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【節分】寝子島節分祭、および、霊界殺武無祭
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一人のあやかしから波及するように、広場全体に広がった鬨の声。それを切っ掛けに戦闘の口火が切って落とされた。
途中離脱も飛び入りも歓迎の、この殺武無祭。最初は意気込んでいた弱きあやかしも頑張るのだが、最終的には撤退を迫られずにはいられない。
道哉はのんびりとその光景、桜に似た花びらを散らす霊界の樹の傍らにある人の少ない特等席から眺めていた、が。
「おや、これは……ああ。不利、だね」
その視線は先ほど送り出した、年も離れた若天狗――疾風丸へと向けられていた。
対峙するのは、確か殺武無祭の最初に、今日の目玉として紹介されていたハヤブサという小柄な鬼だ。
それが、速い。疾風丸が一撃空振りをする隙に、ハヤブサの非情に軽い三撃が入る。
しかしその『軽い』が数重なればどうなるか。
「痛ぇ……」
それから然程経つこともなく。倒れてしまい介護の手を受けて邪魔になる前に、しょぼしょぼと道哉の元へと撤退した疾風丸の姿があった。
道哉と共に観戦していた幽霊少女の
餅々 きなこ
が心配そうにふよふよと傍に寄っていく。
「ずいぶん派手にやられたね」
「うぅ……旦那、カタキをうってくれよ」
疾風丸がぐずっという鼻声で呟く。疾風丸も若いながらに烏天狗であり動きの速さには自信があったに違いない。傷はあやかし故にすぐに治るものも多いが、プライドはおいそれと治るものではない。それを木っ端微塵にされたのが、よほど堪えたのであろう事が道哉にも伝わって来る。
「おやおや……。そうだね、いい所をみせたいし一戦交えてみようか」
そう告げて、道哉はゆるりと枡に残っていた酒を軽く煽って立ち上がった。
昼行灯ではないが、たまには少し格好良い所も皆に見せてみたりもしたい――例えば、ほんの少し昔を、ちょっとだけ思い出したりでもしながら。
「やっぱ俺つよーい! ヘェイ!!」
「ハヤブサと言ったかな? 疾風丸がお世話になったね」
広場に入った先、道哉が一直線に向かえばどうやら連勝を重ねているらしい鬼のハヤブサが目に入った。その姿は調子に乗り切った有頂天。
「お? へっへーっ、小鳥の次は猫だ! この俺に勝てると思ってるのかっ」
「……図に乗られたままじゃ癪だからね――若人の疾風丸とは一味違うよ」
道哉の黄色をした瞳が黄金にきらめき細められる。多くの言葉は不要。その雰囲気の違いを察知したハヤブサは、即座に道哉へと飛びかかった。
刹那、ガン! と鉄のような音が響く。目にも止まらぬハヤブサの拳は――道哉には届いていない。
鋭く人間のサイズ相応に大きくなった猫の爪が、余裕さすら交えてハヤブサの拳を見事に防いでいる。その隙間から、道哉の黄金に輝く瞳が完全にハヤブサの存在を捕捉していた。
「あぶねっ!」
ハヤブサが、背筋に寒気に近い何かを感じ取り、飛び退きながら距離を取る。
同時に、道哉が口端を微かに持ち上げる――もう、手遅れだと言わんばかりに。
「……まだ何もしていないよ?」
「わ、わかってらい! 行くぞーっ!」
告げられた言葉を半ば信じ込むように、ハヤブサが残像を残し道哉の周囲を駆け回り始める。
常人では捉えられないその動き。しかし、道哉には先捉えたその一瞬により、相手の動きが己の能力『ほころびの光』によって、ただ一筋の光る線として見えていた。
ひともあやかしも、意志ある存在の動きは、自由に動き回っているように見えても、意識をしなければその癖が規則性として現れる。
光の線となった動きは自己主張するかのように、その癖を規則性として露わにするのだ。それさえあれば、光が次に紡ぐ動きすらも予測が出来る。
道哉はただその進行方向を予測し、追えば良い。
そして見える『ほころびの光』は――先ほど捉えた、相手の弱点そのものだ。
「そこか」
故に、冷静に光の行く先を伸ばし爪の生えた拳を伸ばせば――それは、ハヤブサの弱点である体の中心である鳩尾を、的確過ぎるほど的確に捉え打ち据えた。
「ゲフッ……!! ま、まいりましたぁ!」
周囲からのどよめきが道哉の耳まで届く。
「昔は血気盛んだったんだ。勝負事は負ける気はないんでね」
これが昔であれば、戦った相手など半殺しに気絶が上等だった。そう思えば、今はもう生ぬるいくらいに自分も丸くなったものだと思う。
「だ、旦那ぁー!」
勝利を見ていた疾風丸が嬉しそうに駆け寄って来る。
「みちちかくん、かっこよかったよー!」
一緒に迎えに来てくれたきなこも一緒に大喜びだ。
「ありがとう皆、それでは酒盛りを再開しようかねぇ」
再び樹の特等席に座れば疾風丸が喜んでお酌をしてくれて。一杯それをくうぅっと飲めば、溢れんばかりの幸せ気分。
「やあ、『鬼酒』は格別だね。きなこ、甘えさせておくれ~」
――そうして、気がつけば何処かに鋭い気配の香は残しつつも、一見では酔ってべろんべろんの道哉は、猫の姿に戻り、そのままきなこにごろごろと全力で甘えることにした。
身内の仲間こそ至上。ならば、その敵討ちが叶えば、後は観戦に回るのが正しい武闘祭の楽しみ方というものだろう――
「うぉりゃああ!!」
