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二月の魔法は春を呼ぶ
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この時期、寝子島には全国的にも早い春の息吹が訪れる。
デートウィーク。
寒波も旅支度するような春招きイベント、すべての人にひらかれた冬の終わりの祭典、年齢問わず性別問わず、いやきっと人間なのかどうかかすら問わず、あらゆる国籍世界線のカップルに等しくデートが推奨され祝福される二週間だ。
噴水のふちに腰かけてラッセルは、しまったと軽くつぶやいた。
世間的には今日は平日、しかし土地まるごとデートウィークの寝子島には関係がないようで、駅前は多くの人でごった返している。
それはいい。問題は場所だ。
ここって、晴月との待ち合わせには向いてないかもしれないな。
さすがにこの状況で空から舞い降りるのは無理だろう。彼女の言によれば晴月を目撃できる人間には限りがあるようだが、いくらなんでもこの人出では、空を飛んできた少女に驚き通報するものも出るかもしれない。
かといって電車で来いと言うのも身勝手な気もするし、なるだけ遠くから歩いてくるようにという指示を出すのも、なんだかなあと思ってしまう。
深く考えず集合場所を決めちまったかなあ。
反省する。しかしまもなく、
「ラッセルー」
胸がすっとする爽やかな香り、レモングラスのような――晴月があらわれたのだ。徒歩で。
あいかわらずの白いワンピース、以前ラッセルが買ったカーディガン、ちゃんと靴も履いている。
立ち上がって駆け寄る。
「道、まよわなかったか?」
「大丈夫だよ。よく飛ぶから、このあたりの空」
どうしてもまよったらこれがあるしね、と晴月はポケットから貝殻[ガラケー]を取り出す。
「おう。たしかに」
ラッセルも自分のガラケーを示した。あっ、と晴月はすぐさま気がつく。
「それいいね!」
ラッセルのほうは、貝殻を腰のベルトから提げていたのである。赤い組紐で上手に固定していた。
「ふふっ、ほら貝の結び方を参考にストラップにしたんだ。こーすっと和風テイストなアクセサリーみたいでいいだろ? 晴月の声がしたら振動も伝わるし、一石二鳥どころか三鳥って感じだ」
「いーな。私も紐つけて、紐」
「そういうと思って」
にっと笑ってラッセルは、自分のストラップと同じ組紐をとりだした。
「用意してきた。かしてくれよ、ちょいちょいと仕立てるからさ」
「ありがとう!」晴月は歓声をあげるのである。「おそろいだー」
「おう、おそろな」
なお紐が赤いのにも意味をこめたつもりだ。
かつてラッセルは、特製ガラケーにコードレス糸電話という印象を持った。だったら『糸』もつけてしまおう。
運命の赤いストラップってな――。
リリカルすぎるかな? ふと思ったけれど、こーいうのはリリカルすぎるくらいでちょうどいいのさと考え直す。
紐の長さはまったく同じで結びもそっくり、まさしくペア携帯だ。ひとつずつ、あらためてガラケーを手にする。
とりあえずシーサイドタウンにむかって歩いた。
よく見ると晴月は地面から数ミリ程度浮いているわけだが気にはならないだろう。
あえて気になるところをあげるなら、服だろうか。
晴月が着ている白いワンピースは、どういう原理なのかいつも純白で、長袖であろうと半袖、あるいはノースリーブであろうとおろしたてのようなのだけど、他の服、たとえばカーディガンのほうはそうもいかないらしい。いくらかくたびれてきたことは否めない。
「だからさ、今日はまずデート着をプレゼントしようと思って」
「むだづかいしちゃだめだよ」
「むだなんてことねーさ。恋人に着飾ってほしいって願うのはごく当たり前の感情だろ」
「おう……」海外の映画で学んだ表現なのか「gosh」とつぶやいてから晴月は言った。「恋人……」
「あっ、マズかったか!?」
そこまで意識してつかったわけではなく、どちらかといえば一般論くらいの気持ちで口にした言葉だっただけに、晴月の反応に戸惑う。さらっと言ってしまったものの、たしかに意味は重いかもしれない。もっとイージーに『カノジョ』くらいにしておくべきだったか。
「まずいことない、全然ないよっ」
急ぎ晴月は応じてさらに、
「あらためてそう呼ばれると……なんか嬉しい、ね」
いいながらするりと、ラッセルの腕に自分の腕をからめたのである。頭もあずけてうふふと笑う。「だったら甘えちゃおうかなー、恋人からの好意にー」
くおー!
涙が出そうになるラッセルである。
めちゃくちゃ可愛いっ!
予想外の恋人宣言が成立してラッセルの目尻は下がったわけだが、その後も下がりっぱなしだった。
「よく似合うぞー」
手放しで賞賛したい。
「えへへほんとー?」
いくつか店を回ってラッセルは晴月と衣装を選んだ。決めたのがこの上下だ。
桜色のジャケットにロングスカート、ベルトは淡い紫だ。緑の髪とも肌の色ともよくマッチしていた。ブラウスの白には晴月らしさが残っている。翼モチーフのブローチ、トリコロール柄にユニコーンが描かれたバッグを肩にかけてパンプスを履けば――。
「風の精ではなく春の精と呼びたって感じだな」
ラッセルは詠嘆するほかない。
「それいいね! くっつけて春風の精?」晴月はくすくすと笑った。「ありがとね。何から何までね」
なお着替え前の服は、ラッセルのリュックの中だ。
「さてお嬢様、参りましょうか?」
店を出て晴月はぴたりとラッセルに身を寄せて、「だったら」と言ったのである。
「エスコートしてくださる?」
いささかぎこちない口調、でもむしろ、そのあたりがたまらない。
もちろんとふたつ返事してラッセルは晴月の手を取った。とくに申し出たわけではないのに、手と手は自然に恋人つなぎになった。
「つぎはどこ行きたい?」
「映画!」晴月の即答だ。「ロマコメのいいのがリバイバル上映してるんだ」
「ほんと映画好きなー」
「イヤ?」
「いや全然っ、晴月が嬉しいならウェルカムだ」
「よかったー」晴月はにっこりした。「着飾ってね、ラッセルと映画行くのが夢だったんだ。こっそり上映室に忍びこむんじゃなくてね。客席でー」
夢とまで言われてどうして躊躇できよう!?
スマホで調べると上映時間まであまり間がなかった。ハヤブサあたりに変身して文字通り飛んでいきたいくらいだったが、そこは街中、手をつないだまま小走りでシネコンにむかった。おかげで数分前にまにあったので、ドリンクとチュロスも購入して席に着く。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年03月17日
参加申し込みの期限
2024年03月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年03月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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