついてしまった。戻るに難儀する二人へ、親切を申し出てくれたのがイルカたちだ。もちろん会話が通じたわけではないが、颯爽とやってきた数頭の群れが背中を見せ、乗ってく? と言わんばかりのサービス精神なのだ。
おかげで今は二人でイルカの背に乗り爽快な滑走を楽しんでいる。
「わ、わっ。ちょっとまって、これ曲がりきれるの……!?」
「だいじょぶだいじょぶ、それいけ~っ!」
あっという間に海中のシーサイドタウンへ帰還すると、理緒はイルカの背ビレにつかまり馬でも走らせるかのように声をあげて拳を突き上げる。気のいいイルカもノリ良くそれに付き合うものだから、狭い裏道を猛スピードで通り抜け、看板と看板の隙間をあえてくぐり、ハングオンしながらコーナーを攻めたりとスリル満点のライディングを堪能することとなった。理緒の後ろをついてゆく紗月はたびたび悲鳴を上げて背ビレにしがみついていたが、なんだかんだとイルカ乗りを楽しんでもいただろう。二人には絶えず笑みがこぼれた。
それが唐突に凍り付いたのは、不意に前方から迫りくる巨大な影を目にした瞬間だ。鯨だろうか……いや。
「さ。鮫……かな」
「鮫、だよね……」
鮫だった。それも全長数メートルはあろう、ホホジロザメだ。
鮫は泳ぐイルカたちを獲物と見定めたらしい。身をくねらせ猛然と迫りくる。危険を察知したイルカたちは弾かれたように泳ぎ出し、理緒は振り落とされまいとして背ビレにしがみつくが、紗月のほうは若干グリップ力が足りなかったようだ。
「あっ。さ、紗月!」
「理緒ちゃん……!」
木の葉のごとく海中を舞う紗月に、理緒もイルカから飛び降り手を伸ばすも、当然にして海洋の王者に一介の人間が泳ぎで敵うはずもない。哀れ紗月は血に飢えた顎の餌食となり……という、その直前のことだった。
「すまないね、鮫よ。彼女らは客人なんだ。今日のところは、別の獲物を探してくれるかな」
突然目の前へ現れた少年がそう言い手のひらを翻すと、鮫は紗月への興味を失ったのかくるりと反対を向き、そのまま泳ぎ去っていった。
「紗月、大丈夫!?」
「う、うん。理緒ちゃん……」
ひしと抱き合う二人へ、少年はどこか申し訳なさそうな顔を浮かべた。ガラスめいて透きとおりそうな肌、銀に近い白髪の美しい少年だった。紗月は彼へと頭を垂れる。
「あの、ありがとうございます。危ないところを助けていただいて」
「いいんだ。いつもならぼくが介入することはないけれど、今日は特別な日だから。君たちを招いたのは、他ならぬぼくなのだからね」
「あたしたちを招いた、って? あなた何者?」
理緒の素朴な疑問に、少年は微笑んだ。
「ぼくの名前は、木天蓼湾だ。海を愛してくれる君たちに敬意を表して、海をもっと知って欲しくて、君たちを招待したんだ。今日は浮世を忘れて、どうか楽しんで欲しい」
波に揺蕩う。イルカたちが歌い踊っている。ビルの上で水着を着た子どもたちがボール遊びに夢中な様が見えて、微笑ましく目を細む。
揺れながら降りそそぐ光のカーテンに包まれて、二人は手を握り合い身を寄せ合い、いつまでも緩く波間を漂った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年08月10日
参加申し込みの期限
2024年08月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年08月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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