this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
二月の魔法は春を呼ぶ
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
…
28
つぎへ >>
デートウィークでなくたって、
綾辻 綾花
は
早川 珪
と出かけることはしばしばで、『デート』と呼ぶことをためらわない。珪もまったく否定はしない。言いかえればふたりにとっては、一年三百六十五日がデートウィークだ。
それでもこの季節この時期、浮き足立ってしまうのもまた事実だった。
シーサイドタウンで待ち合わせ彼と合流し、歩きはじめてまもなく綾花は言った。
「街中が、ふわふわしている気がします」
「ふわふわ?」
「ええ。なんというか、目に見えない妖精の粉が降り注いでいるような」
目を細めれば、桃がかった金色が街を包んでいるのが目視できるのではとも思う。
「花粉だったらいやだな。目がかゆくなるんだ」
「そういうことじゃなくてですね」
「ははは、ごめん冗談さ」
たしかに、と珪は行く手を眺めた。行き交う姿はふたり連れ率が高い。いや、はっきりカップルとわかる組み合わせばかりである。手をつなぎあっている姿が目立った。
「月末まではデートウィークって言うんだったね。おかげで華やいでる」
「そうですね」
私たちも。
思って綾花が手を伸ばすと、迷わず珪は綾花の手をとった。実はあまりないことだ。三月三十一日まではまだ生徒と教師、恋人未満の関係と理解しあっているから、珪は大っぴらに手をつなぐのを避けているようなところがあった。屋外ではとくに。しかし今日に限ってはまったく拒む風がなかった。むしろ積極的なくらいだ。
ひょっとしたらこれが、二月[デートウィーク]の魔法――。
そんな言葉が綾花の脳裏に浮かんだ。
しばらくウインドウショッピングに興じる。
ゆく先々で春のさきぶれに出会った。桜色のカーディガン、リボン飾りのフェミニンなブラウス、プリーツスカートだって菜の花モチーフで明るい。タイトなジャケットも、どこか蝶を思わせるデザインである。
「すっかり春物ばかりですね」
「うん。まだ朝晩は寒いけど、今日は穏やかな気温だし、こうしているといよいよ春って感じがするね」
「可愛いアイテムが多くて目移りしちゃいます」
「綾辻さんなら何を着ても可愛いと思うよ」
「まあ! お上手なことです」
「そうかい? 思ったことを言っただけだけど」
もちろん嬉しい言葉ではあるが、常ならぬ珪の言動にやはり綾花は魔法の介在を感じる。もちろん本当に魔法がかかっているわけではないだろう。周囲の特別な雰囲気が、珪にも影響しているのにちがいない。歓迎したい影響でもある。
「春が待ち遠しいですね」
「うん。春の綾辻さんを見たいよ」
またドキドキすることを言ってくれるではないか。ずっとデートウィークならいいのに、と綾花は願わずにはいられなかった。
二月の魔法のせいだろうか。それとも、ちらちと視界に入ったもののせいだろうか。綾花もつい大胆な質問を投じていた。
「珪さんは可愛いのが好きですか? 大人っぽいのが好きですか?」
「えっ?」
司書の珪とて主語なくしては、綾花の問いの真意は読み取れない様子だ。
もちろんこの反応は予想ずみだ。綾花はそっと彼に耳打ちする。
「あの……下着の話です」
綾花の視界に入ったもの、それは女性専用ランジェリーショップだったのだ。専門店にしては大きな店構えだ。有名なブランド名が並んでいる。店全体を飾るのもフリルだった。
「ああそうか、それは、どうも」
何がどうもなのかは不明である。おそらく珪自身わかっていないだろう。窮余の言葉にちがいない。
ふと思い浮かんだ質問ではあった。しかし綾花としては、たわむれにたずねたものではなかった。
やっぱり気になります。
いつか、珪さんに見せるときが来ると思うので。
だからおざなりにはしない。彼をじっと見つめて問い直す。
「どっちが好きですか? どっちも好きですか?」
綾花からすれば珪は立派な大人だ。実際、歳も倍ほど離れている。なので平然とこたえるかと思いきや、珪は――本当に困ったように目を伏せた。ややあって言う。
「あまり考えたことがなかったな」
おそらく真剣な回答なのだろう。珪の口調には、まったくといっていいほど軽口の要素は感じられなかった。
出会った当時は特に、アセクシャルかと疑うほどに珪は性的に淡泊だった。「先生も学生時代はモテたんだよねえ~。二股かけてた時期もあるんだぞお」などと、頼みもしないのに別に聞きたくもない自慢話をはじめる若杉勇人あたりとはまったくちがう。
もしかしたら答えたくないのかもしれない――そんな考えも頭をよぎったものの、綾花はさらに質問を重ねた。
「私に似合うのはどっちだと思いますか?」
「それは、ええと、そうだな。やはり可愛いほうがいいと思う」
「好みの色は?」
「色?」
「下着の、です」
「それもまた考えたことがなかった」
「珪さんの好きな色って赤とか黒ですけど……」
「待って待って。女性の下着の、って意味だよね? 僕が自分で選ぶのじゃなくて」
「はい」
本当に困ったように腕組みして、
「それぞれの好みでいいと思うよ。もちろん僕だって、好き嫌いがまったくないわけじゃないけど」
珪は言いよどんだのである。
このあたりで引いてもよかったが、綾花はあと一歩踏みこむ。
「その好き嫌いが知りたいんです。お泊りする日までに選んでおきたいから」
これを聞いて珪は笑った。綾花はいたって真剣だった。耳まで赤くなるくらい力をこめた質問だった。しかしお泊まりとまで聞いて、珪は冗談だと思ったらしい。
「大人をからかうもんじゃないよ。しいていえば自分で決められる人が好きだね。他人の好みに合わせるんじゃなくて」
珪らしい『大人』な回答であろう。でも綾花は不満を感じないではない。
いっそのことシースルーとか紐状とか、多少過激でも指定してくれるほうが良かったかも。
だけど、『自分で決められる人が好き』ってお答えも珪さんらしいし――。
その日にそなえて、自分らしい選択ができるようになりたい。
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
…
28
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
二月の魔法は春を呼ぶ
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年03月17日
参加申し込みの期限
2024年03月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年03月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!