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●森の教会
ステンドグラスから差し込んだ光が、教会の床を色鮮やかに染めていた。
「思ったよりも小さいけど、とっても綺麗だね」
「そうだねえ」
あまりにも美しい光景に、柚春は荷物からворを取り出し、記念撮影をした。
進んだ内部にはごく一般的な教会がそうであるように、講壇があり、木製の会衆席がある。隅には古いオルガンが置かれており、鍵盤を押してみると、それなりの音がした。
「ここで疑似結婚式とかできたらよかったのに」
「それは人気の体験コースになりそうだねえ」
「……そういうこと、ワットもしてみたい?」
つい気になって、柚春はウォルターに尋ねた。
といっても、顔を見て聞くことはできなかったし、『僕と』と付け加えることもできなかったのだが。
「僕は……あくまで今の考えだけど、別にしなくてもいいって思うな」
特に理由を告げることもなく、ウォルターの言葉はそこで切れた。
そうなると先を続けにくい。
「そっかぁ」とだけ返し、柚春は受付でもらった恋人証明書を入れた鞄に手を置いた。
(じゃあこの証明書も、別にいらないって思うかな……ワットは。でも、僕はやっぱり……)
「ねえ、ワット」
意識して明るい声を出して、しかし覚悟を決めるような気持ちで、柚春は鞄から、証明書を取り出した。
「僕、これをワットと一緒に書きたいんだ」
「……恋人証明書?」
用紙を見て、ウォルターが目を細める。
その表情は、柚春の行為を歓迎しているわけではなさそうだ。
案の定、ウォルターは告げる。
「公的書類じゃないみたいだから、これを書いても、なんにも変わらないよ?」
「わかってる」
柚春ははっきりと返事をした。
ただ、書かないことに納得したわけではない。ゆえに、こう続けた。
「公的の証明書でないからこそ、今のワットと書きたいんだ」
不思議そうな表情を、ウォルターは見せる。
その目は「変わらないのに意味があるの?」と語っているようだった。
(そうだよね。そんな気はしてた。さっき、結婚式の話をしたときに)
ただ、諦められない。諦めたくなかった。
「卒業すれば、付き合えるかもしれない。大人になったら結婚してるかも。もちろん今でも、そうなったらいいなと思ってるよ。でも、それは全部未来の話だよね」
「そうだねえ」
ウォルターはうなずいた。
(その「そうだねえ」が『付き合えるかも』『結婚してるかも』に対する答えだったらよかったのに)
それなりの時間を過ごしているからわかる。
ウォルターは『全部未来の話』と言うことに対してだけ「そうだ」と言っているのだ。
(ワットは、いつも明確な答えをくれない)
いつだって、のらりくらりと柚春の願いをかわしてしまう。
(それならいっそ、迷路で探してくれなくてよかったのに)
柚春は身体の横で揺れる手で、ぎゅっとこぶしを握った。
「16歳の僕は、恋をしちゃいけない? 純愛を越えてしまったら、ワットに迷惑がかかるのはわかってるけど……好きな人と思い出を作るのはそんなに悪いことなの?」
思いのほか、低い声が出た。
泣いたらダメだと思うのに、声が震えてしまう。
ウォルターは、困った顔をした。
(きっと僕のこと、聞き分けの悪い子供だって思ってるんだろうな)
そう思うと、余計に悲しくなってくる。
でも、なにも言わないウォルターに、どうしても気持ちを知ってほしかった。
「本当の恋人って誰かに認めて貰うためじゃなくて、僕がワットと一緒に過ごした証が欲しいんだ……ダメかな」
「……柚春が不安定なのは、僕のせいだよねえ」
質問の答えではないことを、ウォルターは言った。
「そんなことが聞きたいんじゃないよ」
「うん、わかってる。柚春はいつだってまっすぐだ。まっすぐで、全力で、すごいなって思うよ」
「だから、そんなことが聞きたいんじゃっ……」
ない、と続けようとして、柚春はやめた。
言い合っても無駄だと思ったし、自分ばっかりが好きな気がして。
「今この瞬間の恋人証明もダメなんだね」
「今この瞬間だけ証明して、なんになるの?」
ウォルターが告げる。
その言葉は暗に「未来だって欲しいんでしょう?」と言っているようだった。
(そうか、未来につながるから、今の証明もダメなんだ……)
だとしたら、頑なに未来の約束をしないウォルターが、柚春の願いを受け入れてくれることはないだろう。
柚春は、恋人証明書を鞄にしまって言った。
「……敷地内に、お土産物やさんがあるんだって。一緒に行ってくれる?」
「それはいい……けど」
急に変わった話題についてこれないのか、ウォルターが気まずい顔のまま答える。
(ここで見捨てないのがワットの優しさ……っていうか、ひどいところだよね。ずうっとそうだった。僕のやりたいようにさせてくれて、気持ちにもそれなり応えてくれて……)
証明書がなくても、今この瞬間一緒にいるんだからいいでしょ、と、ウォルターは考えているのかもしれない。
そんな紙切れの証明よりも、一緒にいることのほうが大事でしょう、と。
お互いに贈りあったピアスをして、一緒に旅行に来て、バラを選んで……。
そこまで考えて、柚春ははっと気がついた。
(そうだ、ワットは僕に、何色の、何本のバラを選んでくれたんだろう、楽しみのような、こわいような……)
土産物屋に向けて歩く途中に顔を見るが、ウォルターはただ進行方向を見ているだけだ。
(こんなことになるなら、証明書の話なんてしなければよかった? ワットが答えをくれるまで待てば……でも待ってたら本当に答えを貰えるのかな)
「……もうわからないよ。本当に信じていいのか……」
無意識に呟いている。聞こえただろうウォルターは、何も言わなかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬田一稀
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年03月23日
参加申し込みの期限
2024年03月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年03月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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