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怒り
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愛おしくて、もどかしい。二つが相反しながら
綾辻 綾花
の内に共存した。愛おしいから優しくなれたし、愛おしいから束縛したくなる。愛おしいからこそ、嫉妬が募る。
「お兄さんカッコイイですねー!」
「やだイケメンー!」
「ははは。そうかな? ありがとう」
「お兄さんて、カノジョいるんですかー?」
「いや……なんていうか。いないよ。まだ」
「そうなんですかー、やったー!」
「やった?」
「じゃああたしたちと一緒にー、遊びませんかー?」
「カラオケしたりー、スイーツいったりー。楽しいですよー」
「いや、僕は待ち合わせが……」
「えーだってお兄さん、もう30分も待ってるじゃないですかー」
「もう来ないですよーその人。キャハハ!」
確かに時刻を見ればいささか遅刻だが、避けがたい理由あってのことで、彼に遅れる旨きちんと連絡だって入れている。30分とは珪が少々早く来すぎたのと、綾花の少しばかり遅い到着が重なってのことだ。だというのに、あの軽薄そうな少女たちときたらなんという言い草か。
「いやあそんなことは……きっと来るよ」
「えー来ないですって、それよりあたしたちと遊びましょうよー」
「ほら、いこ!」
「あ、いや、ちょっとそれは……困ったな。ははは」
そして
早川 珪
も珪で、なぜあのような手合いにいつまでも構っているのか、すぐにでもキッパリと断りつれない態度で追い払うべきではないのか。あんな、あのような……派手で、なんていうか、軽そうで……その。
罵倒の語彙というものに乏しい綾花は湧き出した黒い感情を言語で処理することができず苛立ちは増したが、それが苛立ちであることにも思い至ることはなかった。神魂の影響と思われる感情の増幅がそこかしこに見られた今日、品行方正で純真無垢であったが故に、戸惑う綾花は揺れに揺れた。
「……どうしたの?」
知らぬ顔で彼は尋ねる。珪は先ほどのイマドキギャルたちと一連のやりとりを綾花が遠巻きに眺めていたことなど思いも寄らないから、当然の反応ではある。
「べつに。何でもありません」
「でも、明らかに……怒っているじゃないか」
「怒ってません」
ふいと目を逸らす。自分でも良い態度ではないと分かっていたが、すぐにあらためようという気にもなれない。彼から何らかの釈明なり納得のゆく弁明、あるいは真摯な謝罪を引き出すまではどうにも引き下がれない、強硬な態度を崩すわけにはいかない。妙に意固地な気分となっていた。
「……ずいぶん、距離が近かったですよね」
「えっ」
それがうっかり、漏れ出した。
「見てたのかい」
「見てましたよ! すぐに断ればいいのに、珪さん、楽しそうでした!」
「そんなことはないよ。相手を傷つけないようにどう断ろうかと困って、迷ってしまって」
「嘘です! だってあんな……あんなふうに笑って!」
一度溢れ出すと止まれなかった。綾花の感情をせき止めていた弁が奔流に押し流され、壊れてしまったかのようだ。
「あの笑顔は、他の人に向けてほしくないです……!」
思わず声を荒げ、直後に後悔した。これでは嫉妬しているのだと公言しているようなものではないか。
それが伝わったからか、あるいは初めから悟っていたか、珪の返す言葉はあくまで平坦だった。
「僕はただ……誰にも傷ついて欲しくなかっただけだよ。あの子たちにも。綾辻さんにも。でもそれが結果的に、綾辻さんを傷つけてしまったのかな」
こんなにもダウナーで感情が落ち込んで、肩を縮めてしょげ返って……壊れそうな珪は、あまり見たことがなかった。
「わ。私は」
まさにその瞬間だったのだろう。綾花の情動を支配した、憑き物めいた神魂の影響が除かれたのは。
「ご、めんなさい……私、私。ああ、ひどいこと、珪さんに……言って」
「綾辻さん?」
あまりにぶれた他者の感情の発露を目にすると、他方は冷静になったりするものだ。この時の珪がまさにそれだったのだろう。
綾花の瞳からはほろりとこぼれた雫を、珪は指で拭った。
「ただの、やきもちです。珪さんが、あの人たちと……仲よさそうに見えたから。でも、違ったんですね」
「うん。まあね。でも、はっきりしない態度をとった僕にも落ち度はあったかもしれない。僕のほうこそ、ごめんよ」
「いいえっ、珪さんは悪くありません! 私のほうが、つまらないことであんなに……普段はこんな風に怒ること、ないんですよ」
「うん、だから悪いのはきっと僕だよ」
「いえ違います、私のほうが」
「いやいや僕が」
「私が!」
寄せては返す波か止まらない振り子のようなやりとりが続くうち、先ほどまでの焦燥や鬱憤はどこへやら。綾花は何だか笑えてきて思わず吹き出してしまい、珪も微笑んだ。
「じゃあ……その。お互い様ということで」
「そうだね」
それじゃあどこへ行こうか、お昼になにを食べようか、食べたいものは? と問われれば軽い調子で、お詫びに私が何か作りましょうかなどと綾花は返す。今日これからすぐには難しいかな、じゃあ今度お弁当か作り置きできるお酒のおつまみでも作りましょうか。ああそれはいいね、楽しみだ。会話はいつもの弾力で跳ねた。
「珪さん。怒って……ないですか?」
彼の手を取る。上目遣いに小さく尋ねた。
彼はだまって、手のひらを優しくそっと綾花の頭へ乗せ、笑みを深めた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年01月10日
参加申し込みの期限
2024年01月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年01月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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