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ナチュラル・セラピーのおさそイ
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【多層構造】
弾むように軽やか。快適なお買い物を邪魔するほどではなくささやかに、心地よいひと時を控えめに演出するBGM。誰しもどこかで耳にしたことがあるクラシックの名曲をポップなリズムにアレンジしたもので、おとずれるお客さまを包み込むように出迎えてくれました。ひろ~いフロアの吹き抜けから上下を眺めてみれば、たくさんのお店がもうひしめくように連なっているのが見えるでしょう。アパレルショップにコスメショップ、雑貨屋さんに本屋さん。カフェにレストランに、もちろんフードコートだってあります。食品フロアの充実もぜひごらんください! あちらにはペットショップに旅行代理店、病院なんかもずらずらずらりっと並んでおりまして、お客さまの多様なニーズにお応えします。
ここは素敵なわくわくが詰まった、ショッピングモール! ほら、かわいいマスコット人形もこちらを向いて、笑顔を浮かべておりますよ。どなたでもきっと、楽しいショッピングを心おきなくエンジョイ! できることでしょう。
「気味が悪いな。なんなんだ、ここは?」
「また、妙なことに、巻き込まれた……のか? 兄貴のやつ……」
とはいえまあ、
志波 高久
と
志波 拓郎
のご兄弟にはどうやら居心地わるく、お気に召さなかったようですけれど。
高久は眉を寄せて、わくわくなはずのモールをぎろりとにらみつつ見回します。
「明らかに尋常な場所じゃないな。何階建てだよこりゃ」
10階建て? 20階? それとももっとでしょうか。吹き抜けフロアの上下にはとめどなく、果てが見えないほどに階層が多重をなしています。店の並びの奥行も同様に、どこまで続いているのやら、まるで先が見とおせません。
「ったく。さっさと武道のとこ行かなきゃならないってのに」
そう。ふたりはなにもここでのんびり、買い物をしにやってきたわけではないのです。兄弟、
志波 武道
を探しているのです。というかこんな場所へ、自ら足を踏み込んだつもりもありませんでした。連絡のつかなくなった武道を心配し、彼の暮らすアパートでからっぽの部屋をひとつ見回したところで、気がつけばここに立っていたのです。高久も拓郎も、思わずぱちくりと目をしばたかせたものです。
奇怪なのはここが大型商業施設、つまり本来であれば家族連れやカップル、夕食の食材を買い込む主婦、学校帰りの学生たちがフードコートでクレープやらたい焼きやらをぱくつくような光景があっても良さそうなものなのに、まるで人の気配というものが感じられないことです。人っ子ひとり見当たらないばかりか、どこからか誰かしらの声が届くこともありません。聞こえるのは先の軽やかBGMと、電灯のかすかなハム音くらいのものです。
巨大な洞窟へ迷い込んでしまったのと、そう変わりはしません。広大に過ぎる、色味にあふれていながら無味乾燥とした、圧迫感さえ感ずる空虚がまるで、高久と拓郎を押し潰さんとするかのようです。
「いや、待て。なにか聞こえるぞ」
「あそこ。スピーカーがなにか、しゃべってる……?」
拓郎の指さす先にはたしかに吹き抜けの向こう、天井近くの壁に取りつけられたスピーカーがどうも、なにかを淡々と語っているようです。おトクな商品やセールを案内したり迷子の親御さんを呼び出したりする、場内アナウンスでしょうか?