そして、今。広場にはひとつの台風があった。
最初はある意味平等に、殺武無祭はあやかしたちの大乱闘であったのだ。だが、ひと結わえをした赤銅色の髪を流す巨躯の女人の鬼がその場に飛び込んでから、状況は一変した。
身長は六尺六寸にも至る巨躯から繰り出される力は文字通り嵐のようだった。
たくましくも、すらりと長い足から鎌のように繰り出された回し蹴りで迫りくる相手の首を顔面ごと地面に落とす。近くの相手の腕を掴んでは、他の相手へと叩きつけ、一撃で二利を得る。
そして、転がり起き上がろうとしている近場の鬼の両足をすくい上げ、自分の対峙する群れへと勢い良く叩き込めば、その場にいた無数の相手は、軒並みモーゼの十戒の如くなぎ倒されていった。
どれも特殊能力はまだ殆ど利用していない。それは己の巨躯を最大限まで利用すべきと、人間でありながら紫にその身の守り方を教えた師の教えを踏まえ活かした立ち回りによるものだ。
この場の一人ひとりを相手にはしていられない。単純な体力の問題はもちろんあるが、全ての相手には得意分野と個性がある。それぞれに合わせていては不毛の極みだ。
そのようなことをしていれば、流石の紫にも隙が生まれ、そこから崩される恐れは十分にある。それ故に、一掃出来るものは特技を露わにする前に、敢えて自分から動き、十把一絡げとしてご退場願う事にしたのだ。
「丈夫なやつは遠慮要らずで助かるよ。ここに立っているからには、たとえ小鬼でも潰してしまうからね――さあ、もっと行くよ。潰されたくないやつだけ残りな」
微かな疲労感。だがそれ以上に、口元から心より楽しいと笑みを浮かべれば、紫の自信に溢れた笑顔を見た格下の相手は一目散に逃げ出していった。
しかし、そこに残った者がいる。
「あら~ん♪ 素敵なオネェ様じゃなぁい。あたしとも遊んでよぉっ」
どぶろくの瓶を片手にフラフラしながら酔った女の鬼、今回の三強として紹介されていたオニキス。
「力も頑丈さも、オレっちに叶うわけないっち!」
同じく、口調とは裏腹に、巨大な棍棒を手にした青い体をした巨大な体躯のゴリ。
「お、俺だって……ま、まだ負けてないんだからなー……!」
先ほど負けては退場して、それでもプライドがあったのであろう、再び舞台に戻ってきたハヤブサの三人だ。
「やはり、注目株がそのまま残ったという感じかい? ――それじゃあ、遠慮なく暴れようじゃないか!」
紫は瞳を愉快そうに一度大きく見開くと、今までの傷の影響か立つのがやっとでありながらも一番早く飛び掛かって来たハヤブサの一撃を避け、容赦なく掌底の一撃を入れて広場の外へと叩き出した。
手傷を負っていようが、まともに相手をする事こそ危険な時もある。ハヤブサは手数が多いだけに、その典型だと確信したからだ。
実際に、その瞬間だけで背後には巨大な影が揺らめいた。影だけを目に紫が真横に飛び退くと、轟音と共に自分がいた所にはゴリが振り下ろした棍棒で地面がぐしゃぐしゃになっている。喰らえば一溜まりもないそれが再度振り上げられた瞬間を見計らい、紫は小さく息を吐くとその胸ぐらに躊躇いなく己が身を投じた。
そして瞬時に『大聳えの黒檀』を伴い、棍棒を振り下ろさんとする腕を掴むと、そのまま重心を変えて、更なる大きさを見せた身体をもってゴリを背負投げして広場の端まで全力で放り投げた。
そうして最後に残ったのは、どぶろくを飲んでいるオニキス一人――
「あっは~、オネェ様つよーいっ♪」
ふらり、とオニキスが体勢を崩した、に見えた瞬間。紫の顔面にどぶろくが鈍器となって襲い掛かってくる。
慌てて避けるが、オニキスが得手としている『鬼酔拳』は伊達ではない。攻撃の手が動きが一切読めない。
絡め手の一切を持たない紫には、あまりにも相性が悪い、ならば。
「……」
「あら~ん、もしかしてあたしに惚れて攻撃できなくなっちゃった~? ……ふふっ、それなら最っ高の方法で楽にしてあ・げ・る♪」
細身のオニキスが繰り出すのは、近づいてからであれば関節技が殆ど。
ならば、と判断した紫は、限界まで相手が抱きつこうと近づいてきた瞬間を目に『怪力乱神』を発動させて相手を抱き寄せ、全力で鯖折りにした。
「ああん!♪ いた~い!! でも、いいかも~……」
まるで、こちらが喜んで良いのか逃げ出したほうが良いのか分からない声を上げて、オニキスが気絶し無力化される。
そして、最後まで広場に立っていたのは、紫のみ。
周囲からは、紫へと向けられる惜しみのない大喝采に包まれた――
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3人まで
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日常
コメディ
神話・伝説
定員
20人
参加キャラクター数
9人
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シナリオガイド公開日
2024年01月12日
参加申し込みの期限
2024年01月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年01月19日 11時00分
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