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怒り
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「もう、まったく。ワットったら、もう!」
眉を寄せて悪態をつく
稲積 柚春
など珍しいから、
メアリ・エヴァンズ
も思わずスープをかきまぜる手を止めて不思議そうに眺めた。
「どうかされましたか。ウォルターさまがお客様に粗相でも」
「どうもこうもないよ、何あの態度っ」
怒り心頭であった。
今日の
ウォルター・B
は柚春の来訪にも関わらず書斎に籠もり雑務をこなしている。それが悪いのではない、社会人で教師でもあるところを柚春も尊重しているしその多忙も良く理解しているから、仕事を自宅に持ち帰ることもあろうと想像は及ぶ。柚春の憤慨は彼の見かけによらない勤勉が故にではなかった。
「聞いてよメアリさん、ワットったら! 僕がお茶を持っていってあげたらお礼も言わずに、そこ置いといて。だよ!? しかめっつらでイライラした顔で」
「あら、珍しいですね。ウォルター様がそのような物言いをされるなんて。主人に代わってお詫びを申し上げます」
「ああいやいや、メアリさんのせいじゃないし!」
屋敷の主人に仕える使用人にして、ある種彼にとっては親代わりのような側面もあろう。息子のようにも思う彼がせっかく訪れた客へ辛辣に当たったとあれば、生真面目なメアリはそう受け取ってしまうというものかもしれない。柚春は慌てて首と手のひらを振りたくり否定しておいた。
悪いのは彼のつれない態度なのだ。他でもない柚春が、その手で淹れたての香り高い紅茶の一杯を運んでやったにも関わらずだ。そこ置いといて。目も合わせずその一言だけで、まるで用は済んだとばかりに黙りこくり目の前の書類へ没頭し始めた。むしろ集中を削がれて迷惑だとも言いたげだった。
「わたくしもあまり、そのようなウォルター様は見たことがありませんね。昔はそれはもう、ヤンチャでおられましたけれど」
「ふうん。でもそういうのとは違うと思うな、何か虫の居所が悪いっていうか」
「それに……」
「え?」
「柚春様もどこか、苛立っておられる様子」
違いますか? と控えめに口にした彼女の目元は優しい皺が刻まれて、案じられているのが伝わる。
なるほど、自分もまたイライラとしていたらしい。柚春は気がついた。
全て見て聞きながらにして、口も開けぬというのは実にもどかしい。器物が正体であるが故か、そこにアイデンティティの喪失やら自己の価値観の混濁やら悲哀やらを覚えずに済んでいるのはありがたいことだが。
緑林 透破
は唐突に実体化した。よほど腹に据えかねたからだろうか。カプセルギアとしての姿ではなく、いつぞやのように人間の少年となっていた。そんな風に現れる程に、彼は憤慨していたのだ。
「どういうつもりだよ。センセイ?」
おもむろに書斎へ入り込んだ透破のつり上がった眉を、ウォルターは目をしばたかせながらに見やった。
「……君。どこから入ったの? 稲積以外の来客があると、メアリは言ってなかったけどねぇ」
「そんなことどーでもいいんだよ! 何だよ、さっきのアンタの態度?」
透破が彼の前へ人の姿を見せたのは、何度目だったか……幾度かあっただろうか。ウォルターも彼の姿を認めたが、どこか尋常の存在ではないと認識されているような節もある。
ともかく透破は彼へと無遠慮に詰め寄った。
「何で柚春にあんな冷たい態度取るんだよ」
「そんなこと。君に関係ないでしょうよ」
「あるから言ってるんだよ!」
透破の剣幕に、ウォルターも不機嫌を隠さない。そんな表情をする彼自身が稀有なのだと、自覚は無いようだった。
「柚春を泣かせたり悲しませたりするなら、俺がアンタを許さねー」
「あ、そう。ふうん。だったら、君があの子を幸せにしてやればいいんじゃない? お似合いじゃないかぁ、歳も近いし」
「そーだなアンタオッサンだもんな、でもそんな話はしてない。何イライラしてんだ、って言ってんだよ」
「はあ? イライラ……僕が? ああ……」
ウォルターは透破を見返して神妙な顔を浮かべた。今しがたそうと気づいたらしい。どうにも平素の彼とは違うらしいところを、透破はカプセルギアの目を通してでありながら、目ざとく悟っていたのだ。
「いやぁ。うん。何でだろうねぇ?」
「理由も分かってねーのかよ。そりゃあれだろ……柚春も今朝から気が立ってる感じだったしな、この島の何か、ホラ。アレだよ。ミョーな現象というか……」
「君の言わんとしてるところは理解したよ。なるほど、イライラねぇ」
一過性の特殊な状況であろうというのは、睨み合った二人にも共通の認識となった。
それはそれとして、二人のイマイチ反りが合わないのは変えがたい、埋めがたい溝である。そこはどうにも、いかんともしがたいのだった。
「だからってアレはないだろ、柚春がどんだけ傷ついたと……いやまああいつもプリプリ怒ってたけどよ」
「大丈夫だよあの子は、あれで強いから。この程度。君だって分かってるでしょぉ」
「だからって邪険にしていいって法はねーんだよ! いいか、アンタには責任ってものが」
「……ワット? さっきから何騒いでるの? 誰かいるの?」
ノックと共に聞こえた声をスイッチに透破の姿は失せ、ハトに豆鉄砲という風情の顔を浮かべたウォルターが部屋には残された。
「いや。何でもないよ、入っておいで」
「ん……メアリさんがお茶を淹れなおしてくれたから、一緒にいただこうよ。お茶請けもあるよ」
扉が開き、様子をうかがうように控え目な柚春の顔が現れた。
要するに、神魂の気まぐれが翻弄する一日であったのだろう。メアリの淹れたとっておきのディンブラの香り高さを二人、にこやかな笑顔で堪能した。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年01月10日
参加申し込みの期限
2024年01月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年01月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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