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【"予言"】
片夏の興味は尽きない。彼女もまた狐でありあやかしであり、父ゆずりの変化の術に長けたが、それでも夕顔の腕前は目にまぶしく映るようだった。
「素晴らしい変化の術を修めながら、魔法までも扱うとは。この店の外観と内部の広さが一致せんのも、魔法じゃろうか」
「まあね。霊界じゃあよく見るワザだがね」
「しかし、お得意なのは"予言"の魔法じゃったか? 以前にお会いしたとき、あなたは別れ際、足元には気をつけろと言った。その後に駅で、儂は小さなあやかしに気づかずつまずいてしまったのじゃが、あの忠告もやはり魔法であったのか」
「いんや。あそこの駅員の家鳴どもはおっちょこちょいでねえ、よくひとのまたぐらにもぐりこむんだよ」
「ああ。そういう……」
さておき。片夏の抱く興味は魔法へも向いた。あやかしにとっても物珍しいものだろうし、無理もなかろう。杖を選ぶ片夏の瞳は、年若いあやかし相応にきらめいていた。
ともに学ぶのは倉前と城山だ。
「ええと、ちょっと質問が。サキ……いや、あやかしだし年上なら、サキさんのほうがええですか」
夕顔は先ほどまでからくらべて童女の姿に縮んでいたから、人間の慣習や通俗に照らし合わせれば惑うところではあろう。もっとも数刻もすれば気まぐれに大きくなったり小さくなったりと変化しているのだろうが。なんにせよ気にせぬたちだから、倉前の問いには、好きに呼びなと気安く返した。
「そうですか、じゃあサキ。さっき、まほうせん? について説明がありましたけど」
ちなみに倉前は両手に買い物袋を提げていた。寝子島への土産だそうだ。彼はそれをよいしょとつぶやきながらに置き、疑問を述べた。
「解析して、変質させて、致命を叩き込む。でしたよね?」
「あ、そういえば。予言の魔法はどんなふうに役に立つの?」
城山も同意し首を振る。
予言の魔法だ。予言だぞ! なにができるか? 答えはなんでもできる、だ。
「中央広場の姿見を見たろう。あれに映り込む空へ星が輝いたら、敵がやってくる。あたしの見立てじゃあもう間もなくさ。そいつをぴたり言い当ててみせるのが、役割のひとつ」
「その敵とやらと戦うために、私たちはここへ呼ばれたっていうわけ。どんなやつなのか教えてもらえないのがすごく不安なんだけど……」
「まあ、あちらにもなにかと事情があるのじゃろう。して、ほかの役割とは?」
「そりゃあいろいろ役立つさ。考えてごらんよ。あんたを憎む筋骨隆々のいかつい鬼が目の前にいたとする。身長はあんたの三倍ってところかね。あんたならどう戦う? あんた、どう攻める?」
「鬼ですか? そもそも、勝てる気がせんとですけど……」
「それじゃあ、こうだ。そいつが次にどっちの腕でどこをブン殴ってくるか、その次にゃどっちへ動いてどんなケリを繰り出してくるか。そん次には突撃から組み付いて力まかせにブン投げようとしてるのか……ぜーんぶ、あんたにはお見通しだったとしようじゃないか。どうだい、少しゃあ勝負になるってもんじゃないか?」
実際のところ、街に息づく魔法を寝子島なり人間の世界へ持ち帰って活用したという話は聞かない。そう万能ではないらしい。なんでもできるはいささか盛りすぎだが、しかし予言が魔法戦にどれほど役立つのかは言わずもがなだろう。万馬券を言い当てることを除けば、大体できる。
「ま、問答ばかりじゃあ伝わるまいよ。ともかく、杖を選んでおくれ。あたしの講義が始められないじゃないか。そらさっさと、直感に従って選ぶんだよ」
短杖長杖、それぞれに好みを選び出すとさっそくに、振り方からレクチャーに入った。
卓にはみっつのカップ。みっつのボールは異なる三色に塗り分けられている。
「どうぞ、杖を振ってみて」
「ふんぬっ! 見えた! 左から青、赤、緑じゃ!」
「ひとつ正解、緑赤青よ」
「むうっ、惜しいのう。ままならぬものじゃなあ」
これは講義の初歩の初歩だ。杖が導くぼやけた像を当てずっぽうで答えれば的中もしようし、かすりもせぬこともあろう。夕顔は? もちろん外すことはないだろう。
片夏は杖を幾度もひるがえし、
「しかし、集中し像が結び答えを導き出せるまで、時間がかかりすぎるな。鬼が腕を振り上げるのが見えたとて、それを振り下ろすまで待ってはもらえんじゃろうな」
「そこが鍛錬のしどころというわけね」
城山も前のめりに熱中している。彼女は……どうやら今は、恋人と離れて没頭する時間が気安いようだ。そのような時もあるだろう。愛とは移りゆき形を変えるものだ。ひととき分かたれたとて再び融和し、新たな形を見い出すことでかえってかたく結びつくこともある。なに、一般論だよ。
「あやかしさんは魔法だけじゃなくて、不思議な力も使えるとですよね?」
えい、とお、と抜けた声で杖を振る倉前が言った。
「片夏さんは、変身の術を使えると。便利ですねえ」
「うむ、まあの! それほどでもあるがな、父上仕込みの変化術は! ……とはいえ、儂もまだまだじゃ。夕顔どのの腕前にはちとかなわぬ」
「ほあー。そんなにですか」
うむ! と力強く片夏はうなずいた。
「実に見事。あれほどに精密かつ大胆な変化は、儂の里でもなかなかお目にかかれんのう。ああいや、今はな、今はまだ! いずれは儂のが優れてると言わせてみせるのじゃ、父玉水の名にかけて!」
「ほあー」
片夏はともかく、力持たぬ倉前や城山が霊界へこうして足を踏み入れ、驚き取り乱すでもなくところかまわず怒り狂うでもなく、すんなりと受け入れ杖を振るっているのはどこか奇妙だが、そうしたしたたかさを備えるのもまた人間だ。
「野暮ったいねえ。そんないいもんじゃあないさ」
カウンターの奥で手なぐさみにカードを繰っていた夕顔が、おっくうそうな声色を隠さず口をはさんだ。いつのまにやら女学生のような姿になっている。
「ひらなつ村の嬢ちゃん、真似るなら父親にしておきな。倉前に城山、あんたたちもね、己の分ってもんをわきまえるのが肝心だよ。のめり込むのはいいが、胸の内には一歩引いた自分を常に置いておくもんだ」
「? それって、どういう意味かしら」
怪訝そうな城山の問いへの、夕顔の返答はこれ以上になく……そうだな。効果的であったことだろう。
「酔うのさ。持ちなれない力なんてもんを持つと、そいつにね。己の分相応ってやつも忘れて、脇目もふらず突っ走って、次から次へと姿を変えて、しまいにゃあ」
夕顔は己の顔を手のひらで覆い、ついとなぞった。倉前も、城山も、片夏でさえも息を止め、呼吸を忘れた。ぴくりと身を震わせたのは背に這いのぼる、冷たい悪寒がためであったかもしれない。
「自分の本当の顔まで、忘れっちまうかもしれないよ。ねえあんたたち。そんなふうにはなりたかないだろ?」
自嘲めいた笑みをあらわすはずの面の中央にはぽっかりと、真円にして深淵のごとき黒い穴が口をあけ、隙あらば彼らを飲み込まんとしてか渦を巻いていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
冒険
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年04月07日
参加申し込みの期限
2024年04月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年04月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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