this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
二月の魔法は春を呼ぶ
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
…
28
つぎへ >>
複数のスクリーンをもつ映画館、すなわちシネコンに到着した。
「これです」
綾花は映画のチケットを取り出した。カード状、タイトルが書かれただけの簡素なつくりだ。しかもペアチケットとある。R15指定(十五歳未満禁止)なのが気になるところだ。
今日のメインはここなのである。すべては綾花が、友人から招待券をもらったことがきっかけだった。デートに使って、という意図でプレゼントされたものであることはまちがいあるまい。なぜならその友人はこれを手渡すさい「頑張ってね」と告げて意味深な笑顔を見せたのだから。楽しんできてとか感想聞かせてではなく、頑張ってとはどういうことなのか。
綾花はあまり映画に詳しくない。珪も同様で、タイトルを聞いてもピンときていないようだった。どこかで聞いたようなタイトルだったせいか記憶にも残らず、事前にネットで調べることもないまま映画館まで来たのだった。
「映画はミステリーのようだね」
劇場入口のポスター、これを見ながら珪が言った。アメリカの作品だ。こちらに背中を向けている男性に、正面をむいた女性が腕を回している。女性はセクシー系の美女なのだが視線が鋭い。殺人とか犯人とか、物騒な惹句がならんでいた。吹き替え版ではなく字幕版らしい。
よかった。
綾花は内心安堵した。ミステリーなら好きなほうだ。図書館で推理小説を手にすることもある。
なによりホラーではなかったのは本当に助かった。「頑張ってね」の意味を「最後まで頑張って観て」と解釈すれば、とてもではないが正視にたえないようなエグい場面がつぎつぎ襲ってくるのではないかと不安だったのだ。ゾンビがわらわら出てくるとか、でなければゾンビが走ってくるとかゾンビが津波に乗って押し寄せてくるとか(なぜ全部ゾンビなのか)。考えようによってはホラーは珪に抱きつく理由を安定供給してくれるジャンルでもあるが、怖すぎるものであれば状況を楽しむ心のゆとりなどない。
「そろそろ時間だね」
入ろうかと珪にうながされ赤い絨毯を踏む。寝子島のシネコンはまるで王宮のようなラグジュアリー感が特徴なのだ。
行列ができるほどたくさんいた観客が、入場ゲートをくぐってそれぞれのスクリーンへと別れていく。親子連れ、ひとり客あるいは三人以上の集団、いずれもアニメやアクション映画などがかかるスクリーンを選んだ。綾花たちと同じ映画を選んでいるのはカップルばかりのようだ。
上映室に入る。中規模の広さ、席はやや後方のペアシートだった。間の仕切りがなく、三人でも座れそうなほどゆったりした空間だった。シートも革張りだ。
客電が落ちた。
広い座席だが当然のように、綾花は珪との距離を詰めて腰を下ろした。それこそしなだれかかるように。
暗いから寄り添っても人目を気にせずいられるから嬉しいです。
まもなく、スクリーンにかかったカーテンが音もなく左右に開いた。
広告に予告編そして、顔がカメラの男が顔がパトランプの男と追いかけっこするコミカルな短編(盗撮予防キャンペーン映像)をはさんで映画本編がはじまった。
たしかにミステリー映画ではあった。
しかし綾花はすぐに気がついた。
ミステリーの上にエロティックという言葉を冠すほかなさそうだ。
絶世の美女がためらいなく脱ぐ。下着も捨て去り全裸になる。相手役の男性を挑発し、シーツの海へと誘いこむ。大胆なのは彼女のほうだった。スクリーン映えする完璧な肢体を見せつけながら、彼にのしかかり激しい動きで蹂躙する。舌が絡みあう水音、ベッドのきしむ音すら館内にこだました。もちろんストーリー上の必然性あっての描写だが、あまりに官能的すぎて、綾花は心のなかできゃーきゃー言いっぱなしだった。
かつて夢? で見たような――。
鼓動が早くなる。
既視感だ。銀幕内の彼女と彼が、自分と珪のように思える場面が何度もあった。
さっきまで下着のこと、話してたからかもしれないけど。
いつのまにか男優の顔が珪に思えてしまう。
遠くない未来の光景だ。綾花は珪と結ばれひとつ屋根の下に暮らし、夜のおとずれを待って夫婦としてひとつに溶けあった。
彼の舌づかい、撫でるような動きから吸い付くように弄(もてあそ)ぶ様。
したたる汗、蒸気がたつような口づけ、そして、
「子どもを作ること……意識してもいいかな」
聞き覚えのあるセリフ。
字幕を追う目を疑ったほどだ。
珪さん、どんな顔しながら観てるかな。
綾花としては気になるところだ。だがなかなか、珪の様子を確認する勇気は出ない。
ようやく一瞬、珪を盗み見たところなんと彼と目が合ってしまった。
あっ。
慌ててスクリーンに目を戻し、綾花は唇に笑みを浮かべた。
珪さんも、ちょっと困っていたようですね。
それとも私と、おなじ既視感を味わっていたのかも。
照れのあまり劇場から飛び出したくなる場面もあるにはあったが、綾花は席を立たなかった。
映画を途中で帰るのは良くないですし、今後の参考にもなりそう……ですし。
もちろんエロティックなばかりの映画ではない。物語は波乱に富んで面白く、犯人と思っていた人物が終盤に死ぬなど驚きの展開もあった。やがて明確な解答はあかされぬまま疑問を残して幕を閉じたのである。真相は観客それぞれの解釈に任せるということだろう。ずるいといえばずるいかもしれないが、確実に心に残るストーリーテリングではあった。
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
…
28
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
二月の魔法は春を呼ぶ
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年03月17日
参加申し込みの期限
2024年03月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年03月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!