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真紅の月
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Crimson Moon
血のように紅い月。
夜の沈黙に乱れはない。
けれども沈黙のなかひとつの影が、音もなく地面を這っていた。
少女だ。まだ幼い。
名を
芋煮 紅美
というが彼女は現在、『紅子』と呼ばれる人格に支配されていた。
紅子は紅美本人の守護天使だ。紅美を守るためだけに存在する。紅美を守るためであれば手段は問わない。
「この道具はね、強い信頼関係で結ばれたふたりの仲を短期間で引き裂きたいときに振るうものなんですよ」
ネイルハンマーを握り、紅子はブロック塀を乗り越えた。蜘蛛のごとく壁をよじ登る。
窓に手をかけた。
鍵はかかっていなかった。スライドして開く。
紅い夜光が室内に入る。紅子は室内に忍びこむ。
「……」
紅い眼光で室内を見回した。
白 真白
の部屋だ。一時期真白と寝起きをともにしていた紅美のよく知っている部屋、紅子も、この部屋のことは熟知していた。
ベッドを無視してカーペットの上、丸まった毛布に紅子は近づいた。
無言でネイルハンマーを振り上げる。
紅子の腕が握られた。
背中にひねり上げられ紅子は声を漏らす。
少し前、紅美はDUALと呼ばれる『ろっこん』に目覚めた。一言で言えば変身能力、過度のストレスを感じると紅美の意識は消え、強力な能力をもつ第二人格へと入れ替わるのだ。『紅子』と称されるもうひとつの人格は強力な能力を持つが、紅美本体とは記憶を共有しない。
紅子の動体視力なら、加えられる攻撃の大半は予見することができるだろう。
それでも
七枷 陣
の『ろっこん』、電光石火の動作はこれを上回った。
「……ッ、これで筋肉痛確定やけどな。捕まえたで」
紅子の背後、真白が寝ているはずのベッドから、陣が飛び出して紅子をとらえたのだ。
「紅ちゃん? いや、ベニーちゃん……だよね。大丈夫? 怪我とかしてない?」
かわりに目の前の毛布から姿を見せたのが真白だった。
「はなせ」
「離してたまるか! ていうかアホ紅子! あんた白さんにそんなもん喰らわすとこやったんやで!? ええ加減にせえよ!」
ぼとりとネイルハンマーが落ちた。
「わ、わたしは千絵を」
「千絵ちゃんを、どうする気だったの?」詰問調にならぬよう用心しつつ、真白はゆっくりとたずねた。
「ケガさせる気だった。ころしたりはしない。ただ、ドイツに行けないくらいにいためつけたかった。歩けなくしたり」
「ホンマかそれ!?」
犯罪やぞ! そう叫びかけたが陣はこらえた。紅子を叱りつけないと、前もって真白と取り決めていたからだ。紅子にさらなるストレスをかければ、かえって逆効果になるおそれがあった。
三秒、深く息を吸って陣は心を鎮め、共感すら示すように穏やかな口調となった。
「……せやな。千絵ちゃん大ケガしたら、もうドイツ行きどころやなくなるもんな」
咳払いして陣はつづけた。
「今朝の『クラン=G』のこと、誰のしわざかはすぐわかったよ。これまでどおりの千絵ちゃんでいてほしい、自分と遊んでほしいって紅は願ったんだよな? だからあんた、つまり紅子は、千絵ちゃんが海外へ行けないようパスポートを――って単純な行動したんやろ」
「でもパスポートなんてわりとすぐ再発行できるんだよ」真白が言葉をつぐ。「ベニーちゃんがそれに気づいたら、もっと短絡的な行動に出るかもって私たちは考えたんだ。最悪その……千絵ちゃんをケガさせてでも、って」
「うん。でもそれ考えついたんは白さんやな」
「だけど、ここで待ち伏せを提案してくれたのは七枷くんだよ」
「だったっけ。ああ、うん。できれば当たってしてほしくなかったけどね」
陣は予想的中を誇る気にはとてもなれなかった。友達をケガさせてまで自分の思い通りにする、そんな狂った考えかたに紅美(ただしくは紅美の一部)が行き着いたという事実は直視しがたいものがある。
「残念だよ、私も」
胸が痛い、真白のいつわらざる気持ちだ。紅美をここまで駆り立てた原因の一端は自分にもあるのだから。
「なあしかし紅子、この行動が紅子なりに、純粋に考えた結果なのはわかってるつもりや。でもな、そのやりかたは致命的にまずいで。千絵ちゃんだって独立した一個人やねん。千絵ちゃんのこと大切なんだったら、千絵ちゃんの夢と、夢のための努力を尊重してやらんと。ましてやケガさせてでも邪魔しようなんてさ」
「いつまでも近い場所で仲良く遊ぶだけが友達じゃないよね? ときには遠くから応援してあげるのだって、友達だよね」
「つけくわえると誰がまちがったことしようとしたとき、全力で止めるのも友達だと思うよ、僕は」
「……」
紅子は黙った。
紅子が逆上し、襲いかかってくることを陣は覚悟した。
真白もだ。ここまで深入りした以上、アイスピックを突き刺されてもネイルハンマーで殴られても、まぁ耐えてみせようと歯を食いしばった。
どうせ誰かが負傷するんなら、千絵ちゃんじゃなくて、私のほうがいい――。
杞憂に終わった。
紅子は足元を見つめたまま言ったのである。
「わたしは……紅美は……かわってしまうことが、こわい」
陣と真白は黙って先をうながした。
「まわりがどんどんかわってしまって、おいていかれて……また、ひとりっきりになるのがこわいよ」
「変化が怖いんだね。でもそんなの、みんな怖いと思ってるに決まってるじゃない」真白は微笑した。「考えてみてよ、千絵ちゃんなんて日本語も通じない外国に行くんだよ。紅ちゃんよりずーっと怖がってるはず」
「まーキレイゴト言うみたいやけどさ、紅や不肖の僕らが心の支えになってるから、千絵ちゃんは勇気をもって踏み出せたんとちゃう? そんなこと言うなら僕かて怖いよ、来月が。ぬくぬく高校生活が終わって大学生になっちゃうし」
「上司だって、こどもおじさんの三佐倉店長からエリートビジネスマンのリックさんに代替わりするし」
「うっ、それマジ怖い。リックさんときどき、目が全然笑ってない笑顔を見せるんだよなー」
苦笑してしまう。張り詰めていた空気が緩んだ気がする。
「私だって怖いことばっかりだからね。いよいよ大学生、どーせ二年もすりゃ就活でしょ? 就活スーツにインターン、エントリーシートそして圧迫面接! 耐えられるのかなーって思ってる」
あと、と真白は眉を八の字にして言う。
「紅ちゃんに預けっぱなしの問いに回答がくるのも、正直言ってすんごい怖い」
「ああそれ、僕も」
真白と陣は顔を見合わせた。真白、陣、紅美と紅子、なんとも複雑な関係ではある。
「私、紅美ちゃんにプレッシャーかけちゃった。ごめんなさい」
「僕も謝るよ。もとをたたせば僕こそ原因や」
黙って紅子は両手を伸ばし、真白と陣を抱きしめた。
「わたしこそ、ごめん。ごめんなさい……!」
「私らみんな、同罪だよ」
「だよね」
真白は紅子の背をさすり、陣は紅子の頭をなでた。
さすっている、あるいはなでているのは紅美かもしれない。
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
ホラー
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年06月13日
参加申し込みの期限
2024年06月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年06月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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