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Pioggia Capriccioso
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風に乗って、綺麗な音が聞こえる。
夢宮 瑠奈
は大きな目を閉じると、雨音に混じる旋律に耳を傾けた。とても綺麗で、幻想的な旋律。聞く人の心を捉えるほど心地良い音楽。けれど、ピアノ弾きの端くれで、歌うたいの端くれで、アイドルの卵だから分かる。この音色を奏でている人が、寂しいと感じながら弾いているのだと。
とても柔らかい心を持った、繊細な人。そんなイメージを抱き、瑠奈は音の出所へと足を向けた。音楽室の前には数人の人が立っていたけれども、誰もが皆中の様子を見ているだけだった。
優しいヴァイオリンの調べが、ピアノの音色を支えるように響く。包み込むような繊細な旋律は温かい。でも、ピアノの音色は未だに寂しそうなまま。心の奥深くに溜まった孤独、言葉にできない寂しさ、自分に対する軽い苛立ちと悲しみ。瑠奈にもかつてそんな時期があったから、分かる。
瑠奈はフルートを握り締め、そっと音楽室の中に入った。ピアノの前に座っているのは、とても可愛らしい女の子。毎日同じクラスで一緒に勉強をしているから、名前は知っている。でも、誰が弾いていようが、そんなことは別にどうでも良い。今この空間に必要なのは、個人ではないのだから。
不用意に話しかける事はしなかった。ただ、最近練習を始めたばかりのフルートをそっと撫ぜ、ピアノの近くに立つ。入門用のそれほど高くないフルートに、この湿気、あまり良い音は出ないとは思う。それでも、今自分の心の中に宿る音に耳を澄ませ、この場に響く音を聞き、過去の自分を見つめ、全てを飲み込むような力を、楽器に込める。
否定するでもなく、受け止めるでもなく、突っぱねるでもなく、話しかけるでもなく、ただ聞いたままの音の隣にいるように、そっと肩を並べるように、近くにいるだけの音を奏でる。
ひとつひとつに、こころをこめて。壊れ物を扱うかのように、静かに静かに吹く。
たどたどしいフルートの音が、悲しそうなピアノの音色と温かなヴァイオリンの音に寄り添う。出来る事なら、自分の音でみんなを包みたい。誰もが笑顔になってくれるような音を届けたい。誰かの幸せが自分の幸せになり、毎日が優しさで輝きだすことを知っているから。
けれどまだ、そんな力がないことは瑠奈自身が一番よく知っていた。知らない技術は沢山あり、まだ誰かに手を引かれているような状態。卵のまま、殻を破れていない小鳥に過ぎないと言う事は、分かっている。
だからせめて、隣にいたい。支えるだけの力はなくても、歩調を合わせて隣を歩くだけの力はあるから……。
端に六芒星の描かれたスケッチブックを片手に、
旅鴉 月詠
は新しいインスピレーションを求めて校内を散歩していた。暗い色の雲間から柔らかなオレンジ色の光が降り注ぎ、雨粒が世界を白く染めている光景はとても美しく、一枚の絵にしたら綺麗だろうとは思うが、今描きたいものとは違う気がして、横目で見ながら心の端に留めるだけにしておいた。
校内を行きかう生徒の声が普段よりも小さく聞こえるのは、少しでも雨に濡れる時間を減らそうと、雨脚が強まる前に大急ぎで帰宅した生徒が多いからだろう。いつもとは違う静けさを含んだ空気を胸に吸い込んだ時、月詠の耳に美しい調べが聞こえてきた。
頭の中に、上品な光沢をもった蓄音機が浮かぶ。これは、繊細で優しいヴァイオリンの音。雨音が白い壁の部屋に、物悲しいピアノの音は少女に。月詠の頭の中でボンヤリとした光景が浮かんだ時、スケッチブックを開き、鮮明なうちに描きとめる。
家は木造、西洋式、少女は子供でも大人でもない、自分と同じくらいの年齢。部屋にあるのは可愛らしいぬいぐるみに、本がぎっしり詰まった本棚、アンティークのグランドピアノ。少女はピアノにうつ伏せになり、蓄音機を聞きながら眠っている。蓄音機は少女を癒すように優しい音色を奏でているけれども、少女は眠ったまま。少女の部屋には物が溢れているが、いずれも会話を必要としないものばかり。だから、絵は賑やかで穏やかに見えても、物悲しく感じる。たどたどしいフルートの音が加わり、月詠は少女の肩に小鳥を描いた。小鳥は少女に寄り添い、目を閉じた。
数本の鉛筆のみで濃淡を使い分け、光と影を描く。窓からは優しい光が差し込み、少女の体を包み込んでいるのに、背を向けたまま。
月詠はスケッチブックを閉じると、長い髪を揺らしながら音楽室へと歩を進めた。
瑠奈のフルートの音が重なり、自然と溶けて行く。先ほどまでとはまた違った優しさを持った曲に、春哉はケースを開けて伊左衛門を取り出すと、音楽室に入って行った。三人の呼吸を感じ取り、音の繋ぎ目を探す。曲の雰囲気を壊さないように注意しながら、柔らかく優しい音を響かせる。
ピアノの前に座る少女が一瞬だけ春哉を見上げ、響也が楽しそうに口元を緩めると、春哉をリードするように音を紡ぐ。響也の音を頼りに吹いていたのは少しだけで、すぐに春哉なりに曲を理解すると、ピアノの音色を支えるように意識しながら音を奏でる。
とても綺麗で切ないピアノの音。弾いている女の子の表情は変わらない。けれど、表情だけでは感情は分からない。あの子はどんな人なのだろう、今どんな気持ちで弾いているのだろう、この曲は彼女の中でどんな音となって響いているのだろう。
知りたい。分かりたい。彼女と話してみたい。けれど今は ――。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
雨音響希
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年11月28日
参加申し込みの期限
2013年12月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年12月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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