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ランチはあらかた片付いた。
「ああ美味かった」満足げに言って、「カレーって体温上げるんだよな。あちー」寛美はジャージの上着を脱いだ。
本当に暑いらしい。あらわれた白いTシャツも汗でびっしょりだ。
あっ!
誉は必死で声を抑えた。
見えてしまった。
額に汗が浮く。罪悪感が半分、そして、残り半分は胸の高鳴りで。
誉とて健康な男子、とっさに目がいってしまったことを責められようか。
……透けてた。
あわてて目をそらせたが記憶には鮮明に焼き付いてしまった。
薄手のTシャツごしにはっきり、寛美のブラジャーが見えたのだ。
彼女のことだからスポーツブラとか、ひょっとしたらサラシとか、とかく簡易なものかと思いきや、意外といっては失礼だがレース飾りの美しいブラだった。肩紐はなくハーフカップ、見えた状況が状況ゆえ、よりセクシーに感じてしまう。
そんな誉の様子に気づかない様子で、寛美は手にしたカップから紅茶を飲んでいる。
勘づかれないようにしよう。誉は自分の気をそらせる意図もこめて話を振った。
「この間の質問だけど……」
「ああ、進路の話だよな。市橋の」
バレンタインデー前日の話だ。寛美が就職し、寝子島に残ることは聞いた。しかし誉はそのまま、勢いを得て告白に踏み切ったので進路の話が吹き飛んでしまった。
「木天蓼市内の音大に合格した。ピアノ専攻だ」
「おう、そいつはめでたいな。でも」
引っ越すのか、と怪訝な顔をする寛美に慌てて言う。
「いや、寝子島でひとり暮らししつつ通う予定。俺も寝子島には愛着があるし」
そう聞いてほっとしたらしく、「よかったー」と彼女にしてはめずらしく寛美は語尾をうんと伸ばした。
「だから四月からも、こうしてちょくちょく会えると思う」
ふふっと寛美は笑った。「そいつぁ願ってもない朗報だ」
それでさ、と寛美は身を乗り出す。
「そっから先の計画も聞かせてくれよ」
「計画……」
「野望でもいーぞ」
「野望って」
誉は笑ってしまった。寛美と話すのはいつだって楽しい。汗も乾いたようで彼女のシャツはもう透けていない。落ち着いて言う。
「まずは全力でプロのピアニストになろうと思う。ジャズクラブのピアノ弾きか、スタジオミュージシャンかはわからないけど。あえて言ってしまうなら自分名義のレコードを作れるようになりたい」
ジャズ界の巨人たちにならぶ存在までたどり着けるとまでは思わないが、自身の名が書かれたアナログ盤ジャケットを壁に飾りたいと願うのだ。
「そして、将来は寝子島で自分の飲食店を持ちたい。ジャズの聴ける喫茶店だ」
「ジャズ喫茶だな」
「うん。前に詠と行ったような」
地下にあるような店でもいい。簡素な内装でもいい。けれど音響だけはうんと凝りたい。
「そのために、色々な喫茶店でバイトしたり、経済学とかも勉強しようと思う。調理師の免許も取らないとな」
「料理の腕なら俺が保証するぜ。市橋なら大丈夫」
「ありがとう。そうして開店したら最初のお客さんに――詠を迎えたい」
「本当か」
「ああ、約束する」
もちろん楽な道ではなかろう。
「うん、自分で言ってても大変だってわかってる。でも苦とは思わない。好きなことを、やりたいことをするだけだ。それに、詠が……寛美がいてくれたら、きっと俺は大丈夫だって思うからさ」
お茶を飲んだばかりなのに喉が渇いた。後半、はじめて『寛美』と呼んだ部分は特に。
目を合わせるのが恥ずかしいのか、寛美はわざとらしく海に目を向けた。
でも寛美は手を、誉の手に重ねていた。
「お、おう。そう言ってくれたこと、素直に嬉しい。俺にとっても市橋――」
えーと、とこれまた演技丸出しで言葉をさがしてようやく、
「――誉の存在は、同じだ。ええと……」ここでようやく誉と向き合い、寛美はささやくように言い足した。「大好きで、心の支えだ」
告げた声の倍くらいの音量で悲鳴を上げて、手を離すや寛美は東屋から飛び出してしまう。囲いのむこうにしゃがんで顔を隠して、「俺まためっちゃ似合わないことしちまった!」と叫ぶのである。照れ屋なんてレベルではないようだ。
茶化しちゃいけない。
というか俺も失神しそうなくらいだから。幸せで。
だから誉はおそるおそる、寛美に呼びかけるのである。
「おおい、無事か」
「……溶けそうかもしれん」
溶けたら困る。
「なのでこれからは」
「わかってる。名前呼びな。誉。うん、まだ違和感あるが努力はするぜ」
「ありがとう、寛美。はは、まだ俺も恥ずかしいな」
「おう」
「いま姿が見えない。まあ、頭の先だけは見えてるけど、なので言いやすいから言う」
「おう」
「俺もやっぱり寛美が大好きだ」
しばらく返事がなかった。だが数秒してようやく、
「………ちょっと、溶けた」
誉は笑った。
「だから、どんなに忙しくても電話したいし、デートもしたい。寛美成分が不足したら、俺の元気もしぼむから」
なかなか名前呼びには慣れそうもないが、彼女の言うとおりだと誉は思う。
努力しよう。
いつかそれが自然になるように。
「さて」誉は荷物をさぐった。「腹ごなしに勝負しないか?」
寛美の頭上に、バトミントンのラケットをかざす。はっしとこれをつかむと、
「よし!」
寛美は立って笑顔を見せたのである。
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年03月17日
参加申し込みの期限
2024年03月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年03月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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