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ぶっきらぼうな口調だった。
「どっか行かねーか?」
今日とかよ、と
詠 寛美
は言った。たしかに高校三年生のこの時期は自由登校であり、早々と進学先が決まった
市橋 誉
にとっては平日も休みと同義語だ。すでに就職先の決まっている寛美にとっても同様だろう。
しかし寛美が誘いの電話をかけてきたのは、単に暇だからというだけの理由ではなさそうだ。
「この時期……あー、ナントカウィークってんだったっけか」
大変言いにくそうに言うのだが誉には通じていた。
デートウィーク。
主として寝子島におけるムーブメントだ。特定のメディアや企業が呼びかけたものではなく、口コミで自然発生的に流行した現象らしい。バレンタインデー後の二月、約二週間のこの短い季節はデートに最適だと言われている。とくに、バレンタインデーで生まれたばかりのカップルにとっては。
バレンタインデーで生まれたばかりのカップル――。
まさに自分たちのことではないか。
背筋が伸びる思いだ。
「バレンタインがどうとこかーとかってのが商業主義、ってのはまあ」寛美は言った。「いまだって思ってる。なんかコンビニで恵方巻きがどうとか、無理矢理やらされてるんならやめろよなとも思うよ。実際」
でもさぁとも彼女は言うのである。
「それを楽しみにしてる子どもとかいるわけで、悪く言ったらいけねえなって考えるようになったんだ。この島で長くすごして。子どもじゃなくたってそうだな、毎日のやなこととか一時的にせよ忘れられるんなら意味はあるよな」
お祭り好きの寝子島という風土は、意地っ張りの寛美にも変化をもたらしたにちがいない。それもいい方向で。
「あと、どっか行こうぜって誘う名目としても意味あるしな」
「詠には、どこか行きたい場所があるか?」
意識して誉はゆっくり話す。それでもスマートフォンを握る誉の手は、かすかに震えていた。
「わかんねー」寛美はあっさりと返した。「市橋が決めてくれよ」
寛美の言葉には投げやりな印象を受けなかった。そうではなくむしろ、『大事なのはふたりで会うことだろ?』と言われているような気がしてならなかった。
しかし記念すべき機会なのである。想いが通い合ってはっきり、恋人同士を名乗れるようになって最初のデートだ。きっと記憶に残るだろう。何年か、ひょっとすると何十年かしてからも語り合う日が来るかもしれない。
責任重大だ。
つい気負いこんでしまい、誉は数秒に満たない時間、必死で頭をめぐらせた。この瞬間誉の脳は、ほとんどの機能を行き先選択に費やしていたといっても過言ではあるまい。
全力の黙考が電話回線越しに伝わったのだろうか、寛美はさらにくだけた様子で言った。
「べっつにどこだっていいんだぜ。公園とかでも」
公園……?
そうだ。
いわば軽く投げられただけの寛美のボールだったが、誉はがっちりと受け取った。
・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*
寝子ヶ浜海浜公園、広大なグラウンドにも小高くなった緑の丘にも、まるで人の姿は見当たらなかった。
天気は抜群によく、風はわずかでしかも暖かかった。一足早く春が訪れたかのように。
「この周辺たまに走るんだけどよ」寛美は両手を腰にあて、興味深げに見渡した。「こういうのがあるとは思ってなかったぜ」
彼女がなんとも嬉しそうであることも、注釈としてつけ加えておきたい。
誉と寛美の前には立派なフィールドアスレチック施設がひろがっている。
丸太の斜面に網抜け、縄ばしごに鎖の橋、迷路や雲梯(うんてい)、長大なローラー滑り台など、子どもならずともわくわくしてくるような遊具が用意されているのだ。難易度もさまざま、幼児でも楽々パスしそうなものもあれば、陸軍の訓練施設でも通用しそうなハードなものまである。
「ふたりで体を動かせたら楽しいかなって思って」
「いい考えだな!」
やろうやろうと寛美は声をはずませた。言いながらもう、頭上にのばした腕のストレッチを開始している。
デートだからといっておめかししているわけではない。むしろ逆で動きやすさ優先、誉と寛美はそろってスニーカーにジャージ姿だ。ジャージは寝子高のロゴが入ったおそろいである。
ジャージだからロマンティックではない? それは的外れな見解のようだ。
「市橋のジャージ姿って、こんな感じなんだな。こうやってまともに見るのはじめてだ」はにかみつつ寛美は言ったのである。「ほら、俺たちって芸術科と体育科でクラスも遠くて、体育の授業一緒になったことなかったからさ。遠目で見たことはあるかもだけど」
制服を着ていないとき寛美はたいてい稽古着で、普段着がわりに学校ジャージを着ていることも珍しくなかったため、誉からすれば寛美のアウトドアな格好は見慣れている。しかし寛美視点では、現在の誉の姿はずいぶんと新鮮らしいのだ。寛美は彼を頭からつま先までしげしげと見るばかりではなく、背後に回ったり正面にもどったりして時間をかけて観賞(?)した。
「もしかして変かな?」
「とんでもない。なんつーか、その……格好いいぞ」寛美は頭をかいて言う。「さすがは市橋だなー、って」
ひゃー! 自分で言っておきながら照れて、寛美は甲高い声とともに両手で顔を隠してしまった。
愛しすぎる。可愛すぎる。
俺の表情筋、いまヤバいことになってるな。
はっきり自覚できるほど、誉も紅潮してしまうのだ。
「さっそく挑戦しよう」
さりげなく誉は寛美の手をとった。
俺の緊張が伝わりませんように――願うけれど、無理かもしれない。
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年03月17日
参加申し込みの期限
2024年03月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年03月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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