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二月の魔法は春を呼ぶ
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■二月の魔法は春を呼ぶ
年が明け二月に入った。それも後半だ。
クリスとナターシャのことを忘れたわけではない。姉妹――姉妹と言っていいだろう――のことはずっと心の隅に置いていた。
されども年末年始と慌ただしくすごすうち、陽太はいつしか日常に埋没していた。適度に忙しく適度に充実していた。適度に楽しいことも多い。
ぬるい風呂にあごのあたりまでつかっている気持ちだ。もう少し熱いほうが好みだが、かといって急に出るのも寒い。ずっとこのままでいるのも落ち着く。あまり考えずにすむのもありがたい。
だから届いたメールを見て陽太は、コップ一杯の水を浴びせられた気分になったのである。
発信者は――。
「クリスさん!」
仰天してタイトルを二度見した。三度見四度見、文面は何度も読み返した。
『拝啓。私は元気です。』
クリスからのメールだった。ナターシャからではない。
『梅の花が咲きましたね。一度見に行きませんか?』
断るはずがない。スマホをなぞる指すらもどかしく、陽太はすぐに返信して会う約束を取りつけた。
クリスさんが呼びかけてくるなんて。
十二月以来、不本意な別れ方をしたきりになってる。
気持ちを整理するのに、きっとそれくらいの時間が必要だったんだろう。
もしかして、覚えてたのかな。
ちゃんと出逢った
あの日
、クリスさんと見た花が梅だったこと。
・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*
シーサイドタウンショッピングモール内のコーヒーダイナー、緊張したせいか陽太は待ち合わせ場所に三十分も早く到着してしまった。中で落ち合う約束なので、紙カップでトールサイズを注文して持つ。
当然、待つつもりだった。のだが――。
声が出そうになった。
すでにクリスは店にいたのだった。少し高くなったチェアとスクウェアテーブル、そのひとつについている。あいかわらずグランデサイズ、大ぶりのカップを前にして心ここにあらずといった表情だ。カップに手をつけた様子はなかった。
「クリスさん」
時間より早く着いたときの言葉として適切なのか少し迷ったが、「お待たせしました」と陽太はつづけた。
クリスは気がついたようだ。正面の席に陽太が座るまで待って、
「陽太か。よく来たな」
険しい表情で告げた。
しかし陽太は驚くどころか吹き出しそうになった。
「似合わないですよクリスさん。ナターシャさんのモノマネなんて」
「わ、わかりましたか……?」
クリスの眉が八の字になった。
「はい。失礼ながら口調があまりにも堅苦しい、っていうか演技っぽい感じでしたから。そもそも声も、ナターシャさんならもっと低いですし」
「……ごめんなさい。素の自分で会うのに、どうしても気後れしてしまって」
「いえオレも」悄然とするクリスに陽太はかぶせるように言う。「オレも、正直緊張してます。……でもそれ以上に嬉しくて、連絡もらえたことがとても嬉しくて飛んで来ちゃいました。どうですか、あれから」
「姉との生活ですか?」
「はい」
「ぼちぼち、ですね」
ようやくクリスの顔に笑みがもどった。
「交互でやっています。魂の出し入れ、って言うんですか? 入れ替わりが前よりずっと簡単になって、自然と役割分担がきまっていきました。主に昼間の仕事は私が、家事はナターシャが担当しています。彼女、役所の手続きとか、面倒なことが得意みたいです。ハローニャックでも、クレーマーというか困ったお客さんの対応をするときは自然と姉が出てきます。そうそう、ナターシャって料理が得意なんですよ。意外かもしれませんが」
「意外なんてことないですよ。ナターシャさんらしい気がします」
「私は料理も掃除も下手なので、ナターシャに任せっきりです。ただ、皿洗いとかはいつもやらされていますが」
どうやらふたりとも仲良くやっているらしい。すくなくとも、どちらかが消滅という事態は避けられたようだ。
本当は別々のふたりであってほしかった。けれど彼女らが納得しているのだから陽太は、この状況を着地点として受け入れようと思った。なにより、最悪の事態だけは回避できたのだから。
しばらくナターシャとの二重生活(?)について聞いた。おおむね楽しい話だったとだけ書いておこう。だがやがてクリスはおもむろに切り出したのである。
「ところで陽太さん訊いていいですか? これはナターシャも興味があるそうですが」
「オレに質問? いいですけど」
「……えっと、陽太さんの『彼女』って、どんな人……なんですか?」
勇気が必要な問いかけだったようだ。クリスは頬を染めている。
「ええっ!?」
予想外の質問だ。陽太としては目を白黒させるほかない。
知りたいんだろうなあ。
でもどう返答すりゃいい!? 謙遜しても変だし、かといって惚気(ノロケ)になってしまうのも心苦しい。
酸素供給機の止まった熱帯魚みたいな心境だ。だが、
「つづきは私が聞こうか」
陽太は気がついた。
すでに、目の前の女性はナターシャに入れ替わっていたのだ。今度はクリスの演技ではない。声を聞いただけで確信する。
ナターシャは言う。
「許してやってくれ。あいつは、さっきの質問で気絶した。意気地なしだな」
ナターシャになったととたん、彼女の背丈が伸びた気がする。不敵な表情、クリスの美しさが百合の花だとすれば、ナターシャの場合は薔薇に近い。髪をかき上げる仕草ひとつからして毅然としていた。
すでに陽太の紙カップも、ナターシャのマグカップも空だ。ナターシャは席から降りた。
「つづきは、梅の花でも見ながら話そうか」
行くぞと告げてナターシャは歩き出した。陽太がついてくると信じて疑っていない。
色々あったけど――。
「梅が見頃の場所、案内しますよぅ」
陽太も立ってナターシャを先導するのである。
きっと梅は、美しく咲いていることだろう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年03月17日
参加申し込みの期限
2024年03月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年03月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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