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怒り
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なぜこんなにも。
三折部 朝衣
の心はその日、唐突に融解した。
まずもって理由が分からない。この苛立ちの根源はどこにあるのか。自身のあずかり知らぬところから、赤熱した溶岩流がとめどなく湧出するかのようだった。
婚約者である住沢 遥人と同棲を始めてはや4ヶ月だ。たがいに愛情深く絆を育み合い、睦み合い、一方で同棲生活における多種多様なルールも自然と定まり、また互いに相談の上で定めていった。食事の当番制もその一つである。
遥人は洋食店のシェフであり彼の手になる料理はそれはもう絶品で、もう食事面については任せきりでいいのだろう、料理上手な彼氏でうらやましいわと同僚などはお気楽というか無遠慮に言うのだが、そういうわけにはいかない。あくまで仕事は仕事、私生活は私生活であって切り分けられるべきだろう。ただでさえ彼は仕事中料理に携わりっぱなしなのだから、二人の家でくらい解放されるべきだ。それでいてもちろん彼が手料理を朝衣へ振る舞ってくれるのだってやぶさかではない。よって当番制は実に理にかなっていた。朝衣も公務員であるし、公私の使い分けやバランスは大事と考える。
そして日曜日の今日、朝昼兼用のブランチを用意するのは朝衣であったはずなのだが、食卓には何も用意されていなかった。白いテーブルクロスが窓に差し込む陽光を受けて無駄に、嫌味なまでに白く見える。
「朝衣……どうしたの?」
「別に。何も? ちょっと失敗しちゃっただけよ、何てことない」
「ああ、うん。大丈夫だよ、誰だってそういうことはあるし……」
「誰だって? へえ。そうかしら?」
彼に落ち度があったか? 無いだろう。単純に言って朝衣のミス、自分でも口にしたように他愛もない失敗だ。たかがプレーンオムレツ。ちょっと形が崩れたくらいなんだというのだ、食べられないわけでもあるまい。しかし何故だかその歪さや、焼き上がりにひっくり返したところで破れてこぼれてしまったことが異様に気に障った。いつもなら少しばかり「やっちゃった」と思うだけで、自分で食べてしまいもう少し上手くいったのを遥人へ分けてやるところなのだが、自分でもよく分からないながら、今朝は何だかそうはいかないのだった。
「遥人も失敗する? しないよね、オムレツなんて朝飯前。いつも完璧、非の打ちどころなし」
「うん……まあ、オムレツくらいは、そうだね」
「オムレツくらい! そうよねプロの料理人だもんね、レストランのシェフ様だものね。プロはオムレツなんかで失敗したりしない」
「朝衣……? 一体どうしたんだい、ちょっと失敗したくらいで」
ちょっと失敗、は先ほど朝衣自身が口にしたワードであったはずなのだが、彼の口からこぼれたそれが朝衣にとっての刃となり、最後の糸を切ってしまった。
「……そうよね、ちょっと失敗、プロから見たら何でもない……本当につまらない、くだらないことよね。笑ってたんでしょ? 心の中で、バカなあたしを!」
「何を言って」
「見下してるんじゃないわよ!!」
なぜこんなにも声を荒げる必要があったのか。自分でも分からなかった。その言葉を皮切りに遥人も「そんな言い方はないだろう」と応戦モードへ突入し、休日の爽やかな朝は地獄の戦場がごとき剣呑へ落ちていった。
そんな表現もまた、後になってから大仰に過ぎると恥じるのだが。
小一時間も言葉の剣、あるいは弾丸の応酬は続いた。互いに普段から胸の内へ知らずのうち、わだかまっていた小さな不平不満を巨大な武器となし、容赦もなく攻撃し合った。
物理的に家財道具やらを投げ合う展開になる前に我に返ることができたのは、幸運だっただろうか。
「……ごめんなさい……」
憑き物が落ちたとはこういうことを言うのだろう。気がつくと朝衣の内から噴出したマグマは冷えて固まり、重くのしかかる罪悪感へと転じていた。虫の居所が悪いとか、キレてしまったとかそんなレベルではない急激な感情の落差は、朝衣の意識へ一時の空洞を生み出したほどだった。
「ごめんなさい。どうしてオムレツくらいで……あんなに、あたし、訳もなく怒りが湧いてきて……」
「うん……僕のほうこそ。ごめん、心ないことを言ってしまった」
「違うの、遥人は悪くない! 今朝はなんだか胸がざわついて、かきむしられるみたいにイライラして。本当にあたし、ひどいこと。ごめん。ごめんなさい……」
「いいんだ。もう終わりにしよう」
遥人はなおもぐずる朝衣を抱き寄せ、やや強引に唇をうばった。喉からあふれかけた悔恨や懺悔の言葉は封じられ、代わりに湧いてくるのはあたたかな彼への愛情に他ならなかった。
「……お腹空いちゃったね」
「はは、そうだね。一緒に作り直そうか。手伝ってくれるかい」
「うん」
泣き濡れた朝衣の顔はひどくみっともなかったと自分では思うのだが、もちろん彼がそんなことを口にすることはないし、あるいはそうと思いもしなかったかもしれない。
すっかり落ち着いた朝衣は彼と、ブランチのやり直しを午後いっぱいを使って堪能した。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年01月10日
参加申し込みの期限
2024年01月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年01月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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