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雛の祭りに思いを馳せて。
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九夜山の裾にある島山梅園を、
七尾 蒼也
が訪れたのは久しぶりの事だ。
(弥生ちゃん、元気にしてるかな)
この所はテスト勉強で忙しかったり、寒さが酷くて外出そのものをしなかったりで、島山梅園には訪れる機会の無かった蒼也だ。そうこうするうちに春も近付いて、ひな祭りがやって来て――実家の妹の事を思い出して。
そう言えば、と島山 弥生の事を思い出した。これまでにも何度か、妹を思わせる弥生の事は会うたびに気にかけていたから、1度思い出せばなんだか、そわそわとした。
今日は家に居るだろうかと、ゆえにひな祭りにちなんでひなあられを手土産に島山梅園を――その敷地内にある島山家を訪れれば、幸い弥生はもちろんのこと、一家そろって在宅していて。
「やあ七尾君、いらっしゃい。今ちょうど、弥生とひな祭りのお祝いをしてたんだ。良かったら上がって行かないか?」
「あ……じゃあ、お邪魔します」
玄関まで出迎えてくれた弥生の兄、島山 久幸にそう誘われた蒼也は、少し考えてからその誘いを受ける事にした。以前にバイトで訪れた時とは違う、如何にも家族で暮らしている家、といった雰囲気の玄関を通り抜けて廊下を辿り、通された広めの座敷には腰の高さほどの雛壇と、塗装が剥げて味のあるひな人形が並んでいて。
その前にぺたりと座り、人形の1つを両手にとって指先で形を確かめていた、弥生が蒼也達の方へと顔を向けた。
「お兄ちゃん、お帰り。遅かったね。――お客様?」
途中でこくりと首を傾げ、何かを探すように顔を動かす弥生の瞳は、相変わらず何の像も映す事はない。そんな弥生の前にしゃがみ込み、まずは驚かせないように少し間を取ってから、蒼也は柔らかに声をかけた。
「久しぶり、蒼也だ。元気だったか」
「蒼也さん。はい、お久しぶりです」
そんな蒼也の声のする方へと、弥生は真っすぐ顔を向けて微笑む。そんな弥生の手の中の人形を見下ろして、それは女雛だな、と言葉を添えた。
弥生のように目の見えない人用に作られたものかは不明だが、この雛人形は最初から触る事を想定して作られているようだった。触ると危ない引っ掛かりは殆どないし、繋ぎ目も極力少なくなっているのが判る。
子どもの頃からずっとこの雛人形なんだと、久幸が補足した。ふふ、と弥生が微笑む。
「指だけでも人形が当てられるんですよ。1年に1回しか触らないから、来年には忘れちゃうんですけど」
「そうなんだ。――それ、俺も触ってみても良いか?」
「はい」
いきなり触ったりしないよう、声をかけて許可を取る蒼也に弥生は、にっこり頷いて人形を差し出した。声を頼りにしたのだろうが、方向は正確だ。
ありがとうと受け取って、何度も触られてきたのだろう雛人形を指先でさする。恐らく触られ過ぎてすり減ったのだろう場所も、弥生達が積み重ねて来た時間の証だ。
こういう人形も良いな、と弥生にまた声をかけて渡しながら、笑った。
「5月に男の子の節句はあるけど、あれは子供の日で男女両方休みだろ。女の子の祭りがあって豪華なひな人形とかあるのがうらやましくってさ」
「そうなんですか?」
「ああ。妹がお祝いして貰ってるのを見ると、さ――って、そう言えば弥生ちゃんって3月生まれなのか?」
「そうなんです。3月に生まれたから弥生なんだ、ってお父さんが」
尋ねた言葉に、弥生がにっこり頷く後ろでは「判りやすいだろうが」「単純だって言われてんだよ、親父」と言い合う親子の姿が見えたが、蒼也は礼儀正しく見なかったふりをする。――が、弥生には気付かれたようで、いつもの事ですと苦笑い。
そうなんだな、と蒼也も苦い笑いを浮かべた。だが、仲が良いらしいのも過去に見知っては居るから、喧嘩するほど――というやつか。
ゆえにそちらは放っておいて、弥生に誕生日はいつなのかと尋ねれば、3月15日だという。
「そっか。じゃあ、誕生日にほしいものとかあるかな? 高いものは無理だが食べ物とか、手触りが癒されるぬいぐるみとかなら、俺もバイトしてるし買ってあげられるぜ」
「えっ、でも悪いです。ひなあられも貰ったし」
「それは手土産。プレゼントとは別だろ。――まあホント、高いものは無理だから」
気にし過ぎなくて良いのだと、告げればしばらくうんうんと考え込んでから、「CDでも良いですか……?」とおずおず尋ねた。彼女の好きなアーティストが先日、アルバムをリリースしたのだという。
限定版とか複数枚組のごついのなら無理かもしれないと思ったが、幸い、蒼也の予算内で買えるものだった。ならそれで、と頷けば嬉しそうにぱっと顔を輝かせてから、大丈夫かな? と心配するように家族が居るだろう方へ顔を向ける。
そんな弥生を安心させるように、大丈夫よ、と母の杉子が言った。それから蒼也に「すみませんね」と頭を下げる。
といって、こちらから言い出した事だ。本当に気にしなくても良いですと杉子にも首を振り、蒼也は弥生と他愛のない会話を重ねる。
「弥生ちゃん、4月から中3なのか。勉強とか大丈夫か?」
「友達に教えて貰ってはいるんですけど。――難しいとこもちょっとあるけど、どうにか」
「そうか。いや、俺も家庭教師できるほど優秀じゃないんだが、ちょっとなら教えられるかな、って」
「そうなんですね。じゃあ、また判らない所があったら教えて下さい」
蒼也の申し出に、にこにこと嬉しそうな弥生を島山家の人々は、眩しいものを見るように目を細めてただ、見つめていた。――弥生にとっては滅多にないフツウの光景を、しっかりと目に焼き付けるように。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
12人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年05月08日
参加申し込みの期限
2024年05月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年05月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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