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Pioggia Capriccioso
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トランペットの音が加わり、シグレは目を細めると隣を歩く小淋に目配せをした。彼女もこの音が誰のものであるのか分かっている様子で、大きな青い瞳を嬉しそうに細めて微笑んだ。
音楽室の前には日和が立っており、こちらに気付いて小さく手を振ると持っていたヴァイオリンを見せ、シグレのケースを指差すと首を傾げた。おそらく、私は混ざるけどシグレくんはどうするの? と言っているのだろう。
折角こんなに良い音が聞こえているのに、コレに乗らないなんてナンセンスだ。そんな意味を込めて、シグレは嬉しそうに八重歯を見せて笑うとヴァイオリンを取り出した。
一足先に日和が演奏に加わり、楽しげな音を響かせる。シグレもヴァイオリン片手に音楽室に入ると、響也に目配せをしてから弾き始めた。技術的には響也には劣る音だったが、シグレの音には華やかさがあった。迷いのない自信に溢れた品のある旋律は自然と音に溶け、一つの曲となって響きだす。
一足遅れて音楽室に到着したるるかが最初に見たのは、少しだけ微笑んだ響也の楽しそうな横顔だった。同好会仲間だけならまだしも、知らない人との即興曲での協奏なんて、難しいに決まっている。でも、その難しさも含めて、響也は今と言う時を心の底から楽しんでいる様子だった。本当に音楽馬鹿だと思うけれど、そんなところも好きだ。楽しそうな横顔もやっぱりイケメンだし。
響也が他の人の音に耳を澄ませ、調和を大切にしながらも大胆かつ繊細に演奏を続けていく。それに応えるようにシグレと日和のヴァイオリンの音が続き、華やかさと楽しさを、春哉のトランペットが優しさを加える。
優妃のピアノが速度を落とし、寄り添うように瑠奈のフルートも音を小さくする。物憂げな様子でピアノが最後の一音を紡ぎ、響也が曲の終わりに余韻を加えた後で息を吐き出した。
うっとりと演奏に聞き惚れていたるるかが拍手を送り、小淋もスケッチブックを小脇に抱えて手を叩く。シグレと響也が顔を見合わせて微笑み、春哉が伊左衛門をケースに置くと優妃の元へと走って行き、椅子に座る彼女の隣にしゃがんだ。
「本当に、本当に凄い演奏でした!」
興奮した様子で春哉が笑顔でそう声をかけ、両手を優しく取る。細長い指は繊細で、肌の色は鍵盤のように白い。
「素敵な手ですね。この指から、あんなに凄い音が紡がれるんですね」
優妃が一瞬驚いたように大きく目を見開き、すぐに恥ずかしそうに目を伏せる。何かを言いたそうに唇を動かすが、声は出てこない。
響也と互いの演奏を褒めあった後で、シグレはピアノに目を向けた。ここには響也のヴァイオリンの音に惹かれて来たが、思い返してみればピアノも素晴らしかった。繊細で濁りのない音は、心に深く訴えかける何かがあった。
「良い演奏だったな」
八重歯を覗かせながら、シグレが優妃に声をかける。灰色の瞳が一瞬だけシグレを見上げ、すぐに膝の上へと落ちる。シグレは膝をつき、優妃よりも視線を低くすると、優しく微笑んだ。
「ああ、失礼。名乗り遅れたが、俺は芸術科二年の
シグレ・ナイトウォーカー
。この春イギリスから留学してきて、この面子とは郊外のクラシック同好会で知り合ったんだ」
歌うように優雅に話しかける。優妃が何かを言おうと口を開くが、今にも泣き出しそうな顔で唇を噛むと目を伏せた。どうやら、目の前にいる小さなピアニストは恥ずかしがり屋で繊細な心を持った人物のようだった。シグレは急かすことはせず、彼女が話し出すのを待つつもりだった。
響也がヴァイオリンを片手にピアノに近づき、爽やかな笑顔を浮かべながら優妃の隣に立つ。どうやら響也は未だに演奏の興奮が抜け切れていないらしく、その声はやや弾んでいた。
「急に混ざって悪かった。あんまり良い音が聞こえたんで、思わず音を重ねたくなった。雨音まで取り込んでの即興なんて、なかなか出来ることじゃないよな。……楽しかった」
先ほどまで弾いていた曲を思い出すかのように、響也の目が一瞬だけ遠くに向けられる。
「御陵がこんな演奏できるなんて、知らなかった」
「篠崎の知り合いか?」
響也はシグレの問いに頷くと「同じクラスの御陵 優妃」と紹介をした。
「御陵さんって言うんですか? わぁ、私も御陵って言うんです!
