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ヒゲ猫ペンシルと、魔法商店街の奇妙な面々
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【やってくる】
ペンシルは街を眺めていた。時に尾を振り魔法を指南してみせ、時に頭やら背やらを撫でられるままにしながら、目を細め彼らを見つめていたよ。
「うーん。閉まったままですね」
「そうね……」
稲積と佐和崎の前で、土産物屋のシャッターは下りたままだ。魔法の錠までかけている。やれやれ、いつものパターンだ。こうなると長いのだ、犬塚は。
「悪いひとには見えなかったんだけど……」
「ちょっとカッコいいですしね。でも、狼男かあ。獣の本能ってやつなのかな」
「あ、いたいた。紗月! 魔法教えてもらった? あれ、どうかしたの? しょげた顔して」
揚々と駆けてきた初瀬川へ、ふたりはなんとも形容しがたい戸惑いを浮かべたものだ。
ペンシルは歩き出す。犬塚もしばらくすれば再び顔を見せるだろう。来訪者たちとの交流もやがて修繕され、適切な距離感というものを双方学ぶはずだ。
電気店の扉をくぐり室内へ入り込むと、重苦しい空気のなかに電子音と、ボタンを打鍵する小刻みな音が響く。山田はゲーム機に目を落としたまま液晶の光を浴びており、かたわらで杖を突き出す志波とヒューバートの所作は様になりつつあった。
唐突に、破裂音がまざり込む。
「よっ。ほっ! あ、出た。出たヨー、致命の魔法!」
「すごいな、小石がこっぱみじんだ。やったな、志波くん」
「ヒューバートももう少しやろ、すぐに大岩くらいブッ飛ばせるようになんで。志波もようやったな、それと、あー」
バツが悪そうに頭をかいて、山田はゲーム機に顔をうつむけたまま、ぼそりと言った。
「さっきは、その。スマンかったな。ウチも本気でおこるつもりはなかったというか、ちょっとだけキレてもうて、ほんのちょっとやで? 普段はそんなこと、ないんやけどな……」
したたかで気のいい彼らだ、心の底からおびえたわけではないだろう。ヒューバートは安堵とともにうなずき、志波は満面の笑みを浮かべながらに親指を立てた。
電気屋を出、ふたたび街をめぐる。雑貨店『たそがれ屋』の前では、片夏がひとり物思いに暮れていた。
「胸の内にたしかな己を置いておけ、か。変化をする者は、術に己を流されてはならぬ……」
夕顔の素顔を知る者はもはやない。あやかしの術やら魔法やらにとどまらぬ、彼女なりの教訓として片夏らにも伝わったことだろう。
大通りをゆくのは、倉前とブラックウッドだ。
「ずいぶん買ったねえ、七瀬。ていうか買えるんだ、日本円で」
「ウォルターさんへのお土産にって。ウォルターさんもここにいるとは思わなかったので。やけん、半分もらってくれません?」
「いいの? へえ、なんだかおもしろいものばかりだねえ」
綾辻に早川ももはや商店街へなじみ、仲むつまじく店々をまわっている。ウィンドウショッピング中の城山も、後にヒューバートと合流しそぞろ歩くのだろう。
商店街にひさしくなかった活気や微笑ましい恋人たちの手つなぎを、ペンシルは静かに見つめていた。
「やあ。ペンシル、だったな」
道にたたずみ霊界の空を見上げていた八神が、やってきたペンシルを見つけて声をかけた。
「ここは面白いところだな。あおいにも見せてやりたかった……が、この後に待っているという戦いを思うなら、ここに彼女の姿がないことを喜ぶべきか」
独白めいてつぶやく。
「俺は寝子島で、たくさんの動物たちに囲まれて暮らしていてね。猫ももちろんいる。ペンシル、君のこともよく知りたいものだ……おっと」
会釈をひとつ残し、ヒゲを震わせながら去るペンシルを、八神はふられてしまったかな、と苦笑いまじりに見送った。
不本意ながら街の中心となった姿見を、長いこと憎々しく思ってきた。鏡映しの空へまたたくあの星を。今まさにぎらついてこちらをのぞき込む、星のふりをしたあいつの瞳を。
しかし近ごろ、考えることもないではないのだ。鏡に星が輝くからこそ、我が魔法商店街にはあやかしが集い、人間が集い、多くの出会いを生んできた。街の者たちの生を演出し、深く色濃い体験として刻み込んできた。光が強いほどに影も濃くなろうが、影が濃いからこそ光もまた強まり、あるいは多様な色彩をおびて鮮やかに色づくのかもしれない。
街の者らは無論、そんなたわごとを認めまいがね。
「やれ、今回も始まるかい」
「はーめんどくさ。僕はただ、あの子たちとよろしくやりたいだけなんだけどねー」
軽口を叩き合う夕顔も白檀も、あれのもたらす滅びを受け入れるつもりはなかろう。犬塚や山田にしてもそう、街の連中も同じだ。
"遠きもの"の支配を塵ほども霊界に、許しはしない。
「やってくるね」
「ああ。やってくるよ」
鏡に像を結ぶ霊界の空、一点のまがまがしき光をのぞく彼らの頬を、砂まじりの赤い風が強く薙いでゆく。
「
"Lore(ロア)"
がやってくる」
そこへ混じる戦いのにおいを嗅ぎとり、ペンシルは長く低く、咆哮めいて鳴いた。
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あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷幽です。『ヒゲ猫』第一回目のリアクションをお届けいたします。
ずいぶん前から考えていたお話でして。ガイドのペンシルの絵を描いたのも、何年前だっけ? というレベルだったりします。うまくシナリオとしてまとめるのに、ずいぶん時間がかかってしまいました。
ようやく公開することができて、ほっとしています。
次回からは本格的に、奇妙な魔法バトルが展開するのではないかと思います。
ヘンなお話だったり、ホラーっぽかったり、ときどき不穏だったりしますけれど、お楽しみいただければ幸いです。
よろしければ次回もまた、お付き合いくださいませ。
それでは、ご参加いただきましてありがとうございました。
次のシナリオでまたお待ちしております~。
お疲れさまでした!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
冒険
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年04月07日
参加申し込みの期限
2024年04月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年04月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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