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山に踏み入るとラッセルは、入り組んだ山道をしばしさまよった。
このあたりってイメージしてたんだが。
実はあてずっぽうだ。なにせ晴月は、「山のお寺」としかラッセルに告げなかったから。
まあ晴月も、正確な場所なんて把握してなかったんだろーけど。
竹林をかきわけかきわけ進んでいくと、ようやくひらけた空間に出る。ここで「わっ」と声が出た。
見つけたのだ。
横切る姿。
「晴月っ!」
とっさに呼びかけてしまった。だがすぐにバケツ一杯の氷水を浴びた気になる。
「なんだと」
長身の女性が振りむいたのだ。共通点があるとすれば性別くらいだろう。晴月とは似ても似つかない。
最初に彼女のことを長身と書いたが並大抵の長身ではない。百九十センチはあるだろう。長い髪を背のところでくくっている。整った顔立ちではあるが険しい表情で、まなざしには刺すような冷気を感じた。彼女の周囲だけ空気が真冬のままで、氷点下にまで凍てついているようにラッセルは錯覚している。
二十代後半から三十歳くらいだろうか。髪は麦の穂のようなブロンドで、晴月のエメラルドグリーンとはまったく共通点がない。背丈はがまるで一致しないし服装も晴月ごのみのワンピースとは正反対、かっちりしたパンツスーツだ。
こんなに見た目が一致しない女性を、どうして晴月ととりちがえたのか。
もしかしたら声をかけた瞬間に次元が歪んで、平行世界と書き換わったとでもいうのか。
「あ、精霊ちがい、いや、人ちがいです。すいません」
触らぬ神にたたりなし、ラッセルは頭を下げたが、
「どういう意味だ」
つかつかと彼女は近づいてきた。獲物に飛びかからんとするドーベルマンを思わせる動きだ。返答次第では牙も剥(む)くかもしれない。
「くり返してみろ」逆らうことは許さない、彼女は口ではなく目でそう言っている。
「人ちがいです」
「ちがう。貴様、私を見て『精霊』と言ったろ。説明しろ」
「いえそんな」とっさに否定しかけたが、観念というか覚悟してラッセルはうなずいた。「……そうです」
「奇妙だな」正直に白状したのがよかったのか、彼女は威嚇するような表情をといた。ただしけっして上機嫌ではない。「私は悪霊にとり憑かれていると一時は真剣に思っていた。少年、貴様は精霊のたぐいと知り合いなのか。イエスかノーで回答しろ」
「えっと」
「イエスかノーかと言ったと思うが」
「イエス! イエスです! ひとりしか知りませんけど……」
「ふむ」彼女はちらりとラッセルを一瞥してつづけた。「嘘をついている声色ではないな。高校生か少年?」
「三年です。寝子高です」
「どうも私は寝子高の人間に縁があるな」
「ど、どうもです」
寝子高の名も、彼女にはいいイメージがあるらしい。何人か知り合いでもいるのだろうか。
「怖がらせたようだな。私は」このとき一瞬間が空いた。「……
ナターシャ・カンディンスキー
という。怯えるな。取って食ったりはせん。単なる玩具店の店員だ」
単なる玩具店の店員だって? 格闘家か暗殺者かと思った。
「桜井ラッセルです。彼女を探してて」
「ガールフレンドか」
「はい、付き合ってます」
「精霊とか?」
「イエス、彼女は風の精です」
「……」ナターシャは片眉を上げた。
ガールフレンドが風の精だと? 病院に行ったほうがいいのではないか少年?
――といった反応をラッセルは予想した。自分でも、とっさに口を滑らせてしまったと思っていたから。だが同時に、この人には嘘はつけないとも思っている。
しかしまったくの見当ちがいだった。
「大切にするんだな」
「驚かないんですか?」
「私はこの島に来て沢山のものを見た。段ボール動物を動かせる人間やネズミ顔の巨人に変身する人間、粘土細工の動物をあやつって感覚共有までできる人間も知っている。いまさら精霊くらいでは驚かん」
「ナターシャさん、でもさっき悪霊憑きがどうこうって」
「耳がいいな」フッとナターシャは口元をほころばせた。「私も同様の特殊体質だ。『妹』とこの体をわけあっている。多重人格、とでも言えば理解しやすいか」
突拍子もない話であろう。だがラッセルは真実だと直感した。気性に波があるとかいうレベルではなく、ナターシャは本当に別人と入れ替わるのだろう。
それに、ほんの少しだけど――。
笑うと晴月に雰囲気似てるんだよな、このナターシャさんって人。口元なんてとくに。
だから見まちがった、なんてことはないかもだけど。
「いいんですか初対面の俺にそんなこと話して」
「イーブンにしようと思っただけだ。少年、いやラッセル、お前が本当のことを話したのだから」
案外いい人かもしれないな、なんてラッセルは思ったりする。すくなくとも第一印象通りの怖い人間ではなさそうだ。彼女言うところの『妹』、つまりもうひとりの人格はどうなのだろう。
「ナターシャさんは山にお住まいですか」
「いや。不意に私、つまりナターシャになってしまったから時間をつぶしているだけだ。ラッセルは?」
「寺を探しているんです。晴月――あ、晴月って彼女の名前です――のことを知ってるっていう山寺の和尚さんに話を聞きたくて」
「寺か」
「そうです。心当たりがあったら教えてくれませんか」
おそらくだが、と前置きして少女はラッセルに山寺への道順を伝えた。
「私もよくは知らん。だが心するのだな。そこの一清とかいう名の住職はなかなか厳格な人物だと聞く」
「それって……おっかないって意味ですか」
「解釈は任せる」
ラッセルは礼を述べ、教えられた方角へと走り出す。
ナターシャは足を止め、まぶしげに彼の背を見送っていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年07月25日
参加申し込みの期限
2024年08月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年08月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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