「行ってみよう」
広すぎる空間を、警戒しつつ進みます。決してこの場所が、迷い込んだふたりにとって友好的なようには思えません。
「……なんだ、これは? なにを言ってるんだ?」
はっきりと声の聞き取れるところまで来たところで、ふたりの頭に浮かぶ、なぜ? はとめどなくふくらみました。
……NS社会の弊害と言えましょう。アパレル業界の許されざる罪でもあります。ファストファッションという在り方はその最たるものです。そう、彼らを突き動かすのは流行という名の呪いです。服とは使い捨てるものと位置づけ、ブランドやインフルエンサーの発信するトレンドに便乗せんと次々に新作を売り出しては、流行が去ればためらいなくそれを捨て去る虚ろでおぞましいサイクル。Tシャツ一枚を作るのに、どれほどの水が汚染されるか知っていますか? ナイロンやポリエステル、アクリルといった合成繊維の製造過程においてどれほどのエネルギーを消費し、そのほとんどをまかなう化石燃料による発電がどれほどのCO2を空気中へ排出しているかを、彼らは、あなたは知っているのでしょうか……
「……服を着るな、って言ってる?」
「極論だが、そういうことのようだ」
どこか憮然として言った拓郎に、高久は腕を組みうなずきます。
「モノにあふれたこんな場所で、こんなメッセージはどうにも皮肉だな。しかしまあ、御高説はけっこうだが、今の俺たちには関係ない。武道を探さないと……」
「あ……兄貴! あそこ!」
「どうした、拓郎?」
いつも眠そうにしている拓郎の鋭い声に、彼の指さす先を探します。吹き抜けの階下に、動くもののない空虚なフロアの向こうに、
「武道!」
見覚えある髪のピンと立ち具合、その後ろ姿が見えました。
「いこう……!」
ふたりは駆け出します。吹き抜けに螺旋を描いてめぐるエスカレーターを駆け足で下り、果てしなく続く廊下を駆け、彼を追いかけます。
「おい、待て武道!」
「兄貴……!」
「ははは。あははは」
どうやら彼がフツウではないことは、すぐに知れました。
「武道、おい! お前……なんで脱いでるんだ」
「
だってそうじゃないか、ファストファッションはおぞましい人類の罪だしトレンドに乗って服をとっかえひっかえなんて言語道断の罪深き
、あれ……たかにーちゃん?」
「なに、言ってるんだ……兄貴?」
「たー坊? アレ?」
ぽかんと口を開けた彼は、上着を着ていません。シャツも。鍛えられた細マッチョな上半身を見せつけながら、こくりと首を傾けます。高久と拓郎は思わず顔を見合わせました。
「この場所のせいか? 長居は危険だな。帰るぞ武道、出口を探すんだ」
「あ、いや、ちょっ」
間一髪、というところ。武道の繰り出した手刀の一撃は鋭く、危うく高久の胸元をえぐるところでした。辛くもかすめる程度でかわすことができたのは、アスリートである高久の反射神経と、周囲の異様な風景に神経を張りめぐらせていたからでしょうか。
「く……武道、なにするんだ!?」
「いやだって、待ってよたかにーちゃん、
俺たちはみな文明を享受する咎人で罰されるべきなんだ、すべて脱ぎ捨てて新しい自分を
ちがう、そんなこと言いたいんじゃなくて……お、俺は!」
高久を突き飛ばし、背中へかけた拓郎の呼び声も振り払い、武道は脱兎のごとく逃げていきました。態勢を立て直す高久に追いすがる隙も与えず、脇目もふらずの猛ダッシュです。
「あんにゃろ……どうなってるんだ、まったく。拓郎、追いかけるぞ」
「うん。それにしても、兄貴……」
「ん?」
「高久兄貴に一発入れるなんて。今まで絶対かなわなかったのに……」
たしかに、拓郎のつぶやいたとおり。仲の良い兄弟でもたまのケンカはありましたけれど、高久のゲンコツが一方的に決まるばかりで、武道のパンチなりキックなり手刀なりのカウンターが触れることはほとんどありませんでした。
ふむ、と高久はあごをなぞり、
「あの動き、なにか武術の技か? なるほど、どうやら本気で打ちこんでるみたいだな。もしかしたら、のめり込みすぎてるのが原因かもしれないが」
「?」
「いや、なんでもない。お前には、あいつが話したくなったら話すだろうさ。さて、追いかけないとな」
怪訝そうな拓郎の頭にぽんと手のひらを乗せ笑い、再び駆け出します。まだ遠くへは行っていないことでしょう。
「ふふん。まったく、世話の焼ける弟だ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
定員
3人
参加キャラクター数
3人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年05月12日
参加申し込みの期限
2024年05月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年05月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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