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LIQUID -Star Chronicle- 最終決戦
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【サイドクエスト『未知なる探求』 心臓<エンジン>(4)】
「ところであなたは、どうして私たちを友人と呼ぶの?」
ロサヴィアの問いは素朴なものだったが、ある種の核心でもあった。
「海を奪われたのなら、人間はあなたたちにとって敵のようなものじゃない? 実際、大昔には戦争もあったというし」
「そうそう。ハルコンさんが言ってたなー」
うなずき、マシロも怪訝そうに眉を寄せる。
少年の答えは簡潔だった。
『友人さ。あらたな同胞と呼んでもいい。レルムにおいて、いまや月の民と君たちは、
共生関係にあるのだから
』
侵略戦争、しかし事実は過酷にして後戻りのできぬ、生存を賭けた最後の戦いでもあった。その果てに月の民は破れ、自ら力も意思も放棄し、惑星を包む海へ川へ湖へと還っていった。月の民と同じくして、リキッド大陸に暮らす人々もまた水なくしては生きられない。水はあらゆる土地を流れ、星中をめぐり、循環する。彼らは混然一体となり、今にいたるのだ。
『さて!』
ぱちりと、少年は手を叩いた。
『昔話はこれにておしまい。ここからは未来の話をしよう』
「未来って?」
マシロへ片目をつむってみせながら、少年は窓の外を目線で示す。窪地へ流れ込む海水の流れへ、エンジンがうなりを上げて碧緑の輝きを与え、外の海へと押し上げている。
『君たちが<魔法>と呼ぶ力。その源がいかなるものか、考えたことはあるかい』
リキッド大陸に普遍的でありふれていながら、唐突な言葉に聞こえた。魔法。宇宙船、星々の海を旅してきた者たちの話のさなかに飛び出すには、少し異質だ。
「いかなる、ってそりゃあ、魔力を消費して」
「……まさか」
ストーリーテラーとして魔法を行使するマシロには近しいもので、かえって気がつかなかったかもしれない。ロサヴィアは彼のいわんとするところを悟ったようだ。
「水に溶けた、月の民……?」
『そのとおり。魔力とは、意思なき月の民の残滓。水という水に存在し、絶えず生命をめぐる彼らこそが魔法の源、というわけ』
エンジンが怒涛の奔流を取り込み輝かせる、あの深く青みがかった緑。外海へ押し出された光はリキッド大陸のあらゆる場所へ浸潤し、流れに乗って再びここへ戻る。もはや推進力としての役割を失ったエンジンが、今は魔法に満ちた世界を形作っているのだ。
『そこで、これだ』
「これ? どれ? あ、このスイッチのこと?」
マシロの眼前、ホログラムコンソールの一角に、ゆったりと明滅を繰り返すボタンがあった。
『レルムをめぐり、世界の在りようをその目にし、ここにたどりついた友人たちへ、僕は決まって同じことを尋ねるんだ。君たちがそうしたいのなら、これを止めてもいい。さあ、どうする? ってね』
これ、とはつまり、魔力の源たる碧緑を大陸中に循環させる、エンジンの営みだろう。
『永久機関だからこれらが稼働を止めることはないけど、正直に言えば経年劣化は著しくてね。僕はエンジンを統括する権限を持つけれど、かなり壊れているんだ。衝突の衝撃も痛手だった……僕自身の手でこれを止めることは、もうできないんだよ』
「だから、私たちに止めろと? でもどうして? エンジンを止めたら……」
「ええと。どうなるの?」
『月の民の力の残滓を、いわゆる魔力として活性化させる循環機構は無効化される。僕のもとになった月の民はね、ずうっと考えていたんだよ。共存の在り方についてね。あまりに一方的すぎやしないか? って。対話もなく同意もなく、彼らの気づかぬままひそやかに進められたそれを、果たして共存と呼べるのか? と』
人は十人十色だ。人間は言わずもがな、外の世界から破滅を逃れてやってきた彼らもまた、思想の相違による不和や派閥主義といったしがらみからは逃れられなかったのだろう。
「月の民も、一枚岩ではなかったということかしら……」
急進的な共存を貫いた一派がいたいっぽうで、そこに異議を唱え、抗えぬと分かると緊急停止措置を悟られぬよう仕込んだ者もいた。それがどうやら、少年の言うスイッチであるらしい。
『墓守の役目にも少々飽いてね。かといって責任を投げ出すほどに疲れているわけでもない。けれど友人、もし君たちがそう望むのなら……共生関係は、今日限りとしてもいい』
マシロもロサヴィアも眉をひそめて、顔を見合わせた。スイッチひとつ、指先ひとつで、リキッド大陸から魔法と名の付くすべてが煙のように消え失せる。
たとえば国の為政者ならどうするだろうか、サイディア国王なら? コーフィルの部族長なら? ワインツ帝国の圧政に革命を叫んだリーダーならば? なんにしろ、一介の冒険者ふぜいには重い判断に過ぎた。
そう考えてふと、マシロは彼の言葉を思い出した。あの
手紙
を。
「……ハルコンさんは、なんて?」
『ハルコン。ああ、あの友人もここへ来てくれた。世界の全て、真実に触れて昂揚しながら、どこか安堵したようにも見えたよ』
「彼はなんと言ったの? そのスイッチを前にして」
ロサヴィアも旅の節々に彼と邂逅した。未知なる探求、その冷めやらぬ原動力はほかでもない、彼からもたらされたものと言って過言ではなかろう。
『なにも』
ややあって、少年は首を振った。
『彼はなにも言わず、ただうなずき、満ち足りたようにあの渦を見つめて、そうして去っていったよ』
窓の外、渦は激しくまわり、取り込んだ流れを鮮やかに美しく輝かせ、大陸をあまねく満たさんとして送り出し続けている。止めどなく、悠久の時を経てなお続く、これからも永劫続いてゆくのかもしれない、世の理。世界の営みだ。
『僕は彼の決断を尊重するけれど、友人、君たちが彼にならう必要はない。己の心の導くまま、決めてくれればそれでいい。それが僕の望みだよ』
ふたりは黙したままひと言も発せず、しばし思案に暮れた。少年は今さらどれほど待とうと構わないと、悠然として待ち続けた。
数時間だったか、それとも数十分に過ぎなかったのか、あるいは数分程度であったのか、もはや分からなかったが、ともあれしばらくの後。ロサヴィアの首肯に後押しされて、マシロは告げたのだった。
「決ーめった!」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年05月06日
参加申し込みの期限
2024年05月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年05月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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