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一ヶ月か。
長かったな。
窓の外を眺める。つくづくと、眺める。
寝子島総合病院での入院期間中、
星山 真遠
がずっと眺めていた景色だ。
六人部屋、窓際のベッドが割り当てられたのは偶然であり幸運だったと言えるかもしれない――当初はそう思った。
しかしその窓からの光景はあろうことか、病院隣のオフィスビルの背がほぼすべてだった。しかも面白みのない灰色、めぼしいものといってもエアコンの室外機くらいで、中庭はおろか街路樹の一本すら望めない。
かわりばえなき景色には早々に飽きた。咳をしてもあくびをしても同じだ。
ところが不思議なもので、だんだん愛着が湧いてきたのも事実だった。
いつの間にか一日数度、真遠は読書やPC作業の合間に窓のむこう、灰色の壁を眺めてすごすのが日課になったのである。入院生活後半は真遠もずいぶん元気が出てきて、院内を散歩したり短時間の外出も許されるようになったものの、それでも短いながら壁を見つめる時間だけは確保してきた。
明日であの壁も見納めかあ。
嬉しいはずなのだが、ほんのすこし寂しくもあった。願わくばつぎの入院患者も、この光景を楽しめますように。
変化のない光景? ちがう。変化は確実にある。
太陽が沈む短いひととき、さしこむ夕陽の美しさに心を和ませる。雨天もいい。雨が降ると壁に染みがひろがっていくから。雨が止むと今度は、染みが奇妙な模様を作るのだ。たまに鳥がやってきて、ちょっと休憩するさまを観察するのも楽しいものだった。
それに灰色の壁はまるで映画館のスクリーンのように、記憶を映し出すに最適だともわかった。
過去の自分の映像を、ときに主観映像で、ときに想像混じりの客観映像で流してみる。主演自分で監督も自分、観客も自分だけというドキュメンタリー映画だ。まあ、自分の責任編集だから、どうしてもどこかしら都合のいい内容になってしまうのは避けられないが。
窓を通して見える灰色の壁に、真遠はいま、一ヶ月前の場面を上映していた。
事故の記録だ。自分の記憶がベース、ただし後から聞いた部分、想像で補った部分もあるので細部は異なるかもしれないが、だいたい以下のような内容になる。
バレンタインデーが終わってすぐのころだった。いわゆるデートウィークの時期だ。バレンタインデー終了の翌日から月末にかけての約二週間を『デートウィーク』と呼び、恋人たちあるいは恋人未満のふたりに、デートを推奨するという謎の文化が寝子島にはある。行政はイベントを企画するしカップル割引きを実施するレストランなども多く、独り者にとってはじつに肩身の狭いひとときなのだが真遠は毎年、あまり気にせずふだん通りすごしている。
この日、真遠は星ヶ丘のクライアントに呼び出され、その帰りに事故に遭い入院するはめになった。
すでに夜だ。スクーターの走行中だった。曲線ボディのおしゃれスクーターや小型ホイールのレトロモデル、あるいは太タイヤの馬力型ではない。どこでも買えそうな(そしてラインナップ的にも一番安い)ありふれた都市型50ccである。色だってビビッドな銀とかではなく地味目の小豆色だ。しかし燃費はとてもいい。
暗くてひどく寒い日だったから早く帰りたかったけど、とりたてて飛ばしてたわけじゃない。
なのに飛んだわけだ。自分が。
原因ははっきりしている。寝子島街道を走っていたとき、カーブの先でいきなり猫の親子が行く手に飛び出してきたのだ。
仕方ないよな。交通法規ってったってそりゃ人間が勝手に作ったルールだ。猫に守れっていうほうが無理ってもんだ。
しかも先陣を切っていたのは子猫、それを止めるべく親猫が追ってきたという構図だった。
「やばっ」
このとき真遠は、とにかくハンドルを力の限り切った。
まずかったのが、対向車線の方向に切っちまったことだなあ。
だが他に選択肢があっただろうか。猫を避けるためにはそうするほかなかった。ブレーキでは間に合わなかった可能性がある。
焦げ臭い匂いがしたことは鮮明に覚えている。タイヤが焼ける匂いだったのか。それともスクーターが不平の声をあげたのか。
で、突っ込んだ対向車線で、スポットライトに照らされたわけだ。俺は。
真遠はスポットライトを浴びた経験があまりない。小学校で演劇があっても端役中の端役が常で、中学校にあがってからは舞台に立つのが嫌で脚本係を買って出るようになったくらいだ。
……考えてみれば、中一で書いたシンデレラのひどいパロディ台本が俺のデビュー作だったのかもな。
真遠の名誉のために書いておくと、彼の脚本が毎年好評だったのは事実だ。
閑話休題。スポットライトといっても実際は、対向車のヘッドライトであった。
正面衝突の寸前で最悪の事態だけはかわすことができた。九死一生だ。
だけど俺、ものすごい勢いでスピンして吹っ飛んだんだよな。そう聞いている。
ここからは記憶がないので壁スクリーンのなかの真遠は、聞いた話から推測したカットのなかにいる。ロングショットでアクション映画みたいに、ぐるぐる回転して道路脇に滑っていく自分、身代わりのようにトラックにはじきとばされたうえ、飼い主を追うように空から降ってくるスクーター、その顛末を一観客として真遠は観ている。
真遠の回転が止まった。
左足の上にスクーターが落ちてきた。
ぐしゃっ。
場面暗転。
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年07月25日
参加申し込みの期限
2024年08月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年08月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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