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授業風景 ~1年普通科の場合~
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「私はいつも、猫鳴館で育てた野菜を主に食べています」
森 蓮
の発表は、そんな言葉から始まった。サラダはともかくとしても、マッシュポテトの方は野菜だけで作ってしまう、と言うのは普通にはなかなか難しい。
とはいえ菜食主義である蓮にとっては、牛乳や、そこから作られるバターの類もまた、肉を食べるのと同じ意味を持ってしまう。だからお米と水を使ってお手製のライスミルクを作り、牛乳とバターの代わりにした。
そしてもちろんマッシュポテトも、フレークを買ってきたりするわけではなく、ゆでた芋をそのままポテトマッシャーで潰すのだが、これがまた一苦労である。あまり量が多すぎると綺麗に潰れないし、と言ってちょっとずつだとなかなか終わらないし、何よりただポテトを押し潰すだけ、といってもなかなか力が必要で。
そうなの、と白沢先生がしみじみと頷いた。
「森君の朝ごはんには、とっても手がかかってるのね」
「ありがとうございます」
それに、蓮は微笑んで礼を言う。確かに手はかかっているし、作るのに時間も掛かってしまうけれども、蓮自身はそれを不満とは思っていない――やはり取れたての新鮮な野菜は美味しいし、苦労しただけあって、食事の満足感も大きいからだ。
足るを知る、と言う生き方を体現しようとしているかのような、蓮の発表が終わると次は、
八神 修
が進み出た。ばさりと広げた壁新聞を前にして、待っている間に作っておいた発表用の原稿を見ながら、滔々と話し始める。
自分の作った壁新聞の内容から、その栄養素に至るまで。それから日本人に不足しやすい栄養素とその対策や、高校生に必要な栄養素は特に何かなど、新聞に書いていないことにも話が及ぶ。
凄いわねぇ、と白沢先生が微笑んだ。それから修の壁新聞をざっと見て、ひょいと首を傾げる。
「八神君のお家は、料理人さんが作ってくれるんですねー。八神君は自分で料理をしたりはしないのー?」
「そうですね。餅は餅屋と言いますから、そういった事はプロに任せたいと思います」
そんな先生の質問に、修はきっぱりとそう答える。それは、人を使う側に立っている事を自覚している修としては、当たり前と言える思考だった――何より修が自分で料理をしてしまっては、使用人の仕事を奪ってしまうことにもなる。
だから、いざという時のために知っておこうとは思うが、自分でやろうとは思わない。そう応えた修に、そうなのー、と頷いた白沢先生にぺこりと頭を下げて、修は発表を締めくくり自分の席へと戻っていく。
色んな考え方があるんだな、とそんな発表を聞きながら
毒島 林檎
は物思いに耽る。見ればなかなか凝り性(?)のようだし、そちらの方面に進めばなかなか面白そうな事になりそうなのに、もったいない。
とはいえやはり林檎自身は、そんな感情を面に出しはしなかった。そうしてみんなの発表を聞いて、この栄養バランスはどうだろうかと考えたり、自分自身の発表のシュミレーションをしたりして。
「……俺の朝ごはんはこうだ」
自分自身の発表の順番がやってくると、林檎は自信満々な様子でそう話し出した。みんなの前で発表、と言うのはあまり得意ではないけれども、『そんなこと言ってられないしね! みんなに私の朝ごはんを知ってもらうためにも、頑張らなくっちゃ!』という気持ち。
朝ごはんのメニューを読み上げて、その材料は、と言うことでお米、たまご、豚肉、玉葱、お味噌、豆腐、ワカメ、薄揚げキャベツ、トマトなどの名前を、判りやすいようにと描いたイラストを指差しながら説明する。そのイラストに、何人かの生徒が盛大に首を傾げながら「あれ、トマト……? みかんじゃなくて……?」「玉ねぎ……なのかなぁ、あれ?」と囁き合っていたが、幸い彼女の耳には届かない。
とつとつと、だが何とか途切れなく説明をして、最後に林檎はこう言った。
「……俺はこう見えても医療を志す者……栄養バランスを考えた朝食は大切にしている。この日も20杯はおかわりしたしな……」
白沢先生の最初の話にもあった通り、朝食はしっかりとるのが大切だと林檎も心から思っている。だからこそ『やっぱり朝はしっかりと摂らないとね!』と満足げに頷く林檎だ。
そんな林檎の発表に、まぁ、と白沢先生は目を見開いた。
