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怒り
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時につまらないことがやたらと癇に障る。まあ誰にだってあることだろう。いつもは気にならないような些細なことに神経を逆なでされる瞬間も、ないことではないだろう。
「倉前って下の名前、なんだっけ?」
「……七瀬ですけど」
「へー! そっか、初めて知ったわ」
同級生の何気ない一言が後々まで気になってしまうことも、
倉前 七瀬
にだって無いことではない。ふとした時、事あるごとに思い出しちくりと胸を刺す、ちょっとした言葉のトゲにささくれ立つこともある。
しかし今日のこの……何と表現したものか。重く冷たく、液体窒素が充填されたボンベを胸に格納して歩くような。それが時に漏れ出し、急激に気化して熱を帯びるような。酸欠に陥るような息苦しさも。ともかくそんな、実に無惨な気分で七瀬は街をゆく。何か当てがあるわけでもなく、人と会う予定もなく向かうべき場所もなくただ漫然と足を動かすのみの、散歩とさえ呼べない無為な時間だった。
(僕は君の名前、知ってますし。ずーっと君のこと、名前で呼んどったのですけど?)
苗字で呼ぶも名前で呼ぶも相手の自由だが、七瀬としてはそれなりに親しい間柄であるのなら名前で呼んでほしいし呼び合いたい。
いや。実のところ、こうまでささくれた感情を引きずり一向に収まらないことの直接的な要因が、あのイイヤツだが少し配慮の足りない友人の一言にないことは薄々気づいている。本質はそこにはないのだ。では七瀬をこうまで苛立ちへ沈めるのは一体、何が故であったのか?
「あれ? やあ、倉前。奇遇だねえ」
要するに友人の振る舞いは些末なことであり、七瀬にとって肝要は目の前の彼、
ウォルター・B
がいかに七瀬を呼ぶかという一点に尽きるのだ。
「……こんにちは。ブラックウッド先生」
「ん? なんか機嫌でも悪い?」
「別に。腹かいとらんし」
「ん? かいとらん?」
「怒ってない、って言ってます」
つい飛び出した方言を訂正せねば伝わらないことに、七瀬の胸の内のささくれは鋭利を増す。
七瀬のそんな機微に、聡い彼は気付いたかもしれない。さりとて彼は聡いので悪戯にそれを掘り返したりはしない。まあ気まぐれでもありほじくる時はほじくるのだが、少なくとも今日の彼はそうでもなかったようだ。無遠慮ではあるにしろ。
「そこらをぶらついてたんだけど、喉乾いちゃってさぁ。どっか入らない? そこのカフェとかいいんじゃない、新作ドーナツもあるって。美味そうだよぉ」
「はあ」
ため息でもあり了承の意でもあった。全くの乗り気ではなくあくまで乞われたからなのだ、というさりげない意思表示でもあったがウォルターが意に介する様子はなく、二人は店内へと移動した。
むすりとして頬を膨らませんばかりの七瀬を、ウォルターはやはり悪戯に突いたりはしなかった。
「ふむ、チョコクランチのザクザク感。なかなかイケるねぇ」
「そーですか。ブラックウッド先生」
「倉前のキャラメルアーモンドは? 美味い?」
「そーですね。ブラックウッド先生」
どこか捨て鉢な気分でドーナツを頬張る。我ながら子どもじみていると思わずにいられないが、自身を止めることもままならない。今日という日はどうにも、感情のコントロールが利かないようだ。七瀬はそれを寝子島に満ちる神魂の作用と半ば悟りつつもあったが、あえて見て見ぬふりをした。
「今日は朝から、メアリのお小言を食らっちゃってさぁ。いい加減書斎を片付けなさいって」
「はあ。そーなんですか。ブラックウッド先生」
「確かに散らかって見えるかもしれないけど、僕なりに使いやすい配置になってたりするんだけどねぇ」
「はあ。そーなんですね。ブラックウッド先生」
「あはは。今日は名前で呼んでくれないんだねぇ、倉前」
「っ、ウォルター先生だって!!」
思わず椅子を蹴倒す勢いで立ち上がると、周囲の客たちやらカウンターの向こうのスタッフやらが一斉にこちらを向いた。我に返り、小さくすみませんと口にして再び椅子へ腰を落とす。
「……ウォルター先生だって、僕のこと、名前で呼ばないじゃないですか」
「そうだっけ? そうだったかなぁ」
「そうですよ。どうせ僕のこと」
これ以上はいけない、と思った。口にするべきでないと自制するはずが、しかし言葉は瞳にあふれた涙と一緒にこぼれ落ちた。
「名前で呼ぶような間柄じゃない、って……思っとるんでしょう」
「そんなことはないよぉ。七瀬」
「ウソですよ! 結局っ、先生にとって僕は単なる教え子で……ただそれだけのつまらない、取るに足らない、先生にとっていてもいなくても変わらないような」
「そりゃあ僕だって、時々ウソもつくけどねぇ」
鼻を鳴らし、ぱちくりと彼を見つめた。彼の差し出したハンカチと彼の青い瞳を交互に見比べる。
「僕はね。ちょっとした、他愛もなくて可愛らしい笑って許せるウソか、そうでなきゃ本当のことしか言わないよ。君は教え子で、友人で、そして僕にとって大切だよ。七瀬」
その後、何を話してどう別れ、どうやって自室へ帰ったものやら記憶がない。
少なくとも今朝のような重苦しく息の詰まるような気分は、晴れていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年01月10日
参加申し込みの期限
2024年01月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年01月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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