御陵 春哉
って言います。おそろいですね」
春哉が嬉しそうに、優妃の手を握る力を少しだけ強める。悲しい瞳をしている優妃に、少しでも自分の楽しい気持ちを分けられたら良いのにと思いながら。
「御陵は、俺の事は知ってるか?」
同じクラスでも、もしかしたら優妃は自分の事を知らないかもしれないと思い、響也がそう尋ねる。優妃が俯きながら小さく頷き、響也が心配そうに眉を寄せる。
「どうした、疲れたか?」
そう聞きながら優妃の顔を覗きこむが、顔が物凄く近い。優妃が顔を真っ赤にしながら後ろに倒れこみそうになるのをシグレが受け止め、春哉が響也を遠ざける。
「失礼、怪我はなかったか?」
シグレが紳士的に微笑みながら優妃の体勢を戻し、そっと手を離す。チラリと見た優妃の瞳は潤んでおり、シグレは呆れを含んだ眼差しを響也に向けた。シグレにとっての優妃が、美しい音色を奏でるピアニストの女の子なのに対し、響也にとっての優妃は、物凄い演奏をする音楽家なのだろう。その差は大きい。
春哉が響也に何かを言いかけ、深い溜息をついて言葉を飲み込む。音楽にひたむきな響也の姿は憧れるものがあるが、ここまで音楽馬鹿っぷりを見せ付けられてしまうと言葉も出ない。
「御陵も、良い音だった。流石だな」
そんな爽やかに褒められても、やはり溜息しか出てこない。と言うより、恋する乙女るるかの視線が痛い。真剣な表情でツカツカと優妃に歩み寄るのを見て、春哉は焦りながら止めようとするが、ピアノの横に立ったるるかは優しい表情で微笑んでいた。
響也が他の女の子に興味を示す事はあまり嬉しい事ではないが、響也が優妃を女の子として見ているわけではないことも、優妃が恋心で顔を赤らめたわけではないことも分かっていた。
「ねぇ、もし良かったらだけど、もう一曲一緒に演奏してみない?」
優妃が困ったように俯き、膝の上に乗せた手をギュっと握る。躊躇っている様子に、るるかは優妃を怖がらせない程度の距離をとりながら顔を覗きこんだ。
「ダメかな?」
考え込むように目を伏せた後で、優妃が首を横に振る。ダメではないということは、もう一曲一緒に演奏しても良いということだろう。隣で心配そうに成り行きを見守っていたシグレが、青い瞳を細める。
「君とはまた是非音を合わせてみたいと思ってたんだ」
瑠奈のフルートを褒めていた響也が聞きつけ「曲はどうする?」と、心底嬉しそうにヴァイオリンを撫ぜながらきく。
「今のは静かな曲だったからな、今度は明るい曲でやってみないか? 曲自体は決めないで、さっきみたいに即興で合わせるのはどうだ? 御陵……優妃、即興でお願いできるか?」
御陵の後に少し間があったのは、この場に御陵が二人いたからだった。急に名前を呼ばれたことに、優妃がビクリと肩を震わせるも、春哉をチラリと見て状況を把握すると小さく頷く。
「夢宮もそれで良いか?」
「あたしは……」
優妃ちゃんが良いなら。と続けようとして言葉を飲み込むと、黙って頷いた。
「最上はフルートだろ? 浅山はどうする?」
『私はピアノで参加したいと思いますが、暫らく触れる時間もなかったので、皆さんの音に合わせられるか少し不安です』
小淋がスケッチブックの次のページを開き、驚くほどの速さで綺麗な字を書く。
『御陵さん、リードをお願いできますか?』
優妃は何も言わずに少しだけ左にずれた。小淋は優妃の隣に座ると、スケッチブックを置き、手を握ったり開いたりして指を温めた後で鍵盤に触れた。少しずつ慣らしていけば、きっと手の動きも思い出すだろう。
「夢宮、悪いんだが、最上をリードしてやってくれないか?」
素人のるるかにとって、即興で音を合わせるのは難しいだろうと判断した響也が、瑠奈に声をかける。最近練習を始めたばかりの瑠奈が不安そうにフルートに視線を落とすが、響也は彼女の背中を優しく叩くと「さっきあんな音を出せていた夢宮なら大丈夫だ」と、笑顔を見せる。
「もし難しいようなら、俺がリードする」
言い切った響也は格好良くて、るるかの目がハートになる。何もしなくてもイケメンで格好良いのに、音楽に対しての自信を纏うとさらに格好良い。
優妃と小淋のピアノの音が響き、るるかと瑠奈のフルートがそれに続く。シグレと響也、そして日和のヴァイオリンが全てを包み込むように柔らかく響き、明るい輝きとなって室内に満ちていく。
春哉も軽く息を吸い込むと、明るい曲に負けないように華やかな音を響かせた。優妃が、さっきよりも明るい気持ちになってくれたら良いなと願いながら。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
雨音響希
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年11月28日
参加申し込みの期限
2013年12月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年12月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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