「朝からカツ丼っていうのは、夜にはあまり栄養を取らないようにする為に、取る人もいますね。でも20杯って、お腹が一杯になっちゃわないー?」
「え、と……」
さすがに食べすぎだったのか? とそこで始めて恥らう林檎である。これでは、みんなの発表を聞いてるうちにお腹が空いてきちゃったんだよねー、なんて言ったらますます先生を驚かせてしまいそうだ。
とはいえ白沢先生は、毒島さんはとっても健康的なのねー、とにこにこ微笑んで話を終えた。それにぺこんと頭を下げて、席に戻ると
三ヶ島 葵
が「面白かったんだよー」と笑う。
「……次はお前だろ」
「おっと、そうだったねー。じゃあ、私も行って来るんだよー」
照れ隠しにぶっきらぼうに、内心では『もう、恥ずかしいなぁ! 馬鹿馬鹿!』と言わんばかりの気持ちで指摘した林檎に、飄々と葵が立ち上がった。そうして何を気負った様子もなく、真っ直ぐに黒板の前に向かうと、カップラーメンを基にして作り上げた作品――じゃなかった、壁新聞を掲示して話し出す。
壁新聞自体は、文章の技巧テクニックを駆使してシンプルな内容を限界まで水増しし、回りくどい言い回しや同じ事の別表現を用いて量を稼いでいる。そうしてあちらこちらに絵やグラフを配置して、そこはさすが非公式新聞部らしく、判りやすいレイアウトに仕上げていた。
――ただし、やはり内容が、ない。いや、よく聞いてみるとようはカップラーメン作りました、お手軽で良いですよね、みたいな内容なのだけれども、それを手を変え品を変え、さらにそれっぽく調べた栄養素なども織り込んで如何にも健康食かもしれないように見せかけているのだ。
ううん? と白沢先生が首を傾げながら考えているうちに、葵は持てる知識と話術を総動員して発表時間ぎりぎりまで、よくわからないけどわかったと納得してしまうような、そんな内容の話をし続けた。そうして話し終わった後には、何かよく判らないなりに拍手まで貰ったのだから、大したものだ。
すごいですねぇ、とおっとり手を叩いた
天満 七星
も、その1人である。とはいえ次は彼女の番なのだから、そうのんびりもしていられない。
七星はみんなと同じように黒板の前まで行くと、大好きな自分の朝ごはんについてゆっくりと、愛情を込めて説明した。そんな彼女の穏やかな口調と、それから総筆書きという珍しい壁新聞に、みんなの注目が一気に集まる。
一通りの発表を終えて、ぺこん、と頭を下げた七星に白沢先生が、よく出来ました、と微笑んだ。それからちょっと首を傾げて、壁新聞の隅っこの方を指差す。
「ところで天満さん、これは何かしら?」
「あ……それは、その、これも美味しそう、って」
白沢先生の指の先にある、確かに七星が書いたパンの絵に、彼女はちょっと赤くなって小さくそう付け加えた。ずっと和食の朝ごはんに、何の不満を持っているわけじゃないけれども、たまには、ほんの時々は、洋風の朝ごはんも気になったりする時がある。
そんなみんなの発表を聞きながら、けれども
仲村渠 鳴
の気持ちはやっぱり、授業が始まった頃と同じ位、落ち込んだものになっていた。みんなと朝ごはんについてはなしたり、発表して沖縄の朝ごはんに驚かれたりして、楽しかったのも事実だけれども。
楽しければ楽しいほど、それはけれども『今』じゃないのだ、と心のどこかで思ってしまう。1人暮らしをしているのは鳴だけではないし、朝ご飯を食べていない人だって見てみれば幾らかは居るみたいだけれども、それでも美味しい朝ごはんを食べてる人も一杯居るんだな、と思ってもしまって。
それは、不思議な感覚だった。自分と同じく寂しい食事をしている人に仲間意識を抱くよりも、そうして美味しい朝ご飯を毎日、楽しく食べている人を、羨ましいと思ってしまうなんて――
(でもやっぱり、1人で食べる気にはなれないしね……)
はぁぁぁぁ、と大きな、思いため息を吐いて複雑な気持ちを持て余している鳴と、詳細には違えど似たような気持ちをまた、
朝鳥 さゆる
も抱いていた。それは例えて言うならば、今の自分がまるで現実とは切り離されてしまっているかのような、奇妙な感覚。
壁新聞の発表自体は、要領よく、そして無難に終了した。内容はサンドイッチやサラダの作り方、そしてその材料にはサンドイッチにはツナ、トマト、レタス、パン、マヨネーズ、胡椒、サラダにはワカメ、トサカノリ(赤い海藻)、寒天やその他諸々が使われていて、栄養バランスとしては緑黄色野菜が足りないけれども、それは他の食事で補って――といった具合で。
