this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
Tonight, Tonight
<< もどる
1
…
4
5
6
7
8
…
10
つぎへ >>
夏の夜を往く壮年の男が一人。
名を、
松崎 竜平
といいます。
竜平は侠客、もうすこしストレートにいうとヤクザです。しかも、名高き神無組の古株で組長の右腕なのですから、これは相当な人物といっていい。
でも肩で風切って歩くとか、一般人を押しのけるとか、そういうことはありません。むしろ、彼はあえて道の端を歩き、誰も見ていなくとも、いくらか身を縮めるようにしています。
ヤクザ者はカタギの衆に迷惑をかけちゃいけねぇ。ヤクザの稼業(シノギ)は全部、真面目に働く人々のおこぼれだ――そういった信念があるからでしょう。今では奇異に映るかもしれませんが、昔日の侠客には皆、そのような意識があったといいます。
竜平はいつも、私用はなるべく単身で、しかも徒歩ですませるようにしていました。幅の大きな外車をこれ見よがしに乗り回したり、柄の悪い若衆をずらずら引き連れたりしません。今宵も単身、涼しい夜を楽しみながら歩みを進めています。
「やれやれ、最近煙草は減らしてたつもりだったんだがな……これも気がかりが増えたからか……」
自嘲気味につぶやきます。
それも仕方ない、と言えるかもしれません。
ここ数ヶ月、竜平の周辺には色々ありました。
町中で突拍子もない事件が起こるようになったかと思えば、神無組の組長、『お嬢さん』こと跡取り娘、加えて組員の中にまで、変な能力を身につけた人間が出てくるようにもなりました。
それだけでもう、竜平には手一杯な気持ちがありますが、これで終わりません。
――昔結婚考えてた女の娘が島にやってきたしなぁ……。
普段は自分のことよりも神無組のこと、組長のこと、構成員の生活のこと優先しがちな竜平ですが、こればかりはどうしても、個人の事情ながら心惑わされるできごとでした。現在、一番の気がかりといえます。
――一度も顔を合わせたことがないとはいえ、今も大事な女の娘だ。やはりこう、父親のような気分になっちまう……お嬢さんに対する気持ちとは、やはり少し違ってくるもんだな…………。
照れくさいような気恥ずかしいような、それでいて、嬉しいような気もするのです。五十路を越えてなお、余りある男の純情というものでしょうか。
しかしここで、彼の想いは途切れます。
「んん?」
竜平ははたと足を止めました。
「……なんでぇ、月さんじゃねえですか」
往く道の中央、背に黄金の月光を浴びて一人、
常闇 月
が立ちつくしているのが見えたからです。
墨を塗り込めたような漆黒の髪、年齢のわりに幼い顔立ちなのに、やけに大人びた、冴えた光を宿す瞳……竜平は知っています。よほどの修羅場をくぐりぬけてきたか、凄絶な生い立ちを送った人間でなければ、あのような瞳をすることはないということを。
「奇遇ですね……こんばんは」
月は軽く頭を下げました。どうやら彼女のほうが、先に竜平に気がついて待っていたもののようです。
実際、その通りでした。
月はこのとき、あてもなく夜道を歩いていました。なんだか部屋で、じっとしている気になれなかったからです。
そうしてさまよううちに、彼女は竜平の姿を認めたのでした。
「どちらへ……?」
と問いかける月の口元が、わずかにほころんでいることに竜平は気がついたでしょうか。
月にとって竜平は、友人の邸宅で会った程度の関係にすぎません。なおその友人というのは、神無組組長の娘だったりします。
月はあまり人に交わることを好みません。親しげに近づいてきた相手であっても、ごく自然に一定以上の距離をおくことが多い。いいかえれば、心の中にある壁を隠そうとすらしないのです。
ところが竜平は、月にとって数少ない例外の一人でした。
理由は分かりませんが、竜平には心惹かれるものがありました。
まるで大樹の木陰のよう――彼女はそう考えています。彼のことを。
月に両親はいません。それどころか顔を見たことすらないのです。そんな月だからか、竜平に寄せる好意は、父親へ思慕の情にどこか似ているのでした。
――きっと、父親という存在がいるとすれば、彼のようなかたなのでしょうね。
竜平は月に、優しく言葉を返しました。
「ああ、ちょっと……野暮用ってもんでさ。煙草を買いに、ね。……それはそうと月さん、こんな夜中に女の子が一人歩きしてちゃいけやせんぜ?」
怒るべき場面での竜平は、それはもう大変に恐ろしい人に変貌しますが、そこまで本気を出すことは近ごろ、滅多になくなってしまいました。普段は温厚、深い声もあってたしかに、大樹の木陰を想起させるものがあります。
「大丈夫です……私、そんなにか弱くありませんので」
「……そうは言ってもね」
月が竜平を慕っているように、彼もまた、月のことが気になるのでした。
――月さんはどこか、捨て猫のような雰囲気をしてらっしゃる……つい面倒を見たくなっちまうっていうか……。
「……とはいえこのまま見過ごすわけにはいかねぇ、ひとつ家まで送っていきやすぜ」
「でも」
「……いいってこってす。遠慮はいけませんぜ。さっきも言ったでしょう? 夜に女の子が一人歩きするのはよくねえって」
それに、と、なんだか照れくさげに竜平は付け加えます。
「まぁ子どもに世話焼くのは大人の楽しみでもあるもんでさ、一つ、あっしのわがままに付き合って下せえ」
ぺこりと頭を下げると、それならばと月も言いました。
「じゃあ、私も松崎さんの買い物にも付き合います」
「いいんですかい? 年寄りの買い物なんざつまらねぇもんですよ」
「構いません。むしろ、楽しみです」
「まあ……そうおっしゃるなら」
そうと決まれば二人連れ、並んでコンビニに向かいます。
しばらく月も、竜平も無言でした。
けれど店の灯りが見えてきたころ、ぽつりと月が言ったのです。
「……おとうさん」
「お父さん……? あっしが?」
さしもの竜平も鳩が豆鉄砲を食ったような顔になりましたが、月は冷静でした。
「……いえ、そういうわけではありません。ただ……私は両親の顔も知りません」
それは、物心がつくより先に『組織』によって暗殺者としての教育を施されたからなのですが、あえてそこは語りませんでした。
かわりに、月はこう言いました。
「ですが……、松崎さんが父親だったら、……きっと、こう呼ぶのでしょう……そんな気がして、つい」
「いや……はは、そう呼ばれるのはなにかくすぐってぇものがありやすね。しかし悪い気はせんものです」
竜平は笑って、それ以上つっこんだことを訊くのはやめておきました。両親の顔すら知らないという月の生い立ちが、気にならないといえば嘘になるでしょう。でも、それは彼女が話したくなったときに話してくれればいいことです。
竜平はうなずいて店を指しました。
「さて、つきやしたぜ。月さん、つきあってくれたお礼に、なにか買ってさしあげやしょう。なあに、遠慮は無用ですぜ」
<< もどる
1
…
4
5
6
7
8
…
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
Tonight, Tonight
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年12月02日
参加申し込みの期限
2013年12月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年12月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!