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ヒゲ猫ペンシルと、魔法商店街のおせっかいな寓話たち
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【"しんじるものは巣食われる"(3)】
狐はたゆたう。
「どうやら会話は通じない、か」
霊界サボテンの芯を削りだし作られた杖はあくまで八神の魔法のさわりに過ぎないらしい。彼のスタイルはなかなかに特異だ。両前腕に身につけた手甲はかの霊界イスノキを材料としてこしらえられたものだが、これには商店街で鍛冶師を営む火吹き鬼が手を貸したようだ。霊界イスノキは葉や幹に多様な霊蟲が寄生し、それらの刺激によって瘤状の器官を発達させるが、その内にはいわば蟲毒にも似た呪いが蓄積される。それを杖へと加工する技法もまた匠の成せる業でありながら、八神は手甲の形へこれを仕立てさせたらしい。
「解析を続ける。すべてさらけだしてもらうぞ」
致命の魔法による牽制を放ちながら、隙なく手甲により解析を行う。双杖の上をゆく三刀流というわけだ、人間のこうした発想力には時に驚かされるな。
片耳の狐どもが宙を舞う姿は、さながら夜空をおおう空クラゲのようだ。つかみどころがなく、手の届かない神秘を思わせる。なるほど神を名乗り、奇跡を垣間見せられた人間たちの目に、夕顔はこのように映ったかもしれない。
狐がふたたび城山を変質させる。力なきテントウムシとなった城山へ狐は牙を剥くが、
「ん~~~っ。えいっ!」
すぐさまリセット、なかなかの手並みだ。
「ヒュー、そこよ!」
「ああ、水樹!」
城山は幽霊桜の残滓の杖をよく手なづけている。多大な精神力を費やし行使する予言は狐の次の手をつまびらかにし、ヒューバートを支えた。
「致命の魔法を……!」
イルカゴケの捕虫袋は杖の素材として採取の難しい部類だろう。なにしろ巨大なあやかしまでも捕食するおそるべき植物だから命がけというものだが、ひとたび職人の手に渡れば良質な杖へと変わり、使い手の魔法を高みへと至らせるのだ。ヒューバートの光弾が描く軌道を狐は避けきれず、手痛い一打となった。
実によい連携を見せるこのふたりは、ときに怯えも見せながらにも引かず、退かず、果敢に立ち向かう。たがいの存在がかたわらにあることがやはり、そうさせるのだろうな。
綾辻と早川などもそうだろう。奇怪な影へと変化した狐が綾辻を蝶へと変える。飛翔しつつリセット、宙より降りながらに狐を解析。早川は右腕を枯れ木へ変質させられながらも杖は落とさず、己を大きく見せんがためか膨張する狐をすかさず小さなネズミへ変える。ネズミはすぐさま獅子へと変わり飛びかかるも、走り込んだ綾辻が立て続けに牽制の致命魔法を放ち引き離した。綾辻が持つのは鳳凰の止まり木を杖としたもので、ねばり強い戦いを可能とした。
「珪さん、気をつけて!」
「ああ!」
魔法戦のさなかにもいくらか余裕が生まれてきたのか、綾辻は息を整え、対峙する狐の一匹へと不意に語りかけた。
「"Lore"……あなたたちには、敵意というものが感じられません。どうして戦わないといけないのかな。どうして、この街へやってくるのかな」
「きゃきゃ。こんこん!」
狐はゆらりと舞うのみだ。
「敵意、とは確かに違うだろうねえ」
「あ……」
腕組み、白檀は袖から出した杖を軽く振り、狐を一匹のムカデへと変える。それをたやすく踏みつぶすと、綾辻へ笑む。
「さっき、八神くんが言ってたね。Loreは街の連中の過去から生まれる存在じゃないのかって。きっと間違ってないんだよ、それって」
「どういうことだい?」
綾辻にならび、早川も問う。自然と目配りし綾辻を危険から遠ざけようという姿勢は、さすがだ。
白檀は肩をすくめ、
「"遠きもの"はね、なんでも知ってるのさ。こうして街の連中の過去を再現し、清算する機会を与えてくれるんだから、ははは。ありがたいじゃないか」
「過去を清算……? そのために、みんなに危険がおよんでもですか? これがサキさんの過去なのだとしたら、彼女はきっと……」
はっとして綾辻が振り向いたのは、件の彼女がこの場へと姿を見せたからだ。夢の主が。綾辻は唇を引き結ぶ。
「きっと、苦しんでいると思うから」
八神が舞い、綾辻の予言が早川を活かし、城山の解析が暴きヒューバートの致命が狐をうがつ。
「人間の法にしたがってね、裁かれてやってもいいとね。そんときゃあ、少しは思っちゃいたんだけどねえ」
目を細めて彼らの奮戦を見つめた夕顔へ、倉前が浮かべた表情はなんともいえず、緻密にして複雑に見えた。
「サキ……」
「あいにくと、そんときあたしゃもう、がちがちに縛り付けられてたもんでね」
「縛られてた? 誰に?」
「父に母に叔父に兄や弟妹に。一族みんなにさ」
東に狸ヶ原、西に狐伊万里。霊界に名高い変化の術の名門だ。化け狸に化け狐と聞けば彼らを思いうかべる者も多かろう。
夕顔の失敗のひとつは、狐伊万里一家の名を使ったことだろうか。適当な看板を思いつかなかったから、とかつて夕顔は語ったが、己の才を認めずつまはじきとされた幼少期の反動もあったかもしれない。なんにせよ化け狐の名家なりに、その名を汚されたとあっては連中も黙ってはいられなかった。
「地獄みたいな責め苦を受けながら、あたしはただ命乞いをしてたよ。死にたくない、殺さないでってね。はは、どの口が言うんだって感じだよねえ」
「それでも、生きたかったんですね。サキは」
倉前も呆けているように見えて、おっと失礼。これで案外と鋭いから、夕顔の明かさぬ胸中を悟ったのだろう。
乱舞するも数を減らしつつある狐ども、Loreを眺めて夕顔は、深く息をつく。
「こいつがもしや、あたしへの罰だってんなら……」
「ダメですよ」
先んじて言った倉前を、怪訝そうに見つめた。こんなにも抜けた顔は、人を手玉にとりあやかしを翻弄する夕顔らしくない。珍しいことだ。
「サキの過去になにがあろうと、僕が知ってるのは今のサキですから。サキとも、街の人たちとも、仲良くしたいんですよ。だから」
杖を振り抜きざまに放つ致命の炎が、片耳の狐を焼き尽くした。解析が進み、もろく衰えつつあるようだ。
夕顔は苦笑いした。
「……じゃ、ちょいと手伝ってくれるかい。ケリをつけないとね」
「おっけーですよ~」
白い毛並みに三本の尾を持つ狐へ変じた夕顔と並び立ち、敵どもを見据える倉前の姿ときたらもはや、歴戦の魔法使いもかくやといったところではないか。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年06月19日
参加申し込みの期限
2024年06月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年06月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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