けれども無難に終わってしまったからこそ、尚更に複雑な気持ち。『今』の自分はこんなにもめちゃくちゃな、まるで自分を追い詰めているような生活をしているのに、今更健康的な朝ごはんなんて――そんなもの、何の意味があるのだろう。
でも、だったらなんで自分で作った朝ごはんを発表しようと思ったのか。授業日数稼ぎとはいえ、体調が悪いとか適当に言って早退して、別の日にやってくることも出来たはずなのに、どうして。
――そう、考え出すと胸がもやもやして、それ以上考えたくなくなって、けれども確かな居心地の悪さだけがずっと残る。それは実のところ、皆の発表を聞いている時も変わらなかった。
●
「皆さん、お疲れ様でした。色々と工夫をしたりして、とっても楽しい発表でしたねー」
全員の発表が終わると、再び家庭科室の前に立った白沢先生が、そう言った。時計の針はちょうど、チャイムまであと5分、といったところだ。
「理想の朝ごはんを考えてきた人も、とっても美味しそうでした」
「うん、美味しそうだった」
「面白そうなのもあったし」
先生の言葉に、生徒たちが顔を見合わせながらうんうん、と頷きあう。普段、人の家の朝ごはんを知る機会もあまりないから、そう言う意味でも新鮮だったのだろう。
意外な人の、意外な一面を知ったり。あの人が普段は、こんな朝ご飯を食べているんだな、と驚いたり。
そんな生徒達を見回して、そうですねー、と白沢先生は微笑んだ。
「実際に朝ごはんを調べてみて、足りないものもあるとか、逆によく考えてもらってるなとか、気付いた人も居たんじゃないでしょうかー?」
その言葉にも、うんうんうん、と頷く生徒がやっぱり、多数。それにまた満足そうに微笑んで、白沢先生は話をこう締めくくった。
「それじゃあ、どうすればバランスの良い食事が作れるのか、来週からは一緒に考えましょうね」
「はーい」
「先生、調理実習で作ったりはしないんですかー?」
「あら、それもとっても楽しそうですねー。でも、まずはお勉強しないとね?」
誰かの言葉にそう微笑んで、白沢先生は家庭科の教科書をひょいと振った。来週からはこれも使ってちゃぁんと勉強しますよ、と言うことだろう。
うわぁ、とちょっと楽しみなような、また勉強かぁ、とうんざりしたような声が、家庭科室のあちらこちらから上がった。とはいえもうすぐ今度は期末試験もやってくることだし、勉強は大事だ。
最後にみんなで手伝って、作った壁新聞を家庭科室の壁にずらりと貼った。様々な色とりどりの、創意工夫に富んだ壁新聞――それはこれからしばらくの間、家庭科室で授業するたびに、みんなの眼を楽しませるに違いなかった。
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あとがき
担当マスター:
蓮華・水無月
ファンレターはマスターページから!
いつもお世話になっております、水無月 深凪です。
この度はご参加頂きまして、本当にありがとうございました。
今回は授業風景シリーズ、と言うことで何だかちょっと緊張しながらの執筆となりましたが、壁新聞作りはいかがでしたでしょうか。
皆様、様々な朝ごはんや、お子様の性格を活かしたアクションなどがありまして、水無月自身もわいわいと壁新聞を作っているような気持ちになりました!
とはいえそんな執筆中、諸事情で水無月自身の朝ごはんはなかなかシュールになっていた事は、全力の秘密です。
白沢先生に「ちゃんと食べなくちゃダメですよー」と怒られてしまいますね;
お届けさせて頂きましたリアクションが、皆様に僅かなりとも楽しんで頂ける物であれば、心から嬉しく思います。
またのご縁がございましたら、どうぞ宜しくお願いいたします(深々と
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担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
学校生活
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年12月05日
参加申し込みの期限
2013年12月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年12月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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