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たとえ今日が、終焉(おわ)りゆく明日の始まりだとしても
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「いま、プライベートだから」
泰葉
(やすは)は大ぶりのサングラスを外さない。手を触れることすらしない。
「……放っておいてほしい、ってのか? 俺たちだってプライベートなんだよ」
プライベートで何しようが自由だろ、と若い男は言った。
染めそびれているのかプリンのようになった金髪、よく日焼けしたがっちりぎ気味の上背、二の腕には、あまり達者でない海賊のタトゥー、悪趣味なほどピチピチの海パンには、どういう意図なのか『本物志向!』というバックプリント文字が躍っている。
「なあ泰葉、そろそろ店外デートにも応じろや。たとえば今日とかよお」
代表で話しているのはこの『本物志向!』男だが、彼のうしろにはもう二人ほど似た風体の若い男がいて、そうだそうだとうなずいていた。
「今日はあいにく友達と待ち合わせなの。会いたいなら、店に来て」
「キャバ嬢の『友達』ってったって、どーせ店の客で、モテねえオヤジかなんかだろ? 店なんかまどろっこしーんだよ。指名だの時間だのこちゃこちゃとうるせえし料金もたけーし……」
「そう? あなたが趣味のパチスロに一時間でついやす額の数分の一だと思うけど?」
「おい! お前キャバ嬢の分際で俺にアヤ付けよってのか!?」
発作的に『本物志向!』は、泰葉の細い手首をつかんだ。
「そういう態度には我慢できねえ、今日はとことん付き合ってもらうからな」
しかし、男の勝ち誇った表情は驚愕に取って代わられている。
「ちょっと!」
泰葉が反射的に腕をひねって、男の手をたやすくふりほどいたからだ。
このとき、
「ああ、ここにいたの?」
予期せぬ方向から声がして、泰葉も、男たちも一斉に振り返った。
「みんな探してたんだよ。店長も」
水谷真優理だった。水着姿で、いかにも友達といった顔をして駆け寄ってくる。
ちっ、と舌打ちして『本物志向!』は仲間二人に、
「行くぞ」
と吠えるように言うとその場から去った。
見破られていない――真優理は動悸と冷や汗を押し隠しながら、男に取り囲まれていた彼女に小声で呼びかけたのである。
「大丈夫? とりあえず、海の家にでも入りましょう」
座敷に上がって飲み物を注文する。
冷えたグラスがふたつ運ばれてきたころには、もう泰葉も落ち着気を取り戻していた。
真優理は、泰葉の姿をあらためて眺める。
彼女はセミロングの髪にウェーブをかけており、やや垂れ目気味だ。超美人というわけではないが可愛い雰囲気があり、その雰囲気に合ったセパレートの水着を着ている。
「助かりました。ありがとうございます」
「いえ、余計なことをしたんじゃないかと思っていたくらいだから……」
水に戯れ満足し、海からあがって休憩に戻ろうとしたとき、真優理は泰葉の置かれている状況を目にしたのである。とっさに店長がどうこうという話を持ち出したのも、男と泰葉のやりとりを聞いていたからだった。
泰葉は簡単な事情を話した。キャットロードにある『プロムナード』という店で働いていることも含めて。今日はたまたま、ひとりで泳ぎに来ていたのだという。
「……それで、さっきのはあまり質の良くないお客さんです。しつこくって」
「大変よね、店は客を選べないから」
自己紹介が遅くなったわね、と真優理は名乗った。
「私もね、大学三年生の時、父親が失業したので学費稼ぎにキャバ嬢のバイトを経験したことがあるから、泰葉さんの苦労はわかるわ」
着飾った華やかな業界と、思っている人もいるかもしれない。
しかし実際、キャバクラの世界は泥臭いとすらいっていい。成功すれば収入にはなるかもしれないが、その分負わされるストレスは膨大だ。先の男が示したように、見下すような態度を取る男性客も少なくはない。
「そうなんですか、水谷さんも……?」
「うん。ちなみに父が失業した理由はリストラ」
「お気の毒です……」
「でも、悪いことばかりじゃないと思ってる。その時の経験が今の仕事に生きていたりするから」
ふふと真優理が笑うと、泰葉も笑みを返した。
「……そんなかた、多いですよね、キャバ嬢には。私も、学歴もなく、つてもなく、故郷から逃げるようにして寝子島に来たから……選べるのは夜の仕事くらいしかなかった」
真優理の話を聞いて、泰葉は胸襟を開く気になったようだ。
「もうそれなりに業界長いから、あんな場面は上手く流せるようになってるはずなのに」
つい本音を口にしてしまった、と泰葉は言う。あのとき、男を批判するような発言をしてしまったことだ。
「ああいう手合いをつけあがらせるよりずっとましよ。むしろ、よく言ったねと評価したいくらい」
「ありがとうございます。もうあの人たちは出入り禁止にしようと思います」
このとき、真優理は泰葉の姿に風格を感じ取った。あるいは気高さと言えばいいだろうか。ホテルでもベテラン従業員だけが帯びているような。泰葉は、『店長に言って出禁にしてもらいます』ではない。『出入り禁止にしようと思います』と言ったのである。決定する権利は自分にある、ということだ。
「もしかして泰葉さん、あなた、店のナンバーワンでは……?」
すると謙遜も卑下もなく、爽やかに泰葉は答えたのである。
「元、ですね。『プロムナード』の元ナンバーワンです」
互いに敬意と親しみを感じ、それからも色々と話をしているうちに夕方になった。
仕事があるので、という泰葉を、真優理は念のため職場まで送ったのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年04月27日
参加申し込みの期限
2019年05月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年05月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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