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真紅の月
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いつしか絢と真優理の話題は大学の話題へと移っていた。
「彼女たちもマタ大生だよね」
真優理はそれ以上言わなかったが絢はすぐに察した。現役マタ大生にして売れっ子グラビアアイドルのふたりのことだ。沖縄をテーマにしたふたりの写真集はロングセラーとなり、いまなお書店に平積みされている。
ふたりは同性カップルであることを公表していた。その姿勢を誹謗する声は依然存在するがほとんどはインターネット上のものであり、世間的にはほぼ受け入れられているようだ。もちろんふたりにそんな意図はなかっただろうが、いまでは一種のオピニオンリーダー的な扱われかたもしている。
「応援したいな。もしかしたらキャンパスで見かけることがあるかもしれない」
しかし絢は、彼女たちのようにカミングアウトすることはしないだろう。話し合ってそう決めたわけではないが、これは暗黙の了解事項になっている。そうだよね――というのが真優理の着地点だった。自分と絢の場合、叔母と姪の関係でもあるのだ。事情は複雑である。
「そういえば……私の知人に泰葉さんって人がいてね。彼女、マタ大に合格したって連絡が来たわ」
「泰葉さん?」
「ええ、ひょんなきっかけで知りあってね」
泰葉と知りあった
経緯
について真優理は簡単に明かした。
「学部はちがうけど、一般教養で一緒になるかもしれないわね」
キャバ嬢から大学生へ、よくあるルートとは逆かもしれないが、泰葉の学ぼうという姿勢に真優理は敬意を表したい。
大学の話が出たついでに、絢はふと疑問を口にした。
「たしか、真優理さんって有名なあの大学に受かってたんだよね」
よく軽王と称される私立大学だ。歴史ある伝統校、私立の最高峰といっていい。歴史は長く、政治家や作家などの著名人を多数輩出している。
「なのに入学したのは叡智だったよね。どうして?」
叡智と呼ばれる大学も名門であることはまちがいないが、大抵の学生なら最初に名が挙がった学校のほうを第一希望にすることだろう。学校ランクなどというものをスルーしても、校風的にも真優理のイメージは軽王に近いと絢は思う。
「うーん」いささか言いよどんで、「知りたい?」と真優理は言う。
「どうしてもとまでは言わないけど」絢は真優理の隣に寝そべった。「話せる範囲で」
「OK。それなら」
高校時代に元カレというのがいてね、と真優理は話しはじめた。
「さすが真優理さん。モテたんだ」
「よしてよ。大恋愛なんてほど遠い、なんとなく交際に至ったってだけのものなんだから」
すくなくとも自分はその程度の認識だったが彼のほうはどうだったのだろう。とっくに電子メールの時代だったが手書きで分厚い手紙を送ってきたし、何かの祝いに抱えきれないほどの薔薇の花束を持って走ってきたこともある。いつでも真優理を大げさなくらい褒めたたえ、一日百回くらい「好きだ」と言ってくるような少年だった。
「情熱的な人だったんだね」
「まあね。ときどき息苦しいくらいだったけど」
「女神様みたいに崇拝されてたんでしょう? 悪い気はしなかったんじゃない」
「少しは」
「少しって」
若かったんだといまならわかる。真優理は彼のことを理解しているつもりだった。
「彼とは高校二年のときに付き合いはじめて、夏休みには身体まで許した」
彼とのセックスはいつも、痛いばかりで快感などほとんどなかった。あまり真優理の肉体を尊重せず、力任せにむさぼって、終わったらさっさと寝てしまうのが彼だった。いまではそれが彼の身勝手だったと理解している。だが当時の真優理は他を知らなかったので、そういうものなのだろうと思っていた。彼がときに涙まで流して喜ぶので、求めには最大限応じてきたつもりだ。
絢は無言だ。
なのにね、と真優理はため息をついた。
「彼、二股かけてたんだ」
「二股!?」
「そう。もうひとりの相手にも、それはもう情熱たっぷりにアプローチしてた」
「どうしてわかるの?」
「その相手が私の知ってる子だったから。正直に明かせば、当時の私の親友だったから」
もう笑うしかないではないか。
「もしかして、第一希望の学校に」
「三人そろって合格してた。ちなみに二股発覚は、合格発表の直後ね」
真優理は覚えている。土下座して子どもみたいに大泣きする彼を前にして、どんどん冷静になっていく自分を。不快ではあったが怒りはほとんどなく、ただ寂しいとだけ思ったことを。
彼とはそれきりとなった。電話が何度かあったが着信拒否し、手紙も何度か届いたが読まずに送り返した。
「カレとはそれきり。親友とも、切れちゃった。ときどき彼女のこと思い出すことはあるけど、元カレのことは、このこと話すまですっかり忘れてた」
ぜんぶ話してしまった。
一番きついところは避けて話すつもりだったけど。
真優理は痛みを覚えている。だがナイフが突き刺さったような痛みではない。擦過傷に近かった。それも、ごく軽い。
むしろ話せてよかったと思う。
真優理の沈黙を誤解したのか、
「真優理さん、嫌なこと思い出させてごめんなさい」
絢は沈鬱な声を漏らすも、真優理は首をふって絢の唇を吸った。
接触は唇にとどらまない。舌もつかう。絢も応じる。
「逆よ。すっきりした気持ち。変な話、彼らのおかげかも」
「元カレさんと、元親友さん?」
「そ。あのことがあったから」
「私が言っちゃ悪いかもだけど、つまり、真優理さんが失恋しなければ、きっとこんな風に私たち、結ばれてなかったってことかな」
「そう思うよ」
「だったら感謝、しなきゃいけないわね」
そういうこと、と告げて真優理は絢を腕でつつむ。
「真優理さん……紅い月夜に照らされてるあなたは、ゾクゾクするほど綺麗よ」
「絢ちゃんも……」
絢はなにか思いついたのか、上になった真優理を組み敷いた。
「じゃあさ、今日は」
すでに日付は変わっている。真優理も絢も本日の予定はない。
「一日中愛し合いましょ」
真優理は言葉ではなく、唇と舌、それに指先だけで絢に返答した。
――『真紅の月』 了
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
ホラー
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年06月13日
参加申し込みの期限
2024年06月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年06月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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