2月の寝子島にて。
寝子高3年生にとって、あと高校生活も残りわずか。
そして、高校生活最後のバレンタインデーも、間もなく迎えようとしていた。
そんな気風が高まったせいか、神魂がにわかにざわめき出す。
異変の発端は、
鷹司 凜太郎と
スピカ・フォーツのデート中に起こった。
「リンタロウ……」
急に大勢が行き交う大通りのど真ん中で立ち止まるスピカ。
服の袖を掴まれて引き留めらえる形で凜太郎が立ち止まる。
「どうしたんだい、スピカ君?」
「……ん」
振り返った凜太郎が目にしたのは、身長差約20cmある小さな愛しい人が両腕を広げて待ち構える光景だった。
「……ハグ、して?」
陶器のような白い肌に紅が差し、寂しそうで泣きそうな青い瞳が凜太郎に訴えてくる。
凜太郎は一瞬戸惑った。
いくら自分が独占欲が強いからと言って、衆人環視の中で見せ付けるような真似をするのは迷惑行為ではないか?
風紀委員として今まで振舞ってきた自分が欲で周りが見えなくなっていいのだろうか?
凛太郎が、数瞬どうするべきか行動をあぐねていると、見かねたスピカの方から抱き着いてきた。
「……リンタロウ、だいすき」
大胆な告白は可愛い女子の特権というが、既に想いが通じ合ってる二人に今更の言葉のはずだ。
それでも、この時の凜太郎はそんなスピカを愛おしく思えてしまった。
もう周りの目など知るものか。
凜太郎は眩い輝きを放つプラチナめいたスピカの髪を手で漉きながら、自身の両腕で彼女の頭を優しく包み込んだ。
「僕も愛してる。スピカ君。だから、君の腕の中で、僕が呼吸をすることを……許してくれるかい?」
「……うん」
こうして、二人は時間を忘れるまでハグを堪能したのち、デートを再開したのだった。
――この日、寝子島全体で『大切な人とハグをしたい』という欲求が高まった。
神魂がバレンタインデーのプレイベントのような感覚で騒ぎを起こしたのだろう。
「ま、実害はねぇし、今日をきっかけにカップルが誕生するのもいいんじゃねぇか? それに『大切な人』が、なにも恋人だけに限った話じゃないだろ? 家族や友達にだって、てめえらが感謝のハグはしたって罰は当たらねぇよ……俺様が言うんだ、間違いねぇよ」
灰色猫の
テオドロス・バルツァは、『ハグしたい現象』の事を興味なさげに言い捨てた。
……その割には、彼の尻尾はやけに左右に揺れていたけれども。
あなたは今日、誰の腕の中で呼吸をしてみたいですか?
寝子島が2月になりました。
終わりが見えてきました……ですがその前に、気になるあの人へ想いを伝え残していませんか?
バレンタインデーの前哨戦として、乾物こと不肖焼きスルメが恋愛シナリオをお届けします!
概要
【大切な人とハグをしよう!】
自分が大切だと思っている人と、無性にハグをしたくなります。
ハグをして、互いの腕の中で何を語り合うのか?
その内容をリアクションとして描写します。
シナリオの都合上、ペアでのグループ参加が望ましいです。
カップルの方々、大歓迎です。むしろ参加してください……!
ただし、シナリオに参加していないPCさんをアクションに記載するのはご遠慮ください。
勿論、単独でも参加できます(Xキャラへのハグ、NPCへのハグなど)。
ちなみに、ののこはこの日、フリーハグ状態で誰でもハグをしています。
テオ? オープニングでああ言ってますが、悪い気はしないと思いますよ?
NPCについて
登録済みのNPCなら、特定のマスターが扱うキャラクターを除き、基本的に誰でも登場可能です。
Xイラストのキャラクターを描写する場合、
PCとXキャラの2人あわせて「1人分」の描写なので、無関係の行動などはお控えください。
※Xキャラだけで1人分の描写とすることも可能です。
その場合は、PCさん自身は描写がなく、Xキャラだけが描写されます。
Xキャラのみの描写をご希望である旨を、アクションにわかるようにご記入ください。
※Xキャラをご希望の場合は、口調などのキャラ設定をアクションに記載してください。
Xキャラ図鑑に書き込まれている内容は、そのURLだけ書いていただければ大丈夫です。
それでは、どうか素敵な一日をお過ごしください。