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「……何がだよ」
「何だよ」
「お前こそ何だよ」
「いやお前だろ」
気の置けない間柄というではないか。例えば
桜井 ラッセル
と
海道 千里
のような間柄がそうだ。なお「気の置けない」は相手に気を使わなくてはならないのではなく、気配りや遠慮が無用な間柄を指すからことに若人は気を付けるべきである。
しかし今日の厄介な神魂の風はどうやら、このありがちな誤用を正しきものと反転してしまったようなのだ。
「だいたい、千は自分の身体気にしなさすぎなんだよ! そのうちぶっ倒れんぞ」
「はぁ? お前の知ったこっちゃないだろ、俺の身体だ」
「周りも巻き込むだろお前は! 強行なんだよいつも、そんで自分だけ疲れちまうんだろ」
「何てことねーよ、倒れたりもしない。自分のことは分かってる」
「よく言うぜ、見ろよこれ!」
ラッセルが掲げたスマートフォンの画面には、よだれを垂らして寝落ちした千里の写真が映り込む。千里は顔をしかめ、舌打ちした。
今は画面が止まったままの対戦格闘ゲームの勝敗云々はさておこう。○勝○敗などと克明に書き出したところで事を複雑にするだけであり、なにより勝ち負けが癪に障ったのは本質でなくきっかけでしかない。言い合いのテーマは転がり、互いの己への顧みなさへ至ったところでヒートアップした。
「ラッセル、お前だってやりすぎるとこあるぞ。集中すると、時間とか飯とか眼中になくなるだろ」
「寝落ちしたり倒れるまで続けたことはねーよ。千は大概なんだよ! 身を削ってまでやることねーじゃん」
「はぁ?」
何がトリガーとなるやら、互いにとて分かっていなかったことだろう。この時はラッセルの一言に千里がどうやら、カチンと来たらしい。
「お前に何が分かるんだよ」
「だから何がって何が」
「身を削らなきゃ、身につかねぇんだよ! 止まってられねぇんだ。兄貴に勝つためには」
ぐ、とラッセルは言葉を飲んだ。千里の内側、普段の快活で曇りなく真っすぐな彼が不意に吐露したコンプレックス。めったに表へ現れるものではない。
千里は医者の家柄に生まれた。三男坊である。親からは医師の道を志すことを望まれているが、それは千里自身にとって幸か不幸か、千里の願いと一致を見なかった。彼は絵を描く道を選んだ。実に強固な意志で。
望まれぬ道で身を立てるのは難しい、それが可能であるのだと証を立てる必要があるだろう。海道家には先だって成功を体現してのけている兄がいるものだから、よほどの偉業を打ち立てなければ越えることはできまい……と、どうやらそのように千里は考えているらしかった。
「だったら」
「あん」
「だったらなおさら、倒れてる場合じゃねーだろ」
「だから、俺がいつ倒れたってんだよ」
「いつか倒れるだろそんなやり方してたら! 休める時は休め! 俺だって付き合ってやるって言ってんだろ!」
「どの口が言ってんだ、お前は遠慮しすぎなんだよ! 自分一人で溜めこんで、誰にも……俺にだって相談せず、ただ離れてくんだ。俺の気持ちも知らねぇで」
「それは……」
痛いところを突かれた。ない、とは言えない。事実、ラッセルは彼から逃げるように
離れた
ことがある。彼へ相談していたら、何かが変わっただろうか。
少しばかり気勢を削がれたラッセルへ、千里は畳みかけるように言った。
「まったく、お前はさ……自己肯定低すぎ。もっと自分に自信持てよな、
晴月
のことといいさ」
ぴくりとラッセルの片眉が跳ねた。今度はラッセルのほうがカチンとする番だった。
「お前っ、晴月といえば! あいつに
抱き着きやがって
! 妙なこと教えるなよな、あいつは純粋なんだ!」
「純粋ねえ、そりゃダチでアニキとやらの立場で言ってんのか? それとももっと別の、例えば~」
「な、何だっていいだろ! とにかく、余計なことすんなよ!」
思えば先日の一幕も、ラッセルの心にわだかまる鬱屈を解き放つ一因ではあったかもしれない。千里の突飛な行動は晴月から見たことのないような反応を引き出したが、正直に言えばラッセルの心をいささかに乱したものだ。しかしその千里の理由もまた翻ってみればラッセルの力とならんがためでもある。
その後もしばし言い争いは続いたが、訳も知らぬ他者が聞いたら苦笑いを漏らすだろう。何しろ二人の放つ言葉の弾丸はそのいずれもが、互いを慮るが故に飛び出したものであったから。
ふと目に入ったのは、置きっぱなしのスマホにいつだったか、戯れで貼り付けたプリントシールだった。
瞬間、一気に熱が冷えた。
「……つーか、何で俺たちやりあってんだ?」
「何の話してたっけ。ちょっと冷静になろうぜ」
「そーだな……つーかこの試合まだ途中じゃん。俺まだ負けてねーぞ! 再開だ!」
「ラッセルは攻めが単調なんだよなぁ。もっと中段下段を振り分けて、投げ技も使わねぇと。ほらよ」
「あーっ! ずりーぞ、千!」
「わははは、間合いも甘いぜ!」
何事もなかったようにゲームを続ける彼らを、写真の中の二人が笑みを浮かべ見つめていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年01月10日
参加申し込みの期限
2024年01月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年01月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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