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Tonight, Tonight
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松崎竜平がカウンターで煙草を注文しているとき、ピロリピロリと入店音がしてドアが開きました。
その真ん中に立っているのは、なんだか冴えない顔色の少女です。
服装はジャージにTシャツ、Tシャツのプリントは旭日旗だったりします。
少女の両目の下には、寝不足の証拠たる黒い隈がありました。髪の毛もバサバサです。普段はポニーテールにたばねているのに、ざんばら状態なので幽霊風だったりします。
そんな状態でやや前のめりに、
神無月 綾
は店内に入りました。日頃の綾はいわゆる女子力が高いほうなので、このような惨状にはありません。目の下の隈だって見せたことはない。つまり、なにもしないことによって、ナチュラル変装ができているという塩梅なのでした。
八神修がクジを引いて一喜一憂しているその横をすり抜け、綾はコピー機に直行してどすんとその上に書類ケースを置きました。
ケースから出てきたのは報告書の束でした。彼女はこれをコピーしに来たのです。
「できればこの場で見せたいくらいだけど……」
綾はふと思いました。この場に、北風貴子がいればいいのに――と。
ご都合主義というなかれ、ちょうどこのときネコビに、貴子がいあわせたのは皆さんもご存じの通りです。
「北風先輩!?」
「えっと……」
伊賀解理と話していた貴子は、怪訝な顔をしました。
「あなたは?」
「私です。神無月綾」
綾は、ぐっと髪をアップにして顔を見せました。
「え……ああ……珍しいところで会うわね」
戸惑い気味な貴子にかまわず、綾は水があふれるように話し始めました。コピーを取りながら報告書を手渡して、
「北風先輩、猫鳴館のことでご相談があります。これをご覧ください。いくつか問題があると思いますので、ひとたび廃寮問題は置いておいて調査の必要性を具申いたします」
「ええと……これは?」
「個人的には吉田先生のご協力の下、地下を調べるべきだと思います」
「ごめんなさい。話が見えないのだけど」
「そうでした」
咳払いして綾は、改めて自身の主張を伝えるのでした。
「猫鳴館廃寮問題についてです。建物の建築年数を考慮して私は、土台の腐食など調べてきたのですが、デジカメとボイスレコーダーをあるかたに強奪され壊されてしまい、記録を残すことには失敗しました」
「それは残念だったわね」
「だからといって成果がないわけではありません。地下に温泉があることは確認しました」
話すにつれ昂ぶってきたのか、綾の語気は(彼女にしては、ですが)熱を帯びていきます。
「温泉が地下にあるということは水はけに問題がある可能性があります。……湿気の強い状態ですと、専門業者の修繕がなされていなければ土台の腐食が危険な水準にまで達しているのではないかと。最悪、いつ倒壊してもおかしくない事態におちいっていると言えるでしょう」
コピー機から出てきた温かい原稿を機械の上に置き、綾は報告書のあちこちを指して示すのです。
「……悔やまれるのはやはり撮影機器の件です。証拠の写真があれば、安全性の問題を訴えることもできたのですが。倒壊で死傷者が出ることを考えると……」
「わかったわ、あなたの主張は」
貴子はここで、一拍おいてから返答しました。
「いずれ風紀委員会の議題にすることを考えましょう。詳しい報告をするのはそのときにお願いしていいかしら?」
やはり貴子は話が早い――綾の目にも光が宿りました。
「温泉の掘削許可についても気になるところです。掘削責任者や営業責任者を調べ上げたいと思います。彼らは地下でなにかを企んでいる……? 犯罪の臭いがしますね」
貴子は指先でメガネを直しました。同時に、ぴしゃりと言ってのけたのです。
「やめなさい。憶測でそのような発言をするべきではないわ」
「……はい、しかし……」
「まだ、ざっと報告書に目を通しただけだけど、神無月さん、あなたは綿密な調査を行ってきたようね。だったら、なんの証拠もないのにそのような軽率なことを言うべきではないとわかっているはずよ」
「……申し訳ありません」
「わかって。叱っているのではないのだから。……ただ、ご覧の通り私もプライベートなのでね。あなたの努力は認めるけれど、弁をふるうにも時と場所を選んでもらえたら嬉しいな、って思ってるだけ」
「はい」
たとえTシャツでジャージ姿だろうと、北風貴子には凜然としたカリスマ性がありました。生徒会長とはまた違う、戦の女神アテナのような気高さです。綾は身が引き締まる思いのあまり、知らず知らずのうちに直立不動の姿勢を取っている自分に気がつきました。
このとき、ふっと貴子の視線がやわらぎました。
「それにしても、仕事熱心なことね。ご苦労様」
貴子は微笑していました。
まぶしいほどの美しさです。気高いばかりではありません。貴子には、大和撫子の可憐さもありました。
ノーメイク(に見えます)でこの美人ぶり……なんだか、神々しいような、同じ女として目標にしたいような……そんな気持ちになり、綾の顔もまた輝くのでした。
「お買い物のところお邪魔して申し訳ありませんでした……北風先輩。栄養ドリンク買って帰ります」
なので綾は、来店時とはちがい晴れやかな顔で一礼してその場を去るのでした。
さあ、これできっかけはつかみました。
詳しいことはいつの日か、風紀委員会で提案するとしましょう。
綾による調査と提案は、新たな物語を紡ぐ縦糸になっていくのでしょうか……?
いずれにせよ、それはまた、別の話です。
「ごめん。待たせたわね。先に帰ってくれててもいいのに」
解理に振り向いた貴子は、風紀委員長というよりはリラックスした女子の姿に戻っていました。
「……どうしたの?」
解理が黙ったまま自分を見ているので、貴子は小首をかしげました。
そのジェスチャーにせかされるようにして、解理は慌てて言うのです。
「い、いえ、やっぱり先輩って『いいんちょ』のときはものすごくそれっぽいし、なのに、ジャージ姿で買い物に出ていたり……なんていうか……」
「なによ、おかしい?」
「おかしくないです、強いて言えば
ギャップ萌え
です!」
「も……萌え!?」
「そう! 今日はちょっと良いもの見た気分! これぞ『遅出は三文の得』!」
「なに言ってるのよまったくもう……」
萌えとか言われて気恥ずかしくなったのか、そそくさと報告書を小脇に挟むと、貴子はコンビニから出て行ってしまうのでした。
「あ、待って下さいよー」
せんぱーい、と言いながら解理もお茶を買って追いかけていきます。
貴子が切手を買い忘れたことに気がついたのは、帰宅してからのことだったそうです。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年12月02日
参加申し込みの期限
2013年12月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年12月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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