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きみの腕のなかで ぼくは呼吸をしていいかい?
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【(NOT)REPLICA】
倉前 七瀬
と
ウォルター・B
の関係は特殊なのかもしれない。
恋愛感情とは異なる気がする。かといって、年の離れた友情かと言えばそれも違う。
一回りほど年の離れた兄弟……それ以上の慕情という、曖昧な立ち位置だ。
それは七瀬自身も自認している。ウォルターも七瀬の気持ちを察しているようだ。
だからこれまで、何度か今回と似たような騒動に巻き込まれているわけだが……。
冬の冷たい海風は七瀬の体温を容赦なく奪う。
震える七瀬はちょうど目の前に喫茶店がある事に気が付き、温かいコーヒーを飲みながら読書をしようと思い立った。
すると、別の方向からウォルターが小走りで喫茶店に向かう姿を七瀬は目撃した。
喜び勇んでウォルターへ駆け寄る七瀬。
「ウォルターさん、奇遇ですねぇ!」
両手を広げ、ゴールテープを切るように前傾姿勢のままウォルターへ飛び込む七瀬……だが、寸でのところで思い留まった。
(あぶないあぶない。飼い主にとびつくワンコでもあるまいし……)
両手を広げてウォルターの前で制止した七瀬は、何事もなかったかのように平然を取り繕ってみせる。
「ウォルターさん、奇遇ですねぇ!」
「う、うん。あそこから仕切り直すんだね。オーケー、理解したよ。本当に奇遇だね、倉前」
「そんな顔で見ないでください、ウォルターさん……。僕だってさっきのは不本意というか不可抗力だったというかですね……というか、この状況とっても既視感です。また神魂の影響でしょうか?」
「ああ、前にハグをした時と同じような事が起きてるのかな」
「はい……あ、立ち話もなんですし、一緒にどうですか、コーヒー? それとも紅茶の方が?」
「そうだねぇ、紅茶の気分かな。さあ、入ろうか」
こうして七瀬とウォルターは喫茶店に入ると、同じ卓でコーヒーと紅茶を注文した。
それから、七瀬の持参した小説をウォルターへオススメしたり、ウォルターからはハマっている洋楽を教えてもらったりと、趣味の話で盛り上がってゆく。
……のだが、七瀬の心の中でマグマのように熱くドロドロとした欲求が噴き上がっていた。
(ぎゅっとしたい。されたい。そうすればこのモヤモヤも落ち着いて、安心できるような気がする。けれど……)
公衆の面前で、英国風の中年男性と男子高校生が熱烈に抱き合いはじめたら、周囲の目がすごく気になる。
多様性の社会とはいえ、流石に年齢差もあればウォルターが教師という職業上、自分の所為で立場が危うくなったらどうしよう……なんて杞憂のはずなんだが、ハグの欲求を口に出すことがどうしても憚られる気がしてならない。
(僕とウォルターさんの関係って……何なんだろう?)
親愛なる相手だと思ってくれている事は、七瀬も肌で感じられる。
だが果たして、その愛情は本物なのだろうか? 愛の形をした模倣なのだろうか……?
「どうかしたのかな?」
悶々とするウォルターがレモンティーを飲む手が止まった。
「悩みがあるなら、僕に打ち明けてくれないかな?」
「そういう、ところです」
ええいままよ。七瀬はもう限界だった。自分の思いの丈を一気に吐露しはじめた。
「ウォルターさんが、僕に優しくしてくれるのはすごく嬉しいです。でも、不安になる事もあって……いえ、僕がほしがり過ぎるのは出過ぎた真似というか、この関係は心地良いんですけど。なんていうか、この好意って、どこまで踏み込んでくれているのかなって」
七瀬の言葉にウォルターは困ったようにはにかんでしまう。
「安心して。倉前は僕にとって『かけがえのない存在』だよ」
「じゃあ、証明できますか?」
「具体的には?」
「この場で、僕をハグ、できますか?」
口を衝いた自分の言葉に、七瀬自身が驚いた。
だが、七瀬の中の想いが、その口を衝き動かす。
「ハグなんて欧米人からすれば挨拶ですよね? いえ、家族や親愛な相手へする行為ですよね?」
「その通りだよ。でも、何でそこまでせがむのかな?」
「僕がしたいから、じゃ理由にならないですか? 誰とでもいいわけじゃなくて、僕はウォルターさんとハグがしたい」
七瀬の言葉は真実であった。七瀬の目は嘘をついていなかった。
確かに、本当の意味で『愛』ではないのかもしれない。模倣の愛なのかもしれない。
それでも、そのレプリカを本物だと言い続ければ、いつかはそれこそが真実となって愛を語るのだ。
この時の七瀬は確信した。だから、席を立って両手を広げた。
「イヤですか?」
ウォルターは笑顔で立ち上がると、七瀬を優しく抱き締めた。
「そんなわけないじゃないか。僕が倉前を拒絶するとでも? What a terrible news! ありえないよ」
「嘘じゃ、ないんですね、よかったです」
安堵した七瀬は思わずウォルターの首元に顔をうずめる。
ハグされる前はあれだけうるさかった心臓の鼓動は、今では凪のように静かになっていた。
(あたたかくて安心する。落ち着く。ウォルターさんも同じ気持ちだと嬉しいなと思う)
落ち着いてきた七瀬は、少しだけ欲が出てきてしまう。
「すみません、もう少しだけこのままでいさせてください」
こうして、暫く二人は固くハグをし続けたのだった……。
<了>
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あとがき
担当マスター:
焼きスルメ
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ご参加くださいまして、誠にありがとうございました。
様々なハグの物語、愛の話。
お気に召して頂ければ幸いです。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
焼きスルメ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年01月16日
参加申し込みの期限
2024年01月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年